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ことばの仕組み(文法)

分類:助詞(から)

「○○円からお預かりいたします」という表現は正しい?
 金銭を受け取るときに「お預かりいたします」という表現を使う場面として、会費の納入など、「金銭の受け取り」=「受け取り手の金銭の所有」とならない場合が考えられます。この場合には、受け取った金銭が受け取り手の手元に一時的に保管されることを明示する目的で、「○○円お預かりいたします」が好んで用いられる傾向にあるようです。

 また、通常の売買の際にも、釣り銭があるような場合に、「お預かりいたします」が用いられるようです。このような場面でも、受け取った金銭のすべてを所有するのでないという意味から、「いただきます」「頂戴します(頂戴いたします)」に替わって使用されているものと考えられます。

ご指摘の「○○円からお預かりいたします」という表現は、文字どおりには「○○円から幾らかを一時的に保管します(受け取り手の所有するところとはなりません)」という意味ですから、会費の受け取りなどの際には用いられても、通常の売買の際には不適切な表現であるということができます。にもかかわらずこれが用いられるのは、金銭の受け取りという場面で「お預かりいたします」を使用することによって、そこに婉曲的な効果が生じるからではないでしょうか。本来的には「いただきます」「頂戴します(頂戴いたします)」と「お預かりいたします」は異なった意味をもつのですが、同じような場面で同じように用いられることから、客商売など丁寧さが重視される場合には、より婉曲的であると思われる表現、「お預かりいたします」が選ばれていると考えられます。



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