税理士試験を目指す方が最初に直面する疑問が「いったい何時間勉強すればいいのか」という点です。
結論からお伝えすると、通信講座を活用した場合の目安は約2,000時間、独学も含めた一般的な目安では3,000〜5,000時間(5科目合計)といわれています。
2,000時間を5年で割れば1日約1.1時間、3,000時間を2年で割れば1日約4.1時間と、同じ5科目でも1日あたりの負担は4倍近く変わります。
税理士試験は1科目ずつ合格を積み上げる科目合格制で、合格科目は生涯有効です。
働きながら毎週コツコツと学習時間を確保し、3〜5年かけて合格を目指すのが社会人の標準的なルートです。
この記事では、TAC・アガルート・スタディングの公式データと国税庁の試験結果をもとに、科目別の勉強時間や社会人向けの学習計画の立て方まで詳しく解説します。
講座選びから比較したい方は、税理士の通信講座でスクール別の料金・科目対応を確認できます。
編集部【編集部より】編集部が国税庁の令和7年度(第75回)試験結果を確認したところ、その年に5科目そろえた人は527人で、受験者36,320人の1.5%でした。この試験は「合計何時間か」よりも「何年かけて何科目ずつ積むか」で組み立てたほうが計画が立てやすくなります。この記事では合計時間を年数・週・1日に割り戻した早見表を先に置いているので、自分が何年コースで行くかを決めてから読み進めてみてください。
講座を先に絞りたい方のために、勉強時間を短縮しやすい通信講座3社を料金と学習スタイルで簡単に比べておきます。
| 通信講座 | 料金(税込) | 向いている人 |
|---|---|---|
| スタディング | 59,800円 2027年度版 簿財2科目セット ミニマム | 費用を抑えてスマホ1台で進めたい |
| アガルート (ネットスクール提携) | 210,000円 2027年合格目標 簿財一括ゼロ標準コース | ライブ講義で質問しながら進めたい |
| クレアール | 743,000円 9月割引価格 393,790円 2028年合格目標 2年5科目合格セーフティコース | 複数年かける前提で保証がほしい |
講義形式・質問サポート・合格実績まで含めた各社の中身は、おすすめ通信講座3選で詳しく比べています。
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この記事の監修者


徳永 浩光
国家資格キャリアコンサルタント(登録番号:21028809)
大手から中小企業まで規模を問わず、キャリア支援制度の導入・人材教育・個人の相談業務に従事。「計画的偶発性理論」を重視したキャリア形成支援を行うほか、資格・教育分野の専門サイト監修を多数担当。企業研修や教育実務、ウェブメディア運営の知見を活かして情報発信しています。
税理士試験の勉強時間は合計何時間?


税理士試験(5科目合格)に必要な勉強時間は、通信講座を活用する場合で約2,000時間、独学も含めた一般的な目安では3,000〜5,000時間です。
この章では2つの目安に加えて、それを1日・週あたりに割り戻した時間と、5科目そろうまでに何年かかるのかを順に見ていきます。
通信講座活用の場合:約2,000時間
スタディングの公式コラムによると、税理士試験の勉強時間は「約2,000時間前後」が目安とされています。
通信講座は効率的なカリキュラムで無駄なく学習できるため、独学と比べて少ない時間で合格を狙えます。
独学も含めた一般的な目安:約3,000〜5,000時間
独学も含めた一般的な目安では、5科目合計で約3,000〜5,000時間とされています。
この数字の幅が大きい理由は、受験前の簿記知識の有無やどの科目を選ぶかによって、必要な時間が大きく変わるためです。
選ぶ科目による差は11科目の早見表で確認できます。
独学に絞って進め方を知りたい方は、税理士試験の独学に関する記事でテキスト選びまで解説しています。
1日・週あたりに換算すると何時間?
