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Lesson34 英訳のポイント2

執筆 押味貴之
Lesson34 英訳のポイント2

英語を話すときに、日本語から英語に翻訳して話そうとすると、元の日本語に引きずられて思わぬ誤訳が生じることがあります。これは初心者に限った問題ではなく、たとえ英語を流暢に話せる人でも、自分の英訳を客観視できなければ、同じような間違いをしてしまいます。そこで、前回に続き、英訳する際に注意が必要な日本語表現を題材に、英訳する際のポイントを紹介します。

簡単な英単語こそ、しっかりと定義を覚える
では下線部に注意して、次の3つの文章を英訳してみてください。

1.食べた後は口をゆすぎましょう

2.お風呂が沸きましたよ。

3.塩分の多い食事は避けてください。


どれも簡単な表現ではありますが、気をつけなければいけないポイントがあります。では一つずつ見ていきましょう。

1. Let's rinse out your mouth after eating.
「ゆすぐ」という日本語に引きずられていると、とっさに英語が出てきません。ですが、「ゆすぐ」というのは水を使って「洗う」ことですから、まずは「洗う」という意味で覚えている単語から発想していけばいいのです。しかし、to wash や to rinse といった動詞をすべて同じように「洗う」と覚えていると、こういったときに区別することができなくなり、“Let's wash your mouth.”のような誤訳をしてしまいます。簡単な単語こそ、英英辞典でその定義をしっかりと覚えるようにすると、前者は「石けんなどを使って水で洗う」、後者は「水以外に何も用いないで洗う」というイメージが定着します。

2. Your bath is ready.
「お風呂が沸く」をそのまま訳してしまうと、“The water in the bathtub has been boiled.”となってしまいます。しかしこれでは、患者さんをこれから食べ物のようにゆで上げようとしか聞こえません。これも「沸く」という動詞を to boil としか覚えていないことからくる誤訳です。日本語の「沸く」には、「水が沸騰する」= to boil のほかにもさまざまな意味があります。和英辞典だけに頼らず、日本語の文脈の中でその日本語の単語がどのような意味を持っているか、そういったことをしっかりと検討する習慣をつけると良いでしょう。

3. Please avoid a high salt diet.
「食べ物」と言えば、条件反射的にfoodという英語が出てくる人が多いようですが、英語で「食事」という場合はむしろこのdietの方を使います。しかし日本語の「ダイエット」には「減量する」という定着したイメージがあるためか、とっさにこの単語を使える人が意外と少ないようです。既にカタカナとして定着している英語は、元の英語とは異なる意味で使われていることが多いため、そのような単語を扱うときには、特に注意をしてくださいね。


「車内のやけど」は“burn in a car”?
ではさらに次の3つの文章を英訳してください。特に動詞の使い方に注意してくださいね。

4. 夏の車内は日光で熱くなるので、車内でやけどをしないように気をつけてください。

5.骨髄穿刺のために採血をしますね。

6.お腹にゼリーを塗りますね。


少し単語が難しくなりましたが、いかがでしたか? では見ていきましょう。

4. In the summer heat, car interiors are very hot, so we need to be careful when we touch the interior to avoid burn injuries.
「やけど」を和英辞典で調べるとburnという単語が見つかります。そして、それが車内で起こるわけですから、「車内のやけど」をそのまま burn in a car としてしまった人も多かったのではないでしょうか? ですが、その英語を少し客観的に見てください。どんな印象を与えますか? そうです。よくイラクの報道などで聞く「自爆テロ」の状況になってしまいます。つまり、車の中で人間が丸焦げになっているように聞こえてしまうのです。

このような滑稽な表現を避けるために、常に自分の英語を客観的な視点で見る習慣をつけると英訳は確実に上達していきます。

5. I need to take some blood before we do the bone-marrow biopsy.
「骨髄穿刺のため」という表現に引きずられると for the bone-marrow biopsy という表現になってしまいます。ですが、この英語だとどういう意味になってしまうでしょう? そうです。「これから行なう採血が骨髄穿刺のサンプルになる」という意味になってしまうのです。そうなると、その表現は元の日本語とは違う意味になってしまいます。何度も繰り返しになりますが、翻訳した英語を客観的に見る視点があれば、このような誤訳は避けられるはずです。

6. I'm going to put the gel on your abdomen.
これも、カタカナ英語に関連した例です。日本語の「ゼリー」が、そもそもこの場合は誤用であって、本来ならば「ゲル」もしくは「ジェル」とすべきなのです。したがって「ゼリー」をそのままjellyと訳したならば、それは食べ物の「ゼリー」になってしまいます。これもまた一旦立ち止まって考えれば簡単に避けられる間違いですので、皆さんはこんな間違いをしないでくださいね。



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