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回答 水谷信子(明海大学教授)

 5 擬音語・擬態語のわかりやすい教え方は?

Q
  「擬態語と擬音(声)語」の違いのわかりやすい教え方を教えてください。中国で日本語を教えている者で教師歴は1年、学習者は初級で1クラス23人です。
 
A
 

 擬態語と擬音(声)語の定義ですが、広い意味では擬声語は擬態語と擬音語の両方を含む総称とされます。狭い意味では擬音(声)語は音を表した「ガラガラ」のようなものを指し(「擬音語」は狭い意味に限るときが多い)、擬態語は音に直接関係ない状態などを描写する「フラフラ」などを指すという違いがあります。大筋ではこのように説明されますが、実際にははっきり区別できない場合もあります。たとえば「ドタバタ大騒ぎする」などは実際の音を表すか、様子を表すか、決めがたいでしょう。ですから一般には「擬声・擬態語」とまとめて呼ぶことになります。オノマトペという語も総称として使われています。

 日本語を外国語として教える場合、擬声・擬態語は一般には中・上級で扱うものとされ、初級ではほんの数語を導入する程度が普通です。質問した方の担当学生は初級ということですから、擬声語と擬態語の区別まで教えてほしいとしたら、よほど擬声・擬態語に強い興味を持ったのであろうと想像されます。興味を持って学習するように指導すること自体はよいことですが、一般論を言いますと、擬声・擬態語も、全体の指導計画の中で他の面の指導との関係を考えて導入することが肝要ではないかと思います。

 どんな単語をいくつ教えるかということについては、多くの教育機関では日本語能力試験の何級の試験を受験させるかによって、『日本語能力試験出題基準』に基づいて、語彙を選んでいると思われます。初級はふつう4級と3級を含みますが、その語彙は1,500ぐらいで、ごく基本的な語ばかりです。もちろん、日本語能力試験合格だけが教育機関の目標ではないでしょう。語彙というものは学習者の必要に応じて違うものです。工場で働く人と土産物を売る人とでは必要な語彙が違います。例えば「お買い得」というような語は物を売る人には大切でしょうが、工場で機械を操作する人には必要ありません。学習者のために最も役に立つ語彙を選んで、文型練習や会話練習などで身につくように工夫して教えるのが教師の仕事であり、擬声・擬態語の指導についてもそういう観点は大切だと思います。

 
 

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