合計時間を目標年数で割ると、1日あたり約1.1〜4.1時間・週あたり約8〜29時間になります。
下の表は、通信講座活用の2,000時間と独学込みの下限にあたる3,000時間を、それぞれ2年〜5年で割り戻したものです。
| 目標年数 | 2,000時間(通信講座活用) | 3,000時間(独学込みの下限) |
|---|---|---|
| 2年 | 1日 約2.7時間/週 約19時間 | 1日 約4.1時間/週 約29時間 |
| 3年 | 1日 約1.8時間/週 約13時間 | 1日 約2.7時間/週 約19時間 |
| 4年 | 1日 約1.4時間/週 約10時間 | 1日 約2.1時間/週 約14時間 |
| 5年 | 1日 約1.1時間/週 約8時間 | 1日 約1.6時間/週 約12時間 |
仕事と両立する社会人が無理なく続けられるのは、1日1〜2時間台に収まる3〜5年のペースです。
5科目そろうまでに実際は何年かかる?
5科目そろえるまでには、複数年かかるのが前提の試験です。
国税庁が公表した令和7年度(第75回)税理士試験の結果では、その年に5科目に到達した人は527人で、受験者36,320人の1.5%でした。
一方で、一部の科目に合格した人は7,320人います。
つまり受験者の大半は、その年に1〜2科目を積み上げる形で前に進んでいるわけです。
何年かければ5科目そろうのか、年数ごとの科目の割り振りは年数から逆算する学習計画に3つのプランでまとめました。
出典:国税庁「令和7年度(第75回)税理士試験結果」(PDF)



【編集部より】同じ5科目でも、2,000時間を5年で割れば1日約1.1時間、3,000時間を2年で割れば1日約4.1時間と、1日あたりの負担は4倍近く変わります。合計時間だけを見て「多い・少ない」を判断すると、自分に必要なペースは見えてきません。まず何年で受かりたいかを決め、上の表で1日と週の時間に割り戻してから、その時間を確保できるかどうかを判断してください。
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税理士試験の勉強時間を短縮する5つのポイント


合格までに必要な勉強時間は、学習の進め方によって大きく変わります。
以下の5点を意識することで、余分な時間を削り、効率よく合格に近づけます。
① 簿財は必ず同時学習する
簿記論と財務諸表論は、学習内容の重なりが非常に多いです。
TAC公式でも「簿記と財表は科目関連性が高く、同時学習により学習時間の短縮が図れます」と明示されています。
2科目を1年目でまとめて学習すると、合計学習時間を大幅に節約できるのが利点です。
必要な週の学習時間は3年で合格を目指すプランにまとめています。
② 科目の選び方で効率が変わる
税法3科目の選択次第で、合格までの総学習時間が変わります。
ボリュームが少ない税法科目を組み合わせると、効率よく5科目を揃えられます。
ただし時間の短さと受かりやすさは一致しないため、標準学習時間と合格率の早見表で両方を見てから決めましょう。
「将来どんな税理士になりたいか」というキャリア観も考慮しながら、科目を選びましょう。
③ スキマ時間を積み重ねる
TACの合格者データによると「生活リズムを朝型にシフトして学習時間を確保した」という方が多いです。
また、移動中は理論暗記に充てると効率的とされています。
まとまった学習時間だけに頼らず、1日の細切れ時間を活用する意識が継続力につながります。
④ 週間スケジュールを事前に固定する
漠然と「空いた時間に勉強する」という姿勢では、忙しい社会人は学習時間が確保しにくいです。
TACの推奨は「講義日程や配信スケジュールを軸にして週間スケジュールを固定すること」です。
月曜・木曜は講義、その他は復習という形でルーティン化することで、習慣的に学習を続けられます。
⑤ 通信講座でカリキュラムに乗る
独学では「何をどの順番で勉強すればいいか」の設計に時間を取られます。
通信講座を使うと、合格に必要な範囲を効率的に学べるカリキュラムが提供されるため、無駄な遠回りを減らせます。
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何年で合格する?年数から逆算する学習計画


学習計画は「何年で合格したいか」を先に決めてから、1年あたりの科目数と週の学習時間に割り振ると組みやすくなります。
税理士試験は「受験専念の学生なら2〜3年、仕事と両立する社会人なら3〜5年が一般的」(TAC公式)とされています。
ここでは3年・3〜4年・5年の3つのプランを、必要な週の学習時間つきで並べました。
3年で合格を目指すプラン:初年度に簿財2科目(週20〜25時間)
3年で5科目をそろえるには、週20〜25時間の学習時間を確保して年2科目のペースで進めます。
| 年次 | 受験科目 | 週当たり学習時間の目安 |
