社労士試験は独学でも合格できますが、成り立つのは「10科目すべてを均等に仕上げる」「毎年の法改正と白書・統計を自力で追う」「合格まで800〜1,000時間を確保する」の3つを同時に満たせる場合だけです。
全国社会保険労務士会連合会試験センターは、合格基準点を「選択式試験及び択一式試験のそれぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに定めます」と示し、あわせて「合格基準点は、合格発表日に公表されます」と明記しています。
つまり何点取れば受かるかは受験前に確定しておらず、科目ごとの基準点に1科目でも届かなければ総得点が足りていても不合格になります。
令和7年度(第57回)は受験者43,421人に対して合格者2,376人・合格率5.5%で、この「1科目の取りこぼしが即不合格になる」構造が独学の最大の壁になります。
この記事では、独学の費用と勉強時間、1年・10ヶ月・半年のスケジュール、科目の学習順、独学で最も穴になる法改正・白書対策までを、試験センターと各講座の公式ページから実際に取得した数値で解説します。
あわせて、市販教材だけでは埋めにくい部分を補える教材つきの選択肢も、公式の受講料をそのまま並べて比較します。
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この記事の監修者


徳永 浩光
国家資格キャリアコンサルタント(登録番号:21028809)
大手から中小企業まで規模を問わず、キャリア支援制度の導入・人材教育・個人の相談業務に従事。「計画的偶発性理論」を重視したキャリア形成支援を行うほか、資格・教育分野の専門サイト監修を多数担当。企業研修や教育実務、ウェブメディア運営の知見を活かして情報発信しています。
社労士は独学で合格できる?結論と、独学が成り立つ条件


社労士試験に独学で合格することは可能ですが、合格率5.5%という数字は「受験者の約94%が不合格になる」ことを意味しており、教材を買って読み進めるだけでは届きません。
独学を選ぶかどうかは、次の3つの条件を自分が満たせるかで判断してください。
独学合格が成り立つのは3つの条件がそろったときだけ
社労士の独学が成り立つ条件は、10科目を均等に仕上げること・法改正と白書を自力で追うこと・800〜1,000時間を確保することの3つです。
- 10科目を均等に仕上げる:科目ごとに基準点があるため、得意科目で稼いで苦手科目を埋める戦い方ができない
- 法改正と白書・統計を自力で追う:市販テキストの編集時点以降の改正と、一般常識で問われる統計を自分で集める
- 800〜1,000時間を確保する:週20時間を10〜12ヶ月続ける前提で生活側を先に組み替える
3つのうち最も脱落が多いのは2番目の法改正・白書対策です。
市販テキストは編集の締切があるため、試験年度の直前に決まった改正や最新の統計は載り切らず、自分で補う必要があります。
この点は本記事の独学で最も穴になる法改正・白書・統計対策で具体的な手順を示します。
独学者だけの合格率は公表されていない
社労士試験の「独学者の合格率」は、試験センターからも各講座からも公表されていません。
試験センターが公表しているのは受験者数・合格者数・合格率の全体値で、学習方法別の内訳は含まれていません。
そのため「独学の合格率は◯%」という数字を見かけても、出所をたどれない推計である点に注意してください。
判断材料として使えるのは、全体の合格率と、講座側が自社受講生について公表している合格率の2つだけです。
| 年度 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
|---|---|---|---|
| 2021年(第53回) | 7.9% | 37,306人 | 2,937人 |
| 2022年(第54回) | 5.3% | 40,633人 | 2,134人 |
| 2023年(第55回) | 6.4% | 42,741人 | 2,720人 |
| 2024年(第56回) | 6.9% | 43,174人 | 2,974人 |
| 2025年(第57回) | 5.5% | 43,421人 | 2,376人 |
合格率は5〜7%台で推移しており、令和7年度は5.5%で、直近5年では令和4年度(第54回)の5.3%が最も低い水準です。
年度による変動はあっても、難関である前提は変わりません。
合格率の意味合いや他資格との比較は、社労士試験の難易度で詳しく整理しています。
独学に向いている人・向いていない人
独学に向いているのは、法律や社会保険の予備知識があり、自分で進度を管理できて、1〜2年かけられる人です。
| 独学が向いている人 | 独学が向いていない人 |
|---|---|
| 自己管理力が高く計画的に学習を続けられる | スケジュール管理が苦手 |
| 人事労務の実務経験があり用語の下地がある | 法律の学習が完全に初めて |
| 費用を最小限に抑えたい | 質問できる環境がないと不安 |
| 1〜2年以上の余裕を持って学習できる | 次の1回で決めたい |
| 一人で黙々と勉強するのが得意 | 講師のペースに合わせて学びたい |
| 過去に独学で資格試験に合格した経験がある | 資格試験の独学経験がない |
右側に3つ以上当てはまる場合は、法改正対策と質問対応が付いた選択肢を先に比較したほうが遠回りになりません。
費用を抑えたまま教材だけを補う方法もあるため、独学に近い費用で使える教材つきの選択肢もあわせて確認してください。
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社労士の独学にかかる費用と勉強時間


