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ことばの仕組み(文法)

分類:その他(命令の表現)

「ごめんなさい」「おやすみなさい」の「なさい」は命令形?
 「ごめんなさい」「おやすみなさい」は、決まった場面で決まった形で用いられる形式化が進んだ表現です。ともに形式的な意味以外に、文字どおりの意味というものをもっています。

 「ごめんなさい」の「ごめん(御免)」は「許し」「許可」「容赦」という意味を表す漢語名詞です。ですから、「ごめんなさい」の本来の意味は、「お許しください」「ご容赦ください」というものです。「漢語名詞+なさい」自体は生産性のある形式で、「我慢なさい」「練習なさい」などが可能です。また、同じ「御免」を用いたものに「ごめんください」がありますが、これももともとは訪問の許可を求める表現でした。

 「おやすみなさい」も同様に、本来は相手にやすむ(寝る)ことを促す表現でした。こちらは、動詞「やすむ」の連用形からの転成名詞に「なさい」がついたものです。「お食べなさい」「お行きなさい」など、同様の言い方が可能です。もともとは相手にやすむことを促す表現ですが、形式化が進んでやすむ前の挨拶として用いられているので、やすもうとしている相手に用いるだけでなく、休もうとしている当人も用いることが可能です。ただし、前者においては「ゆっくりおやすみなさい」などバリエーションを持たせて用いることが可能であるのに対して、後者においてはそれが不可能です。後者のほうが、より形式的に用いられていると言えるでしょう。

 日本語学習者に説明するときは、挨拶などに用いられる決まった表現には、形式的な意味と本来の意味とがあることを学ぶ機会として活用されてはいかがでしょうか。



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