|---|---|---|
| 1年目 | 簿記論+財務諸表論 | 週23時間(TAC学習例) |
| 2年目 | 法人税法 | 20〜25時間 |
| 3年目 | 消費税法+事業税 | 20〜25時間 |
簿記論と財務諸表論を1年目に同時学習する場合、週23時間のスケジュールが目安です。
月・木の夜に簿記論の講義3時間、週末に財務諸表論の講義、移動中のスキマ時間を理論暗記に充てる形がTACの推奨例です。
週20時間は平日2時間・土日5時間に相当するため、繁忙期のある仕事と重なると崩れやすいプランでもあります。
3〜4年で合格を目指すプラン:ミニ税法と組み合わせる(週15〜20時間)
3〜4年で合格を目指すなら、週15〜20時間を確保し、ボリュームの少ない税法科目を組み合わせて年2科目を狙います。
| 年次 | 受験科目 | 内容 |
|---|---|---|
| 1年目 | 簿記論+消費税法 | 消費税は少ボリュームなので並行学習が可能 |
| 2年目 | 財務諸表論+国税徴収法 | 国税徴収は理論のみで比較的短期 |
| 3年目 | 所得税法 | — |
週15〜20時間確保できる場合、1年に2科目(うち1科目は国税徴収法や酒税法などのボリュームが少ない税法科目)の受験が可能です。
上の表は3年で組んだ例で、途中で1科目を落としても4年に収まる余裕があります。
5年で合格を目指すプラン:1年1科目で確実に積む(週10〜15時間)
5年で合格を目指すなら、週10〜15時間で1年に1科目ずつ確実に合格を積み上げます。
| 年次 | 受験科目 | 週当たり学習時間の目安 |
|---|---|---|
| 1年目 | 簿記論 | 13時間(TAC学習例) |
| 2年目 | 財務諸表論 | 13〜15時間 |
| 3年目 | 法人税法 | 10〜15時間 |
| 4年目 | 相続税法 | 10〜15時間 |
| 5年目 | 消費税法 | 10〜15時間 |
簿記論1科目のみを学習する場合、月曜・木曜に講義3時間、火水金に復習1時間、土曜に復習4時間で週合計13時間のスケジュールが目安です(TAC学習例より)。
1日あたりに直すと約2時間で、仕事を続けながらでも確保しやすい水準です。
TACの学習例は講義時間を含むため、1日・週あたりの逆算表(5年で1日約1.1〜1.6時間)より多めの数字になります。



【編集部より】3つのプランはどれも同じ5科目ですが、1年あたりに背負う科目数が違います。年2科目で進める3年のプランは週20〜25時間が前提になるため、仕事の繁忙期と直前期が重なる方には現実的でないこともあります。TAC公式も社会人の目安を3〜5年としているので、迷ったら3〜4年プランから組み立てると無理が出にくくなります。
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税理士試験の勉強時間を短縮できるおすすめ通信講座3選


税理士試験は独学より通信講座を活用することで、効率よく学習時間を確保しやすくなります。
スタディング・アガルート(ネットスクール提携)・クレアールの3社は、料金も講義形式もサポートの形も大きく違います。
税理士試験は長期戦になるため、費用・学習スタイル・サポート体制の3軸で自分に合った講座を選びましょう。
以下は、本記事で紹介する通信講座3社の概要です。
| 通信講座 | 特徴 |
|---|---|
| スタディング | 業界最安値クラス スマホ完結 AI問題復習で効率学習 |
| アガルート(ネットスクール) | ライブ講義あり 受講生SNS「学び舎」 質問サポート充実 |
| クレアール | 非常識合格法で必要範囲に絞る セーフティコースで安心 |
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スタディング|業界最安値クラス・スマホ完結
スタディングは、税理士試験講座のなかで業界最安値クラスを実現しているオンライン特化型の通信講座です。
| 運営会社 | KIYOラーニング株式会社 |
|---|---|
| 料金(2027年度版簿財2科目セット) | ミニマム:59,800円 アドバンス:74,800円 フル:99,800円 |
| 標準学習期間 | 約4〜10ヶ月(コースによる) |
| 動画講義 | 約40〜320時間(コースにより異なる)、1回30〜60分 |
| 質問対応 | 学習Q&Aサービス(チケット3〜30枚付属/ミニマム3枚・アドバンス10枚・フル30枚) ■Q&Aチケットについて Q&Aチケットには枚数の制限はあるが、2025年度合格者の99.7%(※)が付与枚数の範囲内で利用。 ※2025年度のスタディング税理士講座合格者(n=676)のうち、受講期限(2025年9月30日)までに使用したQ&Aチケットの枚数が、付与枚数の範囲内に収まった方の割合。 |
