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ことばの仕組み(文法)

分類:助詞(に)

~に触りますの「に」は到達点の「に」?
 動詞「触る」は、「(~で)~に触る」「(~で)~を触る」という言い方が可能です。「~に触る」の「~に」は、ご指摘のとおり「到着点(着点)」を表すものと考えられます。これは、「触る」という行為が方向性をもつ動きだからです。一方、「~を触る」の「~を」は、「触る」という行為の対象を示しています。すなわち、「触る」という行為のもつ方向性に視点があてられている場合には「~に触る」が用いられ、そうでない場合には「~を触る」が用いられることになります。

 ところで、「触る」は本来的には接触までの動作に視点が向けられている動詞ですから、「~を触る」とした場合には、本来的な意味から離れた「~をいじる」「~を扱う」などの意味が生じてきます。すなわち「~を触る」を用いた場合には、接触までの過程よりもむしろ、接触およびその後の動きに視点が向けられているといえます。

 この違いは、次の例に見られるように、動作の様態を表す副詞の意味の違いに反映されます。

 故障した車にゆっくり触る。
 故障した車をゆっくり触る。

 先の文は、車に接触するまでの動きが「ゆっくり」であるとの解釈が自然ですが、後の文は、車に接触してからの動きが「ゆっくり」であるとの解釈が自然となります。



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