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ことばの仕組み(文法)

分類:助詞(の)

「不思議の国のアリス」と「不思議な国のアリス」はどう違う?
 「の」の表す意味には、「所有」(「姉の自転車」)、「同格」(「弟の次郎」)、「対象」(「日本語の研究」)など様々なものがあります。「の」の前にある名詞が物事の性質を表すようなものである場合、「の」は「性質・状態」を表すと言われています。ご指摘の「不思議の国のアリス」はこの場合であって、形容動詞によって連体修飾された「不思議な国なアリス」という表現に近い意味を表します。

 2つの表現は同じような意味を表しているように見えますが、「不思議の国のアリス」の方は、「不思議の国」がある種の固有名となっており、「不思議の国」というものが存在しそこにアリスがいるという意味を表しています。一方の「不思議な国のアリス」の方は、同様の読みができません。前者が本のタイトルであり、「不思議の国」というものが存在するとの知識によるのではないか……と思われるやもしれませんが、これは2つの表現一般に見られる傾向のようです。

 試みにインターネットで検索をおこなったところ、ホームページ名のように固有名として用いられる場合には、2つの形式が可能であっても「~の国」のほうが選ばれており、「~な国」が用いられるのは「○○は~な国」「~な国・○○」(「平和な国・日本」)のように、ある国がどんな性質を持っているのかを説明する文脈においてです。したがって、2つの表現のうち「~の国」と「の」を用いた方が後の名詞との結び付きが強いといえるのではないでしょうか。本のタイトル「不思議の国のアリス」が、「不思議な」ではなく「不思議の」となっているのもこれによるものでしょう。



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