| 学習継続サポート | 受講生ホームルーム(月1回・オンライン配信) 担当コーチによるミニレクチャーと質疑応答。ミニマム/アドバンス/フルパック共通の特典 |
| スマホ対応 | 完全対応 |
| テキスト形式 | デジタルのみ |
| 合格実績 | 税理士試験合格者累計2,000名以上、合格者数676名(※1) <合格率(2025年度)>簿記論:41.5%、財務諸表論合格率77.7%(※2) |
※2:答練完了率80%以上かつ最終答練得点率60%以上受講生
「直前対策答練の受講完了率80%以上かつ最終直前答練の得点率60%以上受講生」とは、「税理士講座 簿財2科目合格コース[2025年度合格目標]」および「簿財2科目直前対策コース[2025年度合格目標]」を受講の上、直前対策答練(第1回~第8回)を80%以上完了(8回中7回以上)、かつ、「最終直前答練(直前対策答練第9回)」で初回得点が100点満点中60点以上を得点した受講生の方を指します。
最大の特徴は、スマートフォン1台で講義・テキスト・問題演習・模試まですべて完結する点です。
AI問題復習機能が搭載されており、AIが自動で苦手分野を検出して優先的に復習問題を出題します。
勉強仲間機能では受講生同士でコメントや進捗共有ができ、孤独になりがちな通信学習でもモチベーションを維持しやすい点が好評です。
紙テキストへのこだわりがない方や、とにかくコストを抑えて合格を目指したい方に向いています。
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アガルート(ネットスクール提携)|ライブ講義と手厚いサポート
アガルートアカデミーでは、ネットスクール株式会社が提供する税理士試験対策講座を販売しています。
ネットスクールは税理士試験対策に特化した出版・教育事業者で、経験豊かな講師陣が執筆したオリジナルテキストを使用しています。
| 料金(2027年合格目標 簿財一括ゼロ標準コース) | 210,000円(税込) |
|---|---|
| 料金(2027年合格目標 簿記論ゼロ標準コース) | 155,000円(税込) |
| 料金(2027年合格目標 財務諸表論ゼロ標準コース) | 155,000円(税込) |
| 料金(2027年合格目標 簿財一括標準コース) | 201,700円(税込) |
| 講義形式 | ライブ講義+オンデマンド配信(倍速再生対応) |
| 質問対応 | 受講生専用SNS「学び舎」にて随時受付 |
| スマホ対応 | 対応(アプリでダウンロード再生も可) |
大きな特徴は、決まった日時に生配信で行うライブ講義です。
ライブ配信中はチャットを通じて講師に直接質問できるため、疑問をリアルタイムで解消しながら学習を進められます。
受講生専用SNS「学び舎」では学習日記をつけたり、講師へのQ&Aを投稿したりでき、毎月のオンライン個別カウンセリングで学習プランの相談もできます。
「一人で続ける自信がない」「講師とのやり取りを重視したい」という方に向いた講座です。
講座の中身をさらに詳しく知りたい方は、ネットスクール税理士講座の評判・口コミの記事もご覧ください。
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クレアール|非常識合格法で効率的に範囲を絞る
クレアールは「非常識合格法」と呼ばれる独自の学習メソッドで知られる通信講座です。
出題傾向を徹底的に研究し、合格に必要な範囲に学習を絞ることで、効率的な合格を目指すアプローチが特徴です。
| 運営会社 | 株式会社クレアール |
|---|---|
| 料金(2028年合格目標 2年5科目合格セーフティコース) | 743,000円/9月割引価格393,790円 |
| 講義形式 | Web通信(マルチデバイス対応、倍速再生対応) |
| セーフティコース | 最終目標年度まで最新講座を追加料金なしで受講可能 |
特に注目すべきはセーフティコースの存在です。
万が一合格できなかった場合でも、最終目標年度まで最新講座を追加料金なしで受講し続けられる保証制度が設けられています。
「何年かかっても合格したい」「長期戦で安心して学習したい」という社会人向けのコースです。
クレアール税理士講座の詳しいレビューはクレアール税理士講座の評判・口コミの記事で紹介しています。
クレアールの無料の資料請求で届くのは、講座パンフレットと簿記論・財務諸表論・法人税法・相続税法・消費税法のサンプルテキストです。
教材の文章量や図表の見せ方が自分に合うかを、申し込む前に確かめられます。



