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ことばの仕組み(文法)

分類:複合助辞

「~として」のいい導入は?
 「~として」は資格・立場・部類・名目などを表す表現で微妙に異なるさまざまな用法を持っています。比較的抽象的な表現であるため確かに導入は難しいかもしれませんが、たとえば機能を絞って次のように名詞を入れ替えた例を提示・練習すれば導入としては理解の助けになるかもしれません。

  私は観光客として日本に来ました
  私は留学生として日本に来ました
  私は労働者として日本に来ました
  私は外交官として日本に来ました

これによって漠然と「~として」の意味がつかめたら、もう少し違うニュアンスを持った次のような用法に進むという方法はどうでしょうか。

  a. 軽井沢は避暑地として人気がある
  b. あんなことは人として許せない
  c. 社長として責任をとる

aは先の例と似ていますが、「人気がある」「有名だ」「知られている」などと結びつきある程度定型的に用いられます。bは「~なら普通は…だ」、「~であれば通常は……だ」というニュアンスを持った用法です。「~許せない」「~べきだ」「~はずかしい」など評価を表す表現と結びつきます。cは立場を表してはいますが、「~なので」のような理由を表す表現と意味的に近くなります。ただし「~として」自体は理由を表しているわけではないので誤解を与えないよう注意が必要です。たとえば「なぜあなたが責任をとるのですか」という質問にはやはり「社長としてです」よりも「社長だからです」の方が相対的に自然です。

 このように用法はいくつかありますが、結びつく述語と一緒に覚えたり、定型表現として覚えるのが効率のよい方法であると思われます。



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