通訳者・関根マイクの業界サバイバル・ガイド

【第1回】通訳者の道具

update:2017/10/16

⑤ペン

こちらは速乾性インクのペンであれば基本的になんでも大丈夫だと思いますが、現場には必ずインクの残量がわかるペンを持参してください。つまり写真でいえば、上のペンはインク残量がわからないので現場に適していません。逐次通訳の現場で、話者がまだ話し続けているのにインク切れになるのは真の地獄ですよ!(大昔に経験済み)

ちなみに私は三菱鉛筆の油性ボールペン「ベリー楽ノック」を使っていますが、特にこだわりがあるわけではありません。使うペンとは別に必ず予備のペンをシャツの胸ポケットに用意しています。

⑤ペン

⑥メモ帳

コストパフォーマンスを考えると無印良品のらくがき帳とメモパッドが一番だと思います。大事なのは、写真のように大型と小型のメモ帳を両方用意すること。通常は通訳者に机が用意されるので大型で対応するのですが、工場見学など、歩き回って通訳するときは小型が万能です。現場で動き回ることが想定される場合、または机が用意されるかあやしい場合は小型も忘れずに持っていきましょう。

価格は高めですが、センター罫入りのノートもあります。数は多くありませんが、実際に使っている通訳者を見たこともあります。

⑥メモ帳

⑦充電器またはモバイルバッテリー

10年前と比べて通訳者のガジェット事情は劇的に変わりました。今は便利な電子機器やアプリが溢れていて、それらを使いこなせないと損な時代です。そして、電子機器はバッテリーがないと話になりません。

私は現場にiPhoneとiPad miniを持参していますが、2年くらい前まではiPad用の充電器も一緒に持っていました。でも最近はAnker PowerCore Fusion 5000が充電器とモバイルバッテリーと両方の役割を果たしてくれるので、これを持ち歩いています。モバイルバッテリーは今後も進化して、軽量化&容量増大が続くと思いますので、その時の人気商品を買っておけば間違いはないと思います。

「電子辞書は必須では?」と思う読者もいるかもしれませんが、私は否定派です。今や電子辞書にできることはスマホやタブレットでもできるし、むしろスマホやタブレットの方が万能です。またはノートPCとか。

最後に一言。持ち物は少なめに。心配性なのか、交代でブースに出入りするたびに大量の文具やツールを胸いっぱいに抱えている通訳者さんをたまに見かけますが、物を落とすのは時間の問題です。同時通訳は音にとてもセンシティブな仕事なので、物を落としたり、ガサゴソしたりして、パートナーに迷惑をかけないようにしましょう。

⑦充電器またはモバイルバッテリー

Profile

関根マイク
Mike Sekine

通訳者。関根アンドアソシエーツ 代表、日本会議通訳者協会理事、名古屋外国語大学大学院兼任講師、元日本翻訳者協会副理事長。得意分野は政治経済、法律、ビジネスとスポーツ全般。

現在は主に会議通訳者として活動しているが、YouTubeを観てサボりながらのんびり翻訳をするのも結構好き。近年は若手育成のため精力的に執筆活動も行っている。「イングリッシュ・ジャーナル」で『ブースの中の懲りない面々~通訳の現場から』を連載中。

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