HOME > 英語勉強法 > プロが薦める勉強法 File#06 木村達哉さん

プロが薦める勉強法 File#06 木村達哉さん

プロが薦める勉強法 カリスマ講師陣が惜しみなく公開
多くの語学学習者にとって語彙不足は深刻な問題。これまでさまざまな学習法を試して挫折した方は、あの灘校で効果が実証された「キムタツ式」語彙習得法を試してみてはいかがだろう。

木村達哉

1964年奈良県生まれ。関西学院大学文学部英文科卒業。奈良県の私立高校教諭を経て、98年から灘中学・高等学校英語科教諭。教員と執筆業以外にもラジオのパーソナリティーを務めるなど多方面で活躍。主な著作に「センター試験英語リスニング合格の法則」シリーズ、「東大英語」シリーズなどがある(以上アルク)。

取材・文◎いしもとあやこ Ayako Ishimoto 写真◎劉 成吉 Sung Gil You

  従来の単語集に対し抱いていた違和感

日本屈指の名門進学校として知られる灘中学・高等学校で英語を教える、木村達哉先生。エネルギッシュかつユーモアあふれる授業で人気を博し、生徒たちからは「キムタツ先生」の愛称で親しまれている。一方、多くの学習参考書を世に送り出し、灘校のみならず全国の受験生を難関校合格に導いてきた。いわば「受験英語指導のカリスマ」的存在である。

木村先生の参考書の一番の特徴は、そのどれもが、灘校の生徒たちによって効果が実証されていること。夢をかなえる英単語「ユメタン」シリーズもその一つだ。語彙学習に的を絞ったいわゆる「単語集」だが、ただひたすら英単語の意味を暗記させる従来の類書とは一線を画している。

その学習法とは、「毎日同じ100語を1週間、さまざまなアプローチで学習し続ける」というもの。一見、ハードに思えるこのメソッドにたどり着いた背景には、ただ機械的に単語の意味を覚えさせる、従来の単語集に対する違和感があった。

『1日に○個ずつ覚えなさい』というやり方では、1週間たったころにはもう、1日目に覚えた単語を忘れてしまいます。単語力がないまま高校3年になり、英作文や英文読解で苦労する生徒も、これまでに数多く目にしてきました」

  通訳学校で得た語彙学習のヒント

打開策がないものかと思案していた折、木村先生は、通訳学校の体験授業に参加する機会を得た。あらかじめ配られたプリントは、表にも裏にも英単語がズラリ。それらの意味を覚えているかどうかを確認するため、講師が次々と受講生を当てていく。

ここで木村先生が驚いたのは、講師が英単語を言って日本語で意味を答えさせるのではなく、日本語を言って英単語を答えさせたことだった。つまり「ruling partyの意味は?」ではなく、「“与党”は英語で?」と問われる形だ。

「僕自身、英単語の意味を日本語で答えることはできても、日本語を英語にするのは難しかった。しかも、すぐに答えられずに考えていると、先生はもう僕を見限って、次の人を当てている(笑)」。この容赦ない体験から木村先生は、「日本語を聞いて瞬時に英語が思い浮かばないようでは、本当にその単語が身についたとは言えない」と悟ったという。通訳学校で思いがけず、語彙学習の大切なヒントを得たわけだ。

  「英語→日本語」から「日本語→英語」へ

この時の発見に基づき、中高生向けにオリジナルの語彙学習法を編み出した木村先生。それが、前述した「毎日同じ100語を1週間、さまざまなアプローチで学習し続ける」というメソッドだ。『ユメタン』は、この「キムタツ式語彙学習法」を受験対策用にまとめた一冊。週に100語、2カ月半で合計1000語をマスターする。

具体的には、どのような学習手順をたどるのだろうか。まず1日目は、その週に学習する100単語に目を通し、意味が言えるかどうかをチェック。CDを聞き、正しい発音も確認しておく。2日目は、前日にわからなかった単語を中心に、再び単語の意味を確認。さらにそれぞれの単語を3回ずつ、発音しながら紙に書く。これにより、つづりと発音を関連づけながら覚えることができる。

3日目からは、いよいよ「日本語を聞いて、英語を言う」練習に入る。英単語を隠し、日本語で書かれた意味を見ながらCDを聞く。実は、『ユメタン』最大のポイントは、このCDが「日本語→英語」の順序で収録されている点にある。学習者は日本語を聞き、それに続くネイティブスピーカーのお手本に重ねるようにして単語を発音する。つまり、木村先生が通訳学校で体験した「日本語を聞いて英語を言う」練習が、自分一人でできるような工夫がなされているわけだ。

4日目から6日目には、それまでに学習した単語を、実際の用例の中で確認。『ユメタン』では、各単語につき2つずつ、フレーズや文による用例が示されている(例:agree→agree with their opinion)。これらのフレーズを、1~3日目と同じ要領で繰り返し学習し、確実にものにしていく。

7日目には、単語とフレーズの最終チェック。「英単語やフレーズを見て、日本語で意味を言えるか」「日本語を見て、対応する英単語やフレーズを言えるか」の両方を、素早く声に出して答えながら確かめる。これで、語彙学習の1ラウンドが終了となる。

このメソッドを数年前、灘中学・高校で導入したところ、生徒たちの語彙力はもちろんのこと、英作文やスピーキングの力も顕著に伸びたという。「例えば『語彙力を高める』と表現するのに、以前はimprove my wordsと書いていた生徒が、急にenrich my vocabulary などと書けるようになっていたりするんです」。まとまったフレーズや文章の中で単語を使えるということは、意味だけではなく、用法までもがしっかり身についている証拠だろう。



英語勉強法 トップへ    


  • アルコムワールドで日記を書く

英辞郎 on the WEB

メルマガ登録