【編集部より】3社は価格帯も学習の進め方も違います。スタディングは簿財2科目セットが59,800円からでスマホ完結、アガルート(ネットスクール提携)はライブ講義つきで簿財一括ゼロ標準コースが210,000円、クレアールは2年5科目合格セーフティコースが9月割引価格393,790円で目標年度まで受講を延長できます。同じ簿財2科目でも、スタディングのミニマム59,800円とアガルートの簿財一括ゼロ標準コース210,000円では150,200円の差があります。その差に当たるのが決まった日時のライブ講義と講師への個別カウンセリングで、スタディングは月1回の受講生ホームルームとQ&Aチケットで受ける形です。
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科目別の勉強時間目安


科目別の標準学習時間は150時間から600時間まで、科目によって4倍の開きがあります。
TAC公式の「学習計画の立て方」ページが公表している標準学習時間を、ボリュームの大きい順に見ていきます。
| 標準学習時間 | 科目 | ポイント |
|---|---|---|
| 600時間 | 法人税法・所得税法 | 簿記・財表の知識が前提 |
| 450時間 | 簿記論・財務諸表論・相続税法 | 簿財は同時学習がおすすめ |
| 350時間 | 消費税法 | 税法科目の人気No.1 |
| 250時間 | 固定資産税 | — |
| 200時間 | 事業税・住民税 | 事業税は法人税の知識があると有利 |
| 150時間 | 酒税法・国税徴収法 | 暗記が得意な方に向いている |
※TACの標準学習時間には講義時間が含まれます。
※理論暗記に要する時間は個人差があるため含まれておらず、あくまで目安としてご参照ください。
簿財2科目(簿記論・財務諸表論):各450時間
簿記論と財務諸表論はどちらも必須科目で、標準学習時間は各450時間です。
この2科目は「簿財」とまとめて呼ばれ、5科目のうち最初に取りかかるのが定番です。
アガルートのコラムによると、財務諸表論の勉強時間は「一般的には450〜600時間」、簿記論は「500〜1,000時間ほど」とされています。
簿財は同時学習することで学習時間を圧縮できるため、2科目まとめて受けるプランが組みやすい組み合わせです。
実際の合格率は令和7年度(第75回)で簿記論11.1%・財務諸表論31.9%と、同じ450時間でも3倍近い差があります。
受験資格の制限がなく誰でも受験できるのも、簿財から始める人が多い理由です。
法人税法・所得税法:各600時間
法人税法と所得税法は標準学習時間が各600時間と、11科目のなかで最もボリュームが大きい科目です。
この2科目は選択必須科目のため、どちらか1科目は必ず合格する必要があります。
アガルートの公式コラムでも「法人税法の勉強時間は、一般的には講義時間も含めて600時間といわれています」と紹介されています。
学習範囲が非常に広く、理論と計算の両方で高いレベルが求められる科目です。
1年に1科目ずつ集中して学習するのが王道のアプローチです。
実際の合格率は令和7年度(第75回)で法人税法13.5%・所得税法13.0%と、時間の重さのわりに突出して低いわけではありません。
相続税法:450時間
相続税法の標準学習時間は450時間で、簿記論・財務諸表論と同じボリュームです。
税法科目のなかでは法人税法・所得税法に次いで重く、理論と計算の両方が問われます。
令和7年度(第75回)の合格率は13.8%で、受験者2,413人のうち333人が合格しました。
相続や贈与の相談を受ける実務に進みたい方が選ぶことの多い科目です。
消費税法:350時間
消費税法の標準学習時間は350時間で、税法科目のなかでは中位のボリュームです。
実務で扱う機会が多いため、税法科目のなかで最も受験者が多い科目でもあります。
令和7年度(第75回)は7,064人が受験し、712人が合格しました。
ただし合格率は10.1%で11科目中もっとも低く、受験者のレベルが高いぶん時間の短さがそのまま有利には働きません。
ミニ税法(国税徴収法・酒税法・固定資産税・事業税・住民税):150〜250時間
ミニ税法と呼ばれる5科目は、標準学習時間が150〜250時間と、重量級の法人税法・所得税法(各600時間)の半分以下です。
内訳は国税徴収法・酒税法が各150時間、事業税・住民税が各200時間、固定資産税が250時間となっています。
なかでも国税徴収法は理論問題のみで計算問題がなく、出題範囲も限定的です。
ほかの税法科目と組み合わせて受験すると、効率よく合格数を積み上げられます。
実際の合格率は令和7年度(第75回)で住民税17.8%・固定資産税15.5%・国税徴収法13.8%・事業税12.3%・酒税法12.2%でした。
なお見積もりはスクールによって幅があり(アガルートのコラムは国税徴収法を「概ね500時間以内」としています)、本記事はTACの標準学習時間を基準としました。
標準学習時間と合格率で見る11科目の早見表
科目を選ぶときは、標準学習時間と合格率の両方を並べて見ると判断しやすくなります。
