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小学校で教えるということ
執筆 土屋 佳雅里(杉並区小学校英語講師、J-SHINEトレーナー)
2018年4月9日 UP

 子どもの心に寄り添おう ―無理強いしないで―

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いよいよ4月! とうとう4月……。

それぞれの思いを胸に、新年度をスタートされていることでしょう。何かを新しく始めることは、ワクワクですが、ドキドキですね。
大人も、もちろん、子どもも。

短い春休みですが、休み明けの子どもたちはガラッと大きな変化をみせてくれます。振り返ると、5年から6年に変わる時期の変化が顕著に感じます。
子どもたちなりに1つ学年が上がることを、特に5年生は6年生・最上級生になることを真摯(しんし)に受け止めているのかもしれません。

ある5年生の変化にも驚かされ、教えられました。
高学年にしては珍しく、3学期の最後の授業まで、歌も喜んで元気に歌う、ハキハキ英語を話す……という子たちでした。 ところが、6年になり、4月初回の外国語活動で、“Hello! How are you?“ と開口一番のあいさつに、「(シーン)」 ...”H..., hello...(ハ、...ハロー...)”と、か細い声がひとつ、ふたつだけ。

「みんな、何があった!?」と心の中で驚くと同時に、あ―この子たちは健やかに成長しているのかもしれないなと、ジーンとうれしくなりました。高学年になると自己や他者への意識がより強まるとされますが、その現れだったように思います。



温かく見守りながら、気長に待つ

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高学年ならではの心の揺れは、普段の授業でもよく見られます。

「ペアを探してインタビューしよう」という活動では、自由に相手を探しインタビューし合うことがありますが、ここで必ず、ひとりでウロウロしたり、隅っこでじっとしていたりする子がちらほら……。対人関係も微妙なお年頃です。
ひとりでいる子を、無理に誰かの前に連れていくのではなく、まずは指導者がインタビュー相手になります。あとは様子を見守ります。

外国語活動の授業としては、声は出る方がいいでしょうし、歌も英語らしいリズムを自然に体得できますから出来るならば続行したいですし、英語でのインタビューもしっかりやってほしいなぁと願うところでしょうか。
でも、子どもたちの心と体が、声を出すのを、歌うのを、友だちとのやり取りをちゅうちょしているのなら、そこには英語以外の「何か」の理由があるのかもしれません。

子どもたちの心に寄り添って、温かく見守りたいものです。無理強いからは何も生まれません。子どもたちは遠くへ行ってしまうのみです。
伸びないゴムを無理やり伸ばしたら……、切れてしまいますからね。柔らかく、しなやかに伸びるようになるまで、気長に待ちませんか。



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●著者プロフィール


土屋 佳雅里(Kagari Tsuchiya)
杉並区小学校英語講師、J-SHINEトレーナー、上智大学短期大学部(非)、早稲田大学(非)。指導者養成、各種教員研修にも携わる。小学校、大学、指導者養成といった幅広い指導を通して、よりよい日本の外国語教育を目指し、実践・研究に奮闘中。著書に『小学校はじめてセット』(執筆協力、アルク)、『教室英語ハンドブック』(共著、研究社)など 。




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