社労士の独学で確定している費用は受験手数料15,000円で、これに教材費が加わります。
勉強時間は初学者で約800〜1,000時間が目安となり、確保できる週あたりの時間から必要な期間が決まります。
独学の費用は受験手数料15,000円+教材費
受験手数料は15,000円で、払込みに係る手数料は受験申込者負担になると試験センターが公表しています。
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 受験手数料 | 15,000円(払込手数料は受験申込者負担) |
| 基本テキスト・問題集(市販) | 年度版・出版社ごとに設定 |
| 市販教材+Web講義をまとめて買う場合 | 49,900円〜94,200円(税込/TAC出版「社労士 独学道場」2027年合格目標) |
| インプット講義つきの最小構成 | 79,800円(税込/資格の大原「2027年受験対策 社労士24 WEB通信」) |
市販のテキストと問題集だけで揃えれば費用は最も軽くなりますが、法改正と白書の対策は別途自分で用意することになります。
また、不合格で翌年に再挑戦する場合は年度版のテキストと問題集を買い替えるため、複数年受験では教材費が累積します。
2年目・3年目まで見込むなら、初年度の総額だけで独学と講座を比べないほうが実態に合います。
合格に必要な勉強時間は約800〜1,000時間
社労士試験の合格に必要な勉強時間は、初学者の場合で約800〜1,000時間が目安です。
選択式8科目・択一式7科目の全範囲を仕上げる必要があり、範囲の広さがこの時間量の理由です。
合格者が実際にかけた時間の幅や科目別の配分は、社労士の勉強時間で詳しく解説しています。
確保できる週の時間から必要な期間を逆算する
必要な期間は「800〜1,000時間 ÷ 週に確保できる時間」で逆算できます。
| 週の学習時間 | 1日あたりの目安 | 800時間到達 | 1,000時間到達 |
|---|---|---|---|
| 10時間 | 平日1時間+休日2.5時間 | 約20ヶ月 | 約24ヶ月 |
| 15時間 | 平日1.5時間+休日4時間 | 約13ヶ月 | 約17ヶ月 |
| 20時間 | 平日2時間+休日5時間 | 約10ヶ月 | 約12ヶ月 |
| 25時間 | 平日3時間+休日5時間 | 約8ヶ月 | 約10ヶ月 |
| 30時間 | 平日3.5時間+休日6時間 | 約7ヶ月 | 約8ヶ月 |
週20時間を維持できれば10〜12ヶ月、週15時間なら13〜17ヶ月が現実的な着地点です。
逆に週10時間しか取れない場合、1回の試験で仕上げる前提を捨てて2年計画にしたほうが完走できます。
ここで出した期間を、次章のスケジュールに当てはめて開始月を決めてください。
\学習期間の目安は10〜12ヶ月/
社労士独学のスケジュール【1年・10ヶ月・半年】