下の表はTACの標準学習時間と、国税庁が公表した令和7年度(第75回)の科目別合格率を並べたものです。
| 科目 | 標準学習時間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 簿記論 | 450時間 | 18,466人 | 2,058人 | 11.1% |
| 財務諸表論 | 450時間 | 15,629人 | 4,980人 | 31.9% |
| 法人税法 | 600時間 | 3,606人 | 488人 | 13.5% |
| 所得税法 | 600時間 | 1,120人 | 146人 | 13.0% |
| 相続税法 | 450時間 | 2,413人 | 333人 | 13.8% |
| 消費税法 | 350時間 | 7,064人 | 712人 | 10.1% |
| 固定資産税 | 250時間 | 928人 | 144人 | 15.5% |
| 事業税 | 200時間 | 310人 | 38人 | 12.3% |
| 住民税 | 200時間 | 439人 | 78人 | 17.8% |
| 国税徴収法 | 150時間 | 1,671人 | 231人 | 13.8% |
| 酒税法 | 150時間 | 590人 | 72人 | 12.2% |
表を見ると、学習時間が短い科目ほど受かりやすいとは限らないことが分かります。
150時間の酒税法が12.2%であるのに対し、450時間の財務諸表論は31.9%で、科目のなかで最も高い合格率です。
科目ごとの難易度をさらに詳しく比べたい方は、税理士試験の難易度についての記事で合格率の推移まで確認できます。



【編集部より】標準学習時間と令和7年度の合格率を並べると、時間の短い科目が必ずしも受かりやすいわけではないことが分かります。消費税法は350時間と中位のボリュームですが合格率は10.1%で11科目中もっとも低く、450時間の財務諸表論は31.9%です。科目を選ぶときは時間だけで決めず、この2つを合わせて見ることをおすすめします。
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税理士試験の基本情報


税理士試験は国税庁が実施する国家試験で、年1回・8月上旬の3日間に行われます。
学習計画を立てる前提として、試験日程・合格率・受験資格の3点を押さえておきましょう。
試験概要
| 試験実施団体 | 国税庁 |
|---|---|
| 受験料 | 1科目:4,000円/2科目:5,500円/3科目:7,000円/4科目:8,500円/5科目:10,000円 |
| 試験形式 | 記述式(5科目合格制、科目合格は生涯有効) |
| 試験日程 | 毎年8月上旬の3日間(令和8年度の第76回は2026年8月4日〜6日に実施済み。熊本県のみ2026年11月1日〜3日に再試験) |
| 令和8年度の合格発表 | 2026年11月27日(熊本県の再試験分は2026年12月25日) |
| 合格基準 | 各科目60点以上(100点満点)※実質は相対評価 |
令和8年度(第76回)は熊本県のみ地震の影響で試験が延期され、2026年11月1日〜3日に再試験が行われます。
出典:国税庁「令和8年度(第76回)税理士試験公告」「同(再試験)」および「令和8年熊本地震発生に伴う熊本県における税理士試験の延期等について」
合格率
令和7年度(第75回)の合格率は21.6%で、受験者36,320人のうち7,847人が合格しました。
この7,847人の内訳は、5科目に到達した人が527人、一部の科目に合格した人が7,320人です。
つまりその年に5科目そろえた人は受験者の1.5%にとどまり、残りは合格科目を積み上げている途中にあります。
なお、科目別の数字は同じ人が複数科目を受験するため延べ人員で集計されており、合計は受験52,236人・合格9,280人・合格率17.8%です。
21.6%(実人員)と17.8%(延べ人員)は数え方が違うので、混ぜて読まないようにしましょう。
合格率の年ごとの推移は、税理士試験の難易度についての記事でまとめています。
受験資格
簿記論・財務諸表論(会計科目)は受験資格の制限がなく、誰でも受験可能です。
税法科目については、大学・短大等で社会科学に属する科目を1科目以上履修した方や日商簿記1級合格者など、一定の要件があります。
大学院で所定の研究を修めた場合に一部の科目が免除される制度もありますが、本記事では試験で5科目そろえる前提の勉強時間を扱います。
税理士になった後の働き方や年収については、税理士の仕事内容についての記事もご参照ください。
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よくある質問(FAQ)
税理士試験の勉強時間に関して、よく寄せられる質問に回答します。
税理士試験は独学でも合格できますか?
