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ことばの仕組み(文法)

分類:その他(テンス)

「シロに似た犬」と「シロに似ている犬」はどう違う?
 動詞によっては、「タ形+名詞」と「テイル形+名詞」との間に明確な意味の違いが見られるものもあります。

  書いたものを見せてください。
  書いているものを見せてください。

 「書く」のように動作を表す動詞の場合、タ形を用いた文では発話時点までに行われた「書く」という行為の結果産出されたものを見せるように要求していますが、テイル形を用いた文では発話時点に継続されている「書く」という行為によって産出された(産出されつつある)ものを見せるように要求している、という違いが生じます。すなわち、述語として用いられた場合のテイルが表す継続の意味が連体修飾の場合にも見られるわけです。

 また、「落ちる」のようにテイル形が結果状態を表す動詞の場合は、

  落ちたリンゴを拾った。
  落ちているリンゴを拾った。

 タ形を用いた文ではリンゴが落ちる場に居合わせたことが含意されますが、テイル形を用いた後の文ではそのような含意はありません(この場合も、テイル形は述語の場合と同じく結果存続の意味を表しています)。

 ご質問の「似る」は、述語として用いられた場合に、常にテイル形が用いられるタイプの動詞です。このタイプの動詞の場合、「タ形+名詞」と「テイル形+名詞」の意味に違いが感じられないとの指摘が見られます。

 とはいえ、「田中さんちの犬ってどんな犬なの?」という問いに対する答えのように、モノの属性について言及する場合には「白くて耳がたれてて……。佐藤さんとこのシロに似た犬だよ」のようにタ形を用いた表現が、ある場面でモノの同定に利用される性質について言及する場合には「田中さんちの犬、どれ?」「ほら、あそこにいるのがそう。佐藤さんちのシロに似ている犬よ」のようにテイル形を用いた表現が、より自然であるといえるかと思います。



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