社労士独学のスケジュールは、試験が例年8月下旬に実施されることを起点に、前年9月開始の1年型・11月開始の10ヶ月型・3月開始の半年型の3パターンで組めます。
いずれも受験申込が4月中旬から5月31日までに限られる点は共通です。
試験センターは受験申込期間を「『社会保険労務士試験の実施について』の厚生労働大臣の官報公示(毎年4月中旬)が行われてから5月31日までの間」と定めており、この期間を逃すとその年は受験できません。
1年で組む(前年9月開始)
1年型は前年9月に学習を始め、インプットに4ヶ月・過去問演習に3ヶ月・弱点補強と直前対策に5ヶ月を割り当てる配分が基本です。
| 時期 | 期間 | 学習内容 | 到達目標 |
|---|---|---|---|
| 9〜10月 | 2ヶ月 | 労働科目のインプット | 労働基準法・安全衛生法・労災保険法・雇用保険法・徴収法を1周 |
| 11〜12月 | 2ヶ月 | 社会保険科目のインプット | 健康保険法・国民年金法・厚生年金保険法を1周 |
| 1〜3月 | 3ヶ月 | 択一式の過去問演習(全科目) | 過去問3周・正答率70%以上 |
| 4〜5月 | 2ヶ月 | 選択式対策と弱点補強/受験申込 | 科目ごとの取りこぼしを0にする |
| 6〜7月 | 2ヶ月 | 法改正・白書統計・模擬試験 | 本番形式で時間配分を固める |
| 8月 | ― | 総復習と本番 | ― |
この型の利点は、インプットが終わった段階でまだ7ヶ月残っている点です。
社労士試験は演習量が得点に直結するため、演習に半年以上使える1年型が最も無理がありません。
注意点は、9月に始めて年末年始で失速するパターンです。
12月末までに社会保険科目を1周し終える地点を最初の関門として置いてください。
10ヶ月で組む(前年11月開始)
10ヶ月型は前年11月に始め、インプットを3ヶ月に圧縮して2月から過去問演習に入る配分です。
| 時期 | 期間 | 学習内容 | 到達目標 |
|---|---|---|---|
| 11〜1月 | 3ヶ月 | 労働科目・社会保険科目のインプット | 全科目を1周(深追いしない) |
| 2〜4月 | 3ヶ月 | 択一式の過去問演習/受験申込 | 過去問2周・正答率60%以上 |
| 5〜6月 | 2ヶ月 | 選択式対策と苦手科目の集中補強 | 基準点割れの候補科目を潰す |
| 7〜8月 | 2ヶ月 | 法改正・白書統計・模擬試験・総復習 | 本番形式で通す |
10ヶ月型で守るべきは、インプットの1周目で完璧を狙わないことです。
1周目に時間をかけすぎると演習期間が削られ、結果として点の伸びない学習になります。
週20時間を確保できるなら、この型で1,000時間近くまで積み上げられます。
半年で組む(3月開始)ときに切り捨てるもの
半年型は3月開始で週25〜30時間を確保できる人に限られ、独学の初学者が選ぶには最も条件が厳しい組み方です。
週25時間で約8ヶ月・週30時間で約7ヶ月が800時間到達の目安なので、半年(約6ヶ月)で800時間に届かせるには週30時間以上が必要になります。
そのため半年型では、範囲を全部やる前提を捨てて優先順位をつけることになります。
- 優先する:択一式の出題数が多い健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法・労働基準法の演習
- 優先する:選択式で基準点割れを起こしやすい一般常識2科目の最低ライン確保
- 後回しにする:テキストの通読による網羅(該当箇所を引く辞書的な使い方に切り替える)
- 後回しにする:過去問の3周目(2周で止めて選択式対策に振る)
半年型で受験する場合、その年で決めきれなくても翌年に持ち越せる知識が残る組み方にしておくと損になりません。
社労士試験には科目合格制度がないため、翌年もすべての科目を受け直すことになる点は前提として押さえてください。
働きながら・子育て中の組み方
働きながらや子育て中に独学するときは、まとまった時間を前提にせず、30分未満の細かい時間で回せる教材を先に用意します。
平日2時間・休日5時間で週20時間、平日1.5時間・休日4時間で週15時間が一つの目安です。
- 10〜15分:一問一答、数字(給付率・日数・期間)の暗記確認
- 30分:選択式の穴埋め演習を1科目分
- 60分:択一式の過去問を1科目10問+解説の読み込み
- まとまった時間(休日):横断整理と模擬試験の通し演習
子育て中で夜の時間が読めない場合は、就寝時刻を前に倒して早朝に固定枠を作るほうが計画が崩れにくくなります。
また、週単位ではなく月単位で目標時間を管理すると、繁忙期の落ち込みを翌週で取り戻す運用ができます。
細かい時間の比率が高い人ほど、スマホで解ける演習が付いた教材の効果が大きくなります。
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社労士独学の勉強方法と科目の学習順


