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ことばの仕組み(文法)

分類:副詞(ゆっくりと)

「太郎は丸くゆっくりと円を描いた」と言えないのはなぜ?
 動詞句を修飾する表現には、さまざまな種類があります。

 ご指摘の例の「ゆっくり」は動詞句全体を修飾して、動詞句で表されている動きがどんな様子でおこなわれたかを述べるものです。一方、「丸く」は目的語である円がどんなふうに描かれたかを表しています。「太郎が丸く円を描いた」といえば、「太郎によって描かれた円は丸かった」といえるからです。「ゆっくり」のように動詞句全体を修飾し動きの様子を表す修飾語と、「丸く」のように目的語がどんな性質かを表す修飾語は、現れる順序が決まっています。動きの様子を表すものの方が先で、目的語の性質を表すものが後です。したがって、「太郎は丸くゆっくりと円を描いた」は不自然な言い方になるのです。同様に、「花子は急いできれいに部屋を片付けた」とは言えても、「花子はきれいに急いで部屋を片付けた」はおかしいわけです。

 「慎重に」「かいがいしく」「慌ただしく」「やすやすと」などは動きの様子を表し、「赤く」「美味しく」「清潔に」などは目的語の性質を表すというように、多くの場合はいずれか一方のみを表しますが、「美しく」「立派に」「見事に」など両方を表すものもあります。「次郎は見事に作品を作り上げた」といった場合、「次郎が作品を作り上げる様子が見事であった」とも解釈できますし、「次郎の作り上げた作品は見事だった」とも解釈できるでしょう。



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