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回答 水谷信子(明海大学教授)

 14 韓国人学習者の「つ」の発音の効果的な指導方法は?

Q
  教えている韓国人学習者の発音で「つ」が「ちゅ」になってしまいます。単音レベルで聞いて発音させると「つ」とできることが多いのですが、会話中では「ちゅ」となってしまうことが多いです。どのように練習させるとよいのでしょうか。
 
A
 

 一般に発音は、おっしゃるとおり単音レベルではかなりできても、ほかの条件の中ではよくできないのがふつうで、要するに発音の方法が身についていない、つまり定着していないからです。そのためにはほかの語とのくみあわせや文の中で練習することが必要です。これは第2回「発音の直し方」でもお話ししたように、段階を追って練習ができるように工夫する必要があります。

 韓国人にとって「つ」の音は「ちゅ」になりやすいのですが、単音レベルで発音できるということは /ts/ の音が出せるということですから、まずはじめに単音でくりかえし練習します。 は上がる印、 は下がる印です。韓国人にとってはアクセントの型にしたがって練習することが効果的です。まずAで、意味に関係なく音に集中して練習します。

全体の指示:「つ」は舌先を前に突き出して歯茎の裏につけ、[t]の音を加えるようにしなさい

A  す つつつ、す つつつ、ちゃ つつつ、ちゅ つつつ、ちょ つつつ

次にBで単語の中で練習するようにします。

B  つ くえ、つ る、つ る、つ い、つ いたち、
   つ かれ る、つ たえる、つ めたい、つ うがく、つ うきん、
   つ うか、つ うしん、つ うし

最後にCで文の中で言う練習をします。

C  ちゅ うかでは な くて つ うかと い った のです。
   ちゅ うしんで は な くて つ うしんと い った のです。
   ちゅ うしで は な くて つ うしと い った のです。
    (中華ではなくて通貨、中心ではなくて通信、中止ではなくて通史)

  こうした発音練習は水泳の前の準備運動のようなものですから、授業の最初の数分間に集中して行い、あとの時間ではあまりいちいち直さないほうがいいでしょう。また、教師の発音のあとにすぐ言わせ、録音して、それを聞かせ、違いを感じさせます。耳で学習するわけです。

 
 

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