わからないことは希望なのだ


わからないことは希望なのだ

新たな文化を切り拓く15人との対話

現代の日本社会で「課題」といわれる事象に、少子高齢化、格差、地方再生、医療崩壊、教育再生などがあげられます。世界的規模で国境を越えた人の移動が活発になり、課題を抱えた日本の地域コミュニティには日本国籍ではない人々が数多く暮らすようになりました。彼らは定住を前提とした「移民」です。

 多様な背景をもつ人々との暮らしは、一方の価値観を優先させ、他方がその価値観を押し付けられるという関係では成り立ちません。お互いに認め合い、新たな価値を創造していくことが不可欠となります。その上で、どんな背景をもっていても安心して暮らせる社会の構築が求められます。では、そのような社会はどうすれば実現できるのでしょうか。

 本書では、日本語教育の現場で長年、外国籍の人とかかわってきた春原憲一郎氏が、さまざまなフィールドを訪ね、多文化的な取り組みを重ねる実践家と対話していきます。15人の対談者は、強さを前提とした既存の価値観を否定し、これまで切り捨てられてきた弱さを、弱いままに包括した新しい文化を切り拓くため、現場で考え抜き、闘っている方々ばかりでした。その1年間の対談を通じて見えてきたのは、「わからないという希望」にほかなりません。

◆対談者一覧(敬称略)
 ・小菅正夫[旭山動物園名誉園長]
 ・村嶋孟[銀しゃり屋げこ亭店主]
 ・向谷地生良[ソーシャルワーカー]
 ・山下洋輔[ジャズピアニスト]
 ・下館和巳[演出家]
 ・龍村仁[映画監督]
 ・ルダシングワ真美[義肢装具士]
 ・杉山春[フリーランスライター]
 ・岡真理[現代アラブ文学研究者]
 ・雨宮処凛[作家・活動家]
 ・J・F・モリス[歴史学者]
 ・上野千鶴子[社会学者]
 ・日野原重明[聖路加国際病院名誉院長]
 ・色平哲郎[佐久総合病院地域医療部医師・京都大学医学研究科非常勤講師]
 ・最首悟[社会学者・評論家]

 なお、15人のうち12人は『月刊日本語』(2008年4月号~2009年3月号)誌上で1年間連載した対談に大幅な加筆修正を加え、月刊誌未収録部分と書き下ろし原稿を再録しています。

価格 2,200円
商品構成 A5判(縦210×横148×厚さ20mm、336ページ)
編著 春原憲一郎
発売日 2010年01月14日
商品コード 7009088
ISBN 9784757418394