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Lesson26 医療職の名称に関する英語2

執筆 押味貴之
Lesson26 医療職の名称に関する英語2

日本では、「医師、歯科医師、そして薬剤師以外の医療者」のことを「コ・メディカル」“co-medical”と表現します。しかし、実際に使われる英語ではこのように呼ばれることは少なく、医師なども含めて“Health Professions”という言葉が使われます。また、日本と外国では医療制度が異なり、それに伴って医療職の役割や名称も異なります。医師や看護師などは、その役割に大きな違いはありませんが、それ以外の医療職では、その教育や資格が異なることもありますので、翻訳する時には注意が必要です。

このように、医療職の名称は単語レベルとはいっても、その翻訳にはそれが実際にどのように使われているのかだけでなく、その国の医療制度も知っておく必要があるのです。そこで今回は前回に引き続き、医師と看護師以外の医療職の英語での名称をご紹介します。

「管理栄養士」はnutritionist?
まずは、日本と英語圏で役割がそれほど大きく異ならない医療職から見ていきましょう。

病院などに勤務する「薬剤師」は、pharmacistです。薬学研究に従事している「薬理学者」は pharmacologistですので、区別しておきましょう。「作業療法士」と「理学療法士」はそれぞれ occupational therapist と physical therapist で、英語圏ではよくOT、PTと略語で呼ばれます。「診療放射線技師」は radiological technologist ですが、一般の方は、X-ray technician や、MRI technician など、担当している検査名で呼ぶことが多いようです。また、radiological technologist によく似た言葉としてradiologistがありますが、これは「放射線科医」のことですので、お間違えのないように。「管理栄養士」は registered dietitian となります。日本ではnutritionistという英語を使っている人もいますが、これは栄養士としての資格を持たない人も含んだ呼び方ですので、使う際には注意してください。

「臨床検査技師」はどうでしょう? 日本で医療通訳をされる方の中にも、「臨床」や「検査」という日本語に引きずられて色々な訳語を使う人がいますが、正式名は medical technologist となります。この medical technologist は、英語圏でも同じように使われますが、慣用的に lab technician と呼ばれることもありますので覚えておいてください。皆さんが「ME」と呼んでいる「臨床工学技師」ですが、このMEとは何の略かご存知ですか? これは Medical Engineering の略なのですが、日本における「臨床工学技師」の正式な英語名は clinical engineering technologist ですのでお間違えのないように。ただ英語圏では biomedical equipment technician(BMET)という名称が一般的ですので、翻訳する際には目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。


「医療事務」の英訳は?
次に、日本と英語圏で、その役割が異なる医療職について見ていきましょう。

日本では、1991年に「救急救命士(emergency life-saving technician)」が誕生しましたが、これは諸外国とはその役割などが異なりますので注意が必要です。アメリカでは、emergency medical technician(EMT)と呼ばれるものがこれに近い医療職なのですが、EMTはBasic(基礎)、Intermediate(中級)とParamedic(高等)とに区分され、日本の救急救命士よりも広範な役割が与えられています。特に、EMP-Paramedicは単にparamedic とも呼ばれ、他のEMPとは区別して使われる傾向があります。余談ではありますが、日本語では「コ・メディカル」を指す際にparamedicalという単語も使われます。しかしこのparamedicと誤解されやすいので、「コ・メディカル」という意味ではparamedicalを使わない方が無難です。

「受付(receptionist)」や「会計係(cashier)」などを含む「医療事務(medical assistant)」は となります。よく似た言葉に physician assistant というものがありますが、これは medical assistant とはまったく異なるものですから気をつけてください。この physical assistant(PA)というのは、「医師の指導の元に医療行為を行なうことができる医療職」のことで、日本で研修医が担当するような投薬や検査の指示といった医療行為を行ないます。中でも手術助手を努める PAはsurgical physician assistant と呼ばれ、通常のPAとは区別して呼ばれます。

これ意外にも英語圏の国には、日本にはない health professions が存在します。日本でも最近「フットケア」に関するさまざまなサービスが登場していますが、英語のpodiatristに相当するものはありません。これは「足病専門医」と呼ばれる医療職で、医師と同等の資格が必要になります。ですから、日本のフットケア従事者の英訳にはこのpodiatristは使えませんので気をつけてください。また、英語圏でメガネ屋さんの名称としても使われている optometrist(検眼士)も、日本にはない専門職です。日本ではコンタクトレンズの処方は医師でなければできませんが、英語圏ではこのoptometristにもその権利が与えられています。このoptometristは、医師のように病気の治療は行なえませんが、検査、診断といった幅広いプライマリケアの役割を持っています。日本の「視能訓練士」の英語名はorthoptistですので、間違えないでくださいね。



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