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小学校で教えるということ
執筆 土屋 佳雅里(杉並区小学校英語講師、J-SHINEトレーナー)
2018年7月9日 UP

 小学校現場は多忙の極み!

昨年、2学期に入って間もない頃、用事があり校長室へ行った時です。
「あ、同じ雑誌持っている」(校長先生も同じ思いなのね……)と、目に留まったのは、テーブルに置かれた一冊の週刊誌でした。

「学校が壊れる 学校は完全なブラック職場だ」(東洋経済新報社、2017)
書店で一度、大胆な黄色字(「ブラック」、ですがね)で書かれた、その大見出しを目にしたら、手に取らないわけにいきませんでした。

「◯曜日はノー残業デー!」
イメージ 担当校の職員室には、こちらも黄色べースの張り紙に黒字と赤字で書かれたスローガンが、四方の壁、出入り口のドアの「裏」、冷蔵庫の扉……と至るところに貼ってあり、どこにいても必ず目に飛び込んできます。

「働き方改革」が叫ばれて、しばらく経ちますね。
以前から議論はありましたが、教育界でも中央教育審議会が昨年末、文部科学省に「働き方改革の方策」の中間まとめを提出しました。しかし、学校現場の実態はすでに、とっくのとうから見出しやスローガンの黄色・Yellow(警告レベル)を超えて、Red、Blackにきています。

朝早い出勤から時に夜遅くなる退勤まで、ひと息つく時間は無いに等しく、重なる会議や報告書などの事務作業も含め、とにかく、こまごました業務が多い。下校前は子どもたちと共に在り、下校後(土日含め)は保護者や地域対応も、延々と。

また、そのような実務に加え、意識の問題、「先生らしさ」も再考すべきではという声もあります。教員は仕事が少しだけ減ったとしても、「『子どものため』という殺し文句の下で、今までやれなかったことをやり始める」(内田、2017)。
もはや「教師は聖職者」という考えはさておき、今や「教員は労働者」(同)である意識改革は必須。たとえ働き方改革がブームであったとしても、実務と意識共の働き方改革を、声高に叫び続けていくことが大事になります。それは、子どもたちのためでもあります。

「なぜか、最近は、休み時間に子どもと遊ぶ時間もなくてね……」
ベテランの先生方が嘆かれていました。今と昔とでは、学校、子ども、保護者、環境と、さまざまに変わってきたところもあるのでしょう。
先生にとって、子どもたちとの遊びは大切なふれあいの時間。子どもたちが遊びに夢中になる中で、教室では見えない素の姿を垣間見ることができる貴重な時間なのに。

ちょっとした心がけだけでも小学校の先生方の負担を減らすことができる

さて、小学校外国語教育においても、当然ながら、教員の超多忙な実態を考慮すべきです。
(何より授業時数の増加に伴う負担からじゃないのか! がホンネとしても、ここはひとつ)
現実的な対処を考えたいものです。
指導する立場により見方がありますが、私は外部指導者として、例えば次のようなことに日頃から気をつけています。

●打ち合わせは効率よく、シンプルに ―授業の前後に「5分ミーティング」!
イメージ 授業に関する相談や諸連絡は、当日の授業前後5分程度で一気に済ませます。また、学級担任との事前連絡は、急用以外はFaxのみにしています(メールの方がさらにいいのですが、未だ情報管理の面で難しく)。
学校により分担の度合いは異なりますが、担当校では外部講師(私)が年間・毎回の指導案を作成し、学級担任に事前に渡すことになっています。

●コミュニケーションも効率よく、シンプルに ―授業と授業の合間を盗む!
何事も信頼関係が大事です。良い授業づくりのためにも、指導者同士の信頼関係は欠かせません。先生方とのコミュニケーションは、信頼関係を構築するための大切な時間です。しかし、多忙な中で、ゆっくり時間をかけることはできません。
ごく短い時間に、もちろん先生方の迷惑にならない頃合いを見計らって、ちょっと声を掛けたり、雑談をサクッとしたり。先述の子どもたちの「素の姿」と同じように、何気ない会話から互いに「素の姿」が見えて、何かホッとする瞬間があり、距離が近くなるのを感じます。表むきは教員ですが、やはり人間どうしの付き合いだなぁと実感します。

2020年に際し、小学校外国語教育においては時数、カリキュラム編成、指導内容の高度化等々、行く先はどう考えても現場教員の負担増が必至です。しかし、できることを、少しでもいい。ちょっとした心がけだけでも、教員の負担を軽くすることはできるのではないか、そう思うのです。

参考:
東洋経済新報社(2017)「学校が壊れる 学校は完全なブラック職場だ」『週刊 東洋経済』.2017年9月16日号, pp.32-63、 内田良(2017)「INTERVIEW」同書 p.41



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●著者プロフィール


土屋 佳雅里(Kagari Tsuchiya)
杉並区小学校英語講師、J-SHINEトレーナー、上智大学短期大学部(非)、早稲田大学(非)。指導者養成、各種教員研修にも携わる。小学校、大学、指導者養成といった幅広い指導を通して、よりよい日本の外国語教育を目指し、実践・研究に奮闘中。著書に『小学校はじめてセット』(執筆協力、アルク)、『教室英語ハンドブック』(共著、研究社)など 。




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