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回答 水谷信子(明海大学教授)

 22 「~ています」と「~てあります」はどのように違いますか?

Q
  「鍵が閉まっています」と「鍵が閉めてあります」の「~ています」と「~てあります」は、どのように違いますか。
 
A
 

 「~ています」と「~てあります」の違いについての質問はよく学習者から出ます。こうした質問に答えるとき、日本語教育の参考書を読まれることも一つの方法ですが、まず、自分でどう使い分けているか考えてみるといいと思います。そこは母語話者の強みで、使い分けはできるのですから、考える習慣がつくとコツのようなものが身について、ほかの問題についての説明もだんだんできるようになるのではないでしょうか。

 まず「窓があいている」と「窓があけてある」は事実は違うでしょうか。いえ、事実は同じです。どちらも同じ状態を述べています。では、話し手の気持ちはどのように違うでしょうか。それには、後にどんな文が来るか考えてみるといいと思います。

 一般に「他動詞+てある」は動作主に対する意識が強いと説明されます。「窓があいていますね」の後には、「風が入っていいですね」「ほこりが入って困りますね」の場合も同じですが、後に次のような文も来やすい傾向があります。「風が入っていいですね。あの人が気をきかせてあけたんでしょう」「ほこりが入って困りますね。あの人、また閉めるのを忘れて帰っちゃったんですね」。つまり、「だれかがやったんだ」という意識は「~てあります」のほうが強いといえます。次のような対にすると、もっとはっきりします。

いすが並んでいる―いすが並べてある
茶碗が割れている―茶碗が割ってある
床が汚れている―床がよごしてある
ビールが冷えている―ビールが冷やしてある

家族が帰宅したとき、「お帰り。ビールが冷えているよ」と言うより、「ビールが冷やしてあるよ」と言うほうが、「私が冷やしたんだ」と押し付けがましくなる可能性があるわけです。ほかの補助動詞も一般に話し手の態度を示すものが多く、「電話した」と「電話しておいた」は、電話を掛けるという動作には変わりはありませんが、話し手の気持ちは違います。考えてみると面白いものですが、この「考えてみる」の「てみる」はどうでしょう。

 
 

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