社労士独学の勉強方法は、労働科目から社会保険科目へ進み、テキスト1周ごとに過去問へ移り、選択式は択一式と分けて対策するのが基本形です。
試験は選択式が8科目40点満点、択一式が7科目70点満点で構成されており、形式ごとに求められる力が違います。
科目の学習順は労働科目から社会保険科目へ
科目の学習順は、労働基準法から始めて労働科目を終え、その後に健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法へ進む順序が扱いやすいです。
| 順 | 科目 | 択一式の出題数 | 独学での押さえ方 |
|---|---|---|---|
| 1 | 労働基準法・労働安全衛生法 | 10問 | 労働法全体の土台。条文の趣旨から理解する |
| 2 | 労働者災害補償保険法(徴収法を含む) | 10問 | 給付の種類と数字を表に整理する |
| 3 | 雇用保険法(徴収法を含む) | 10問 | 労災保険法と給付要件を横に並べて比較する |
| 4 | 健康保険法 | 10問 | 被保険者・保険料・給付の3点で整理する |
| 5 | 厚生年金保険法 | 10問 | 国民年金法と同時に学び、種別と併給を比較する |
| 6 | 国民年金法 | 10問 | 厚生年金保険法とセットで横断整理する |
| 7 | 労務管理その他の労働に関する一般常識 社会保険に関する一般常識 | 10問 | 直前期に集中。統計と法改正は別枠で対策する |
択一式は7科目すべてが10問ずつで、どの科目も同じ重みを持ちます。
そのため「年金が苦手だから労働科目で稼ぐ」という配分は、科目ごとの基準点がある社労士試験では通りません。
なお選択式では労働保険徴収法からの出題がなく、択一式の労災保険法と雇用保険法で各10問のうち問8〜問10(計6問)が徴収法から出題されます。
徴収法は選択式対策の負担が軽い一方で択一式では6問を占めるため、演習の優先度を落としすぎないでください。
過去問だけで合格できるのか
過去問だけで択一式の得点は伸びますが、選択式と法改正・統計は過去問に含まれないため、過去問だけで合格を狙う設計は成り立ちません。
択一式は過去に問われた論点の言い換えが多く、過去問を3周して正答率を上げる作業が最も効率のよい得点源です。
一方で選択式は条文や統計の語句を埋める形式のため、択一式の過去問を解けるようになっても得点が連動しません。
さらに法改正後の内容は過去問の解説が古くなるため、改正部分は最新の情報で上書きする必要があります。
結論:過去問は択一式の主力に置き、選択式と法改正・統計は別教材で埋めるのが独学の正しい配分です。
選択式は択一式と分けて対策する
選択式は1科目5点満点・8科目40点満点で、科目ごとの基準点に届かなければ総得点が足りていても不合格になります。
試験センターは「各成績のいずれかが合格基準点に達しない場合は不合格となります」と明記しており、これが独学者が最も落ちる形です。
1科目5点しかないため、2問の判断ミスが基準点割れに直結します。
対策は、条文の言い回しをそのまま覚える作業と、統計・白書の数値を語句として拾う作業の2本立てになります。
択一式の演習と同じ日に選択式の演習も少量ずつ混ぜると、直前期にまとめて詰め込む必要がなくなります。
社労士独学のテキスト・問題集の選び方