独学での合格は不可能ではありませんが、非常に難しいとされています。
アガルートのコラムでは「簿記論・財務諸表論は独学でも合格可能だが、独学の場合モチベーションの維持などが難しい」と述べられています。
独学で進める場合のテキスト選びや勉強法は、税理士試験の独学についての記事をご覧ください。
社会人が働きながら税理士を目指すのは現実的ですか?
週10〜15時間の学習時間を確保できれば、1年1科目ずつ積み上げる形で十分に現実的です。
年数ごとの科目の割り振りは年数から逆算する学習計画に3つのプランでまとめています。
1科目だけ受けるなら何時間必要ですか?
1科目あたりの標準学習時間は150時間から600時間で、どの科目を選ぶかで4倍の差が出ます。
最も短いのは国税徴収法と酒税法の各150時間、最も長いのは法人税法と所得税法の各600時間です。
受験資格の制限がなく誰でも受けられる簿記論・財務諸表論は各450時間で、はじめの1科目に選ばれることの多い科目です。
科目ごとの時間と合格率は11科目の早見表で確認できます。
科目はどの順番で受験するのがおすすめですか?
「簿記論・財務諸表論を同時学習」→「法人税法か所得税法(選択必須)」→「残り2科目」の順が一般的です。
年数別の具体的な並べ方は年数から逆算する学習計画の3プランをご覧ください。
簿記の資格は取得してから受験すべきですか?
事前に日商簿記2級以上を取得しておくと、学習がスムーズになります。
アガルートのコラムでは「税理士試験を受ける前に日商簿記2級取得を目指して、インプットを行うのが良い」と述べられています。
さらに日商簿記1級を取得済みの方なら、簿記一級から簿記論合格までに要する時間は300〜400時間程度です。
ただし、会計科目(簿記論・財務諸表論)は受験資格の制限がなく誰でも挑戦できるため、並行して学習する方法もあります。
他の難関資格と比較した難易度はどうですか?
同じく複数年かけて合格を目指す国家資格として、社会保険労務士との比較が参考になります。
社労士の勉強時間についての記事や税理士試験の難易度についての記事もあわせてご確認ください。
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まとめ
税理士試験の勉強時間について、改めてポイントを整理します。
- 合計勉強時間の目安:通信講座活用なら約2,000時間、一般的な目安は3,000〜5,000時間
- 1日・週に割り戻すと:2,000時間なら3年で1日約1.8時間、5年で1日約1.1時間
- 科目別では法人税法・所得税法が600時間と最もボリュームが大きい
- 時間が短い科目が受かりやすいとは限らない(消費税法350時間で合格率10.1%)
- 5科目そろえた人は令和7年度で527人=受験者の1.5%で、複数年かけるのが前提
- 社会人は週10〜15時間なら5年、週20〜25時間なら3年が目安の標準ルート
税理士試験は長期戦ですが、計画的に学習時間を積み上げれば合格は十分に目指せます。
まずは何年で合格したいかを決め、上の逆算表で1日と週の学習時間に置き換えてみてください。
公式サイトの無料体験や資料請求を活用して、自分に合った通信講座を探してみてください。
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