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ことばの仕組み(文法)

分類:助詞(から)

「から」と「より」はどう違う?
 「から」と「より」はそれぞれさまざまな用法を持っていますが、同じような用いられ方をする場合もあります。具体的に言えば、「時間」や「場所・位置」などの「開始点」ないし「起点」といったものを標示するような場合です。「10時から/より~」の例が「時間の開始点」で、「秋田から/より~」の例が「場所の起点」に相当します。

 さて、このような「より」と「から」は果たして全く同じものと見なしてよいでしょうか。辞書の記述などでは、どちらもほぼ同義のものとして特に区別されていないようです。しかし、これらをよく観察してみると、微妙な使い分けが存在するようです。例えば、「から」は「しか~ない」や「だけ」などを用いて限定を表す表現にすることができますが、「より」の場合はこうしたものを後続させると不自然な表現になります。

  一般の方は10時からしか入れません。
  一般の方は10時からだけ入れます。
 ×一般の方は10時よりしか入れません。
 ×一般の方は10時よりだけ入れます。

 また、どちらも「起点」「開始点」を表す点では同じですが、「まで」と組み合わせて時間や場所の「範囲」を表そうとした場合、「から」は自然ですが「より」は若干ですが不自然な表現となります。

  福島から北が東北地方です。
  福島より北が東北地方です。
  福島から東京までの距離はどれくらいですか。
 △福島より東京までの距離はどれくらいですか。

 ただし単に「まで」と一緒に用いる場合は「東京まで沖縄よりはるばるやって参りました」のような表現が可能です。しかし、上の例はこのような語順にして「東京までの距離は福島よりどれくらいですか」と言うことはできません。つまり「~から…まで」で組になっていて、語順が変えられないときに限り「より」と「まで」は用いることができないのです。

 以上をまとめると「から」「より」の表す意味自体はほぼ同じですが、用いられ方に関しては、限定表現をつくる場合および「まで」との組み合わせで範囲を表す場合に両者で違いが生じるようになります。



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