独学のテキストは、受験する年度の年度版であることを最優先に、テキストと問題集を同じシリーズで揃えるのが選び方の基本です。
年度をまたいだ旧版は法改正が反映されていないため、価格が安くても選ばないでください。
テキストは年度版・分冊・シリーズ統一の3点で選ぶ
テキスト選びの基準は、受験年度の年度版であること・持ち運べる分冊であること・問題集と同じシリーズであることの3点です。
| 基準 | 確認すること | 理由 |
|---|---|---|
| 年度版 | 表紙に受験する年度が入っているか | 旧版は法改正が未反映で、誤った内容を覚える |
| 分冊 | 労働科目と社会保険科目に分けられるか | 細かい時間に持ち出せるかで演習量が変わる |
| シリーズ統一 | 問題集の解説がテキストの該当ページを示すか | 間違えた箇所をテキストで引き直す往復が速くなる |
| 初学者向けか | 法律の基礎説明から始まっているか | 実務経験がない場合は用語の下地づくりが必要 |
市販の主要シリーズには、TAC出版の「みんなが欲しかった!社労士の教科書」、ユーキャンの「社労士 速習レッスン」、LEC東京リーガルマインドの「出る順社労士 必修基本書」があります。
いずれも年度版で改訂されるため、定価と発売日は各出版社の販売ページで確認してから購入してください。
問題集は択一式・選択式・一問一答の3種を揃える
問題集は、択一式の過去問集・選択式対策の問題集・一問一答集の3種を揃えると、形式ごとの対策が抜けなくなります。
- 択一式の過去問集:科目別に論点整理されたもの。最低3周を目標にする
- 選択式対策の問題集:条文の語句を埋める形式に慣れる。択一式の演習では代替できない
- 一問一答集:10〜15分の細かい時間に回す。数字の記憶維持に使う
過去問集は年度別に並んだものと科目別に並んだものがありますが、独学の1年目は科目別のほうが復習しやすくなります。
年度別は本番形式で時間配分を測る直前期の用途に向いています。



費用の比較で見落としやすいのが、複数年受験になったときの伸び方です。市販テキストと問題集は年度版なので、不合格なら翌年もう一度買い直すことになります。一方で講義つきの独学道場は基礎力アップコースが49,900円からで、市販教材を2年買い直す想定なら差は大きく縮みます。受験手数料15,000円も毎年かかるため、「1年で決める前提か、2年計画か」を先に決めてから教材の予算を組んでください。
独学で最も穴になる法改正・白書・統計対策


独学で最も穴になるのは法改正と白書・統計で、理由は市販テキストの編集時点以降の改正が載らず、統計は毎年の公表値に差し替わるからです。
この領域は「労務管理その他の労働に関する一般常識」と「社会保険に関する一般常識」で問われ、選択式の基準点割れの原因になりやすい部分です。
法改正は情報源を1つに固定して追う
法改正は、厚生労働省の公表資料を情報源に固定し、試験前年の秋から月に1回まとめて確認する運用が現実的です。
複数のまとめ記事を横断して追うと、改正の施行日と試験の出題対象がずれたまま覚える危険があります。
また、改正内容そのものより「いつ施行されるか」の確認が重要です。
試験センターは受験申込期間を厚生労働大臣の官報公示(毎年4月中旬)を起点として定めており、その年の試験に関する公示内容は試験センターの公式サイトで確認できます。
基準日を前提に学習範囲を絞る場合は、その年の受験案内で必ず確認してください。
白書・統計は出題されやすい資料を絞って読む
白書・統計対策は、範囲を広げるのではなく出題されやすい資料に絞り、数値そのものより傾向と用語を覚えるのが独学の現実解です。
一般常識は選択式で1科目5点しかないため、満点を狙う学習は費用対効果が合いません。
目標は基準点を確保することに置き、深追いした時間は択一式の主要科目に回してください。
この領域だけを外部の教材で補う独学者も多く、資格学校が出す法改正対策や白書対策の単科講座がその用途にあたります。
たとえばTAC出版「社労士 独学道場」は各コースに『法改正/統計・白書対策Web講義』を含めており、市販教材では埋めにくい部分を有料の講義で補う構成になっています。
費用と内容は独学に近い費用で使える教材つきの選択肢で比較しています。
社労士独学のメリットとデメリット


社労士独学のメリットは費用の軽さと進度の自由度、デメリットは科目ごとの基準点対策・法改正対応・継続の難しさに集約されます。
どちらも自分の状況で重みが変わるため、両方を並べて確認してください。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 受験手数料15,000円+教材費で始められる | 科目ごとの基準点対策が手薄になりやすい |
| 得意科目を速く通過し苦手科目に時間を寄せられる | 法改正と白書・統計を自力で集める必要がある |
| 繁忙期に量を落として閑散期に巻き返せる | 800〜1,000時間を一人で続ける負荷が大きい |
| 出版社をまたいで教材を組み合わせられる | 疑問点を質問できる相手がいない |
| 移動時間が不要で細かい時間を使える | 自分の到達度を客観的に測る機会が少ない |
デメリットのうち「到達度を測れない」点は、外部の模擬試験を受けることで独学のままでも解消できます。
本番形式の演習機会をどこで確保するかは、社労士試験の模試で各社の実施内容を比較できます。
社労士独学の失敗パターンと回避策


社労士独学の失敗は、選択式の基準点割れ・インプット過多・法改正の遅れの3つに集中します。
いずれも学習を始める前に対策を決めておけば避けられるものです。
失敗1:選択式の1科目で基準点に届かず不合格
最も多い失敗は、択一式が通過ラインに達していたのに選択式の1科目が基準点に届かず不合格になるパターンです。
選択式は1科目5点しかないため、独学で対策が薄い科目があると、その科目だけで結果が決まります。
回避策:学習の初期に「自分の最弱科目」を決め、毎月その科目の選択式演習を必ず入れてください。
特に一般常識2科目は範囲が広く、直前期だけで仕上げようとすると間に合いません。
失敗2:テキストのインプットに時間をかけすぎる
2つ目の失敗は、テキストを繰り返し読むことに時間を使い、過去問演習の量が足りないまま本番を迎えるパターンです。
社労士試験は演習量が得点に直結するため、読む時間と解く時間の比率が結果を左右します。
回避策:テキストは1周で切り上げ、以降は「解く→間違えた箇所だけテキストで引く」の往復に切り替えてください。
過去問は最低3周を目標に置くと、演習側の時間を確保する意識が働きます。
失敗3:法改正への対応が直前期に間に合わない
3つ目の失敗は、法改正の確認を後回しにして、直前期に改正範囲を把握できていない状態になるパターンです。
独学では改正情報を自分で集める必要があり、直前2ヶ月に他の対策と重なると処理しきれません。
回避策:試験前年の秋から月1回の確認日を決め、直前期は「暗記」だけを残す状態にしてください。
自力での収集が難しい場合は、法改正・白書対策の講義が含まれる教材に切り替えるほうが早く済みます。



編集部が独学の最大のコストだと考えているのは、教材費ではなく法改正と白書・統計に使う手間です。この領域は選択式の基準点割れの原因になりやすいのに、市販テキストでは編集時点以降の改正が載りません。独学道場の3コースにはいずれも『法改正/統計・白書対策Web講義』が含まれており、市販教材で最も埋めにくい穴がそのまま商品になっている形です。厚生労働省の資料を月1回自分で追う運用を続けられるかを、教材を選ぶ前に見積もってください。
独学に近い費用で使える教材つきの選択肢


市販教材だけでは埋めにくい法改正・白書対策と講義を含めても、49,900円から10万円未満で収まる選択肢があります。
以下は各社の公式ページで確認した2027年合格目標の受講料です。
| 教材 | 受講料(税込) | 含まれるもの | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| TAC出版 社労士 独学道場 基礎力アップコース | 49,900円〜60,000円(20%OFF適用時 39,920円〜48,000円) | 市販の教科書・問題集+Web講義+法改正/統計・白書対策Web講義+全国模試2回+質問メール5回 | 初学者で、市販テキストを軸に講義で補いたい人 |
| TAC出版 社労士 独学道場 実戦力アップコース | 57,700円〜64,900円(20%OFF適用時 46,160円〜51,920円) | 問題演習中心のWeb講義+直前対策+全国模試2回 | 学習経験者で、演習量を増やしたい人 |
| TAC出版 社労士 独学道場 総合力アップコース | 84,100円〜94,200円(20%OFF適用時 67,280円〜75,360円) | 基礎力アップと実戦力アップの両コースの講義 | 基礎からやり直しつつ演習量も確保したい人 |
| 資格の大原 2027年受験対策 社労士24 WEB通信 | 79,800円(社労士24 初めて割の10%OFFクーポン適用時 71,800円) | 全科目のインプット講義約24時間+専用テキスト+択一式・選択式トレーニング問題集+横断まとめテキスト | 細かい時間で全科目を短時間で回したい人 |
独学道場の価格幅は、市販の『みんなが欲しかった!社労士の教科書』『社労士の問題集』を含むフルパックか、それらを除いたパックかの違いによるものです。
すでに市販テキストを買っている場合は、教科書・問題集なしのパックを選べば最も安く収まります。
2027年合格目標の申込受付期間は2026年8月7日から2027年7月4日までです。
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社労士24は、全科目のインプットを約24時間の講義で通すことに特化した構成です。
2027年受験対策のWeb講義は2026年8月24日より順次配信され、視聴は2027年の本試験日までです。
講座としての評判や他コースとの違いは、資格の大原 社労士講座の評判で解説しています。
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| 2027年合格目標の講座・カリキュラム | 通常価格(税込) | 10%OFF適用時(税込) |
|---|---|---|
| 入門カリキュラム/フル | 261,800円 | 235,620円 |
| 入門カリキュラム/ライト | 184,800円 | 166,320円 |
| 基礎講義&入門総合講義 | 107,800円 | 97,020円 |
| 中上級カリキュラム/フル | 305,800円 | 275,220円 |
| キックオフ社労士 | 43,780円 | ― |
アガルートは、表示価格から5%OFFになる会員数30万人突破記念のクーポンコード「AGAROOT30」を2026年12月21日23:59まで配布しています。
AGAROOT30は購入時の「クーポンコード」欄に記入して使い、個別指導や添削オプションなど一部の講座は対象外です。
AGAROOT30は、セールやキャンペーンなどクーポンを使わない割引とは併用できますが、他校乗換割引などの割引制度や他のクーポンとは併用できません。
教育訓練給付金の対象は「入門カリキュラム(フル)」と「中上級カリキュラム(フル)」の2講座のみで、ライトや単体講座は対象外です。
合格特典(お祝い金3万円または受講料全額返金)が付くのもフルのカリキュラムだけで、給付金の利用申請時は併用できません。
独学から切り替える場合、費用を抑えたいなら基礎講義&入門総合講義、特典と給付金まで使うなら入門カリキュラム/フルという分かれ方になります。
テキストには条文が掲載されており、独学で条文を引く手間を教材側で吸収できる点が独学者との相性につながります。
アガルートの社労士講座の口コミ



各科目のテキストに条文が記載されているのは、社労士試験対策ではあまり他社にはないため非常に有難く、自分では今回合格できた重要な要素のひとつになったのではと思っています。
引用元:アガルート公式サイト



先日、社労士試験でお世話になった予備校アガルートから合格特典の受講料全額返金の振り込みがありました。 アガルートには感謝の気持ちで一杯です。社労士として活躍することが一番の恩返しと思っています
引用元:Xの投稿
\合格で全額返金の特典あり/
社労士試験の基本情報


社労士試験は選択式8科目40点満点と択一式7科目70点満点で行われ、受験手数料は15,000円です。
独学の計画を立てるうえで押さえておきたい項目を、試験センターの公表内容からまとめます。
| 正式名称 | 社会保険労務士 |
|---|---|
| 試験事務 | 全国社会保険労務士会連合会 試験センター |
| 受験手数料 | 15,000円(払込みに係る手数料は受験申込者負担) |
| 受験申込期間 | 厚生労働大臣の官報公示(毎年4月中旬)以降〜5月31日 |
| 試験形式 | 選択式 計8科目・8問(40点)/択一式 計7科目・70問(70点) |
| 合格基準 | 選択式・択一式それぞれの総得点と科目ごとに合格基準点が定められ、いずれかが基準点に達しない場合は不合格。基準点は合格発表日に公表される |
| 受験資格 | ①学歴 ②実務経験 ③厚生労働大臣が認めた国家試験の合格の3区分 |
| 科目合格制度 | なし(毎回全科目を受験する) |
| 必要学習時間 | 約800〜1,000時間(初学者の目安) |
| 合格率(最新) | 5.5%(令和7年度・第57回) |
| 受験者数・合格者数(最新) | 43,421人・2,376人(令和7年度) |
独学で見落としやすいのは、合格基準点が合格発表日に公表される点です。
「何点取れば合格」という固定ラインが事前に示されていないため、目標は基準点ぎりぎりではなく余裕を持った得点に置く必要があります。
また科目合格制度がないため、不合格の場合は翌年もすべての科目を受け直すことになります。
受験資格は3区分に分かれており、自分がどの区分で証明するかは申込前に必ず確認してください。



勉強時間の目安800〜1,000時間は、週あたりに割り戻して読むと判断しやすくなります。週10時間なら80〜100週で2年近くかかり、1年で仕上げるなら週16〜20時間の確保が前提になります。独学が向くかどうかは意志の強さより、この時間を平日と休日にどう割り振れるかで決まります。確保できる時間から逆算して、1年計画か10ヶ月計画かを先に選んでください。
社労士の独学に関するよくある質問
社労士の独学で検索されることの多い疑問を、公式に確認できる範囲で回答します。
社労士は独学で何年かかりますか?
週20時間を確保できれば約10〜12ヶ月、週15時間なら約13〜17ヶ月が800〜1,000時間に到達する目安です。
受験回数別の合格者内訳は公表されていないため、「平均◯回で合格」という数字は出所をたどれない点に注意してください。
社労士の独学費用はいくらですか?
確定している費用は受験手数料15,000円で、これに市販のテキストと問題集の代金が加わります。
市販教材に講義まで含める場合は、TAC出版「社労士 独学道場」が49,900円〜94,200円(20%OFF適用時 39,920円〜75,360円・税込)、資格の大原「社労士24 WEB通信」が79,800円(社労士24 初めて割の10%OFFクーポン適用時 71,800円・税込)です。
社労士は独学で半年で合格できますか?
半年で800時間に到達するには週30時間以上の学習が必要になるため、条件を満たせる人に限られます。
時間が足りない場合は、択一式の主要科目と一般常識の基準点確保に絞り、テキストの通読と過去問3周目を後回しにする組み方になります。
社労士は過去問だけで合格できますか?
過去問だけでは選択式と法改正・統計の対策が抜けるため、過去問のみで合格を狙う設計は成り立ちません。
過去問は択一式の主力に置き、選択式の穴埋め演習と法改正・白書対策を別に用意してください。
社労士試験に受験資格はありますか?
受験資格はあります。
試験センターは受験資格を「①学歴」「②実務経験」「③厚生労働大臣の認めた国家試験合格」の3つの区分に分けて示しています。
自分がどの区分に該当し、どの証明書類を提出するかは試験センターの受験資格ページで確認してください。
独学で最も難しい科目はどれですか?
独学で最も対策が難しいのは「労務管理その他の労働に関する一般常識」と「社会保険に関する一般常識」の2科目です。
白書・統計からの出題があり、市販テキストだけでは最新の公表値を追いきれないため、選択式で基準点割れの原因になりやすくなります。
独学と通信講座はどちらを選ぶべきですか?
費用を最小限にしたい・自己管理に自信がある・用語の下地がある場合は独学、法改正対応と質問環境を任せたい場合は通信講座が向きます。
中間の選択肢として、市販教材に講義を足す独学道場や、インプットを約24時間に圧縮した社労士24があります。
まとめ:社労士の独学で押さえるべきポイント
社労士は独学でも合格できますが、成否を分けるのは勉強量ではなく「科目ごとの基準点」と「法改正・白書」への備え方です。
- 令和7年度の合格率は5.5%(受験43,421人・合格2,376人)。独学者だけの合格率は公表されていない
- 合格基準点は合格発表日に公表される。事前に固定ラインがないため余裕を持った得点を目標にする
- 期間は「800〜1,000時間 ÷ 週の学習時間」で逆算する。週20時間で10〜12ヶ月
- 過去問は択一式の主力。選択式と法改正・統計は別教材で埋める
- 市販教材に講義を足すなら独学道場49,900円〜(20%OFF適用時 39,920円〜)、インプットを圧縮するなら社労士24が79,800円(初めて割の10%OFFクーポン適用時 71,800円/いずれも税込)
- 法改正対応と継続に不安があるなら、合格率29.45%(令和7年度)のアガルートを比較対象に入れる
独学でいけるかどうかは、各講座の無料体験で講義を見てから判断すると精度が上がります。
自分で法改正まで追えると感じたなら独学、負担が大きいと感じたなら教材つきの選択肢に切り替えてください。
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