社労士の年収は、勤務社労士では「300万円以上600万円未満」が38.0%で最も多く、開業社労士の事務所売上は中央値550万円・平均1,657.9万円です(全国社会保険労務士会連合会「2024年度社労士実態調査」)。
この記事が「平均年収◯◯万円」という1つの数字を掲げないのには理由があります。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査には、社会保険労務士だけを切り出した職種区分が存在しません。
公的な「社労士の平均年収」という数値は、そもそも作られていないのが実情です。
この記事では、社労士の年収を勤務・開業に分け、25,408人が回答した連合会の実態調査の分布データで解説します。
年代別・経験年数別・男女別の内訳、未経験から目指した場合の見通し、求人・就職先、副業、ダブルライセンスまで網羅しました。
合格後の学習コストを含めて検討したい方は社労士の通信講座の比較記事、受験そのものを迷っている方は社労士のやめとけと言われる理由もあわせてご覧ください。
編集部【編集部より】社労士の年収記事でよく見る「勤務500〜700万円/開業800〜1,500万円」という数字は、出所をたどれないことが多いのが正直なところです。編集部は今回、賃金構造基本統計調査に社労士の職種区分が無いことを厚生労働省の職業分類対応表で確認したうえで、連合会が25,408人から回収した実態調査の分布に置き換えました。平均だけでなく中央値を併記しているので、そちらを判断材料にしてください。
- 公的統計に「社労士だけの平均年収」が存在しない理由
- 勤務社労士・開業社労士それぞれの年収・売上の実測分布
- 「低い」「食えない」と言われる理由と、データから見た実態
- 年代別・経験年数別・男女別の年収の変わり方
- 未経験・30代/40代/50代から目指した場合の見通し
- 社労士の求人・就職先と副業・ダブルライセンスの使い方
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この記事の監修者


徳永 浩光
国家資格キャリアコンサルタント(登録番号:21028809)
大手から中小企業まで規模を問わず、キャリア支援制度の導入・人材教育・個人の相談業務に従事。「計画的偶発性理論」を重視したキャリア形成支援を行うほか、資格・教育分野の専門サイト監修を多数担当。企業研修や教育実務、ウェブメディア運営の知見を活かして情報発信しています。
社労士の平均年収はいくら?公的統計に「社労士だけの平均年収」は存在しない
社労士の平均年収を示す公的な統計値は存在しません。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、社会保険労務士は「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」という区分にまとめて集計されているためです。
社労士の収入を数字で確認できるのは、全国社会保険労務士会連合会が会員に対して行っている実態調査です。
賃金構造基本統計調査で社会保険労務士はどう扱われているか
賃金構造基本統計調査における社会保険労務士の職業分類は「1189 その他の経営・金融・保険専門職業従事者」で、社労士単独の区分ではありません。
この対応関係は、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(job tag)の「職業分類対応表」に明記されています。
| 統計・分類 | 社会保険労務士の扱い |
|---|---|
| 厚生労働省編職業分類(令和4年改定) | 03_013-03 社会保険労務士(単独区分あり) |
| 日本標準職業分類 | B183 社会保険労務士(単独区分あり) |
| 国勢調査の職業分類 | 183 社会保険労務士(単独区分あり) |
| 賃金構造基本統計調査の職業分類 | 1189 その他の経営・金融・保険専門職業従事者(単独区分なし) |
job tag の社会保険労務士のページには「賃金(年収)1,134.6万円」という数値が載っていますが、これは上記1189区分の値です。


同じ1189区分には、中小企業診断士やファイナンシャル・プランナーも含まれます。
1,134.6万円という数字を「社労士の平均年収」として扱うと、別の職業の賃金を混ぜたまま語ることになります。
一方で就業者数の21,780人は国勢調査(令和2年)の数値で、こちらは社会保険労務士が単独区分なのでそのまま読める値です。
社労士の年収は連合会の実態調査で確認できる
社労士の収入を人数ベースで確認できる資料は、全国社会保険労務士会連合会の「2024年度社労士実態調査」です。
調査対象はすべての社労士45,401人で、有効回収数25,408人・有効回収率56.0%という規模になっています。
回答者の平均年齢は55.5歳、女性の割合は35.1%です。
| 働き方 | 調査で分かる金額 | 回答者数 |
|---|---|---|
| 勤務等の社労士 (年収) | 300万円以上600万円未満が38.0%で最多 600万円以上は合計41.5% | 10,157人 |
| 開業社労士 (事務所の年間売上) | 平均1,657.9万円/中央値550.0万円 | 14,469人 |
開業社労士の数字は「売上」であって手取りではない点が、読み間違えやすいところです。
平均1,657.9万円に対して中央値が550.0万円まで下がるのは、1億円以上を売り上げる一部の事務所が平均を押し上げているためです。
社労士の登録者数は開業・法人の社員・勤務等でどう分かれるか
社労士の登録者数は46,237人で、うち開業が24,819人、法人の社員が4,127人、勤務等が17,291人です。
| 登録区分 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 開業 | 24,819人 | 53.7% |
| 法人の社員 | 4,127人 | 8.9% |
| 勤務等 | 17,291人 | 37.4% |
| 合計 | 46,237人 | 100% |
開業と法人の社員を合わせると62.6%となり、社労士は開業側が多数派の資格です。
年収の話を「勤務か開業か」で分けて読む必要があるのは、この構成比が理由になります。



編集部が調べた範囲では、社労士の年収を扱う上位ページの多くが「厚生労働省の調査ではおよそ500万円」という書き方をしています。ただ、その根拠にあたる職種区分が賃金構造基本統計調査に無い以上、この数字は検証できません。人数と回収率が公開されている連合会の実態調査を軸に読むほうが、判断材料としては確かです。
勤務社労士の年収は300万〜600万円台が最も多い
勤務等の社労士(企業の人事・総務部門や社労士事務所に勤める社労士)の年収は、「300万円以上600万円未満」が38.0%で最も多い層です。
次いで「600万円以上900万円未満」が25.0%、「300万円未満」が16.8%と続きます。
勤務社労士の年収分布|600万円以上は41.5%
勤務等の社労士のうち、年収600万円以上に届いている層は合計41.5%です。
| 年収帯 | 割合 |
|---|---|
| 収入なし | 3.5% |
| 300万円未満 | 16.8% |
| 300万円以上600万円未満 | 38.0% |
| 600万円以上900万円未満 | 25.0% |
| 900万円以上1,200万円未満 | 10.7% |
| 1,200万円以上1,500万円未満 | 3.4% |
| 1,500万円以上2,000万円未満 | 1.5% |
| 2,000万円以上 | 0.9% |
1,200万円以上の層も合計5.8%あり、勤務でも高い水準に届く人は一定数います。
一方で「収入なし」「300万円未満」が合わせて20.3%を占める点は、勤務社労士の実像として押さえておきたいところです。
この層には、資格は取ったものの社労士関連業務に従事していない人や、退職後に登録を続けている人が含まれると考えられます。
企業内社労士と社労士事務所勤務の違い
勤務社労士の勤務先は社労士事務所・社労士法人が25.7%で、残りの約7割は一般企業などの事業会社です。
連合会の実態調査は勤務先別の年収額までは公表していないため、金額差を断定することはできません。
ただし勤務先の規模には明確な傾向があり、従業員1,000人以上の企業に勤める勤務社労士が全体の約25%、100人以上まで広げると約53%を占めます。
企業内社労士は大企業の給与テーブルに乗るため、社労士事務所勤務より年収の下限が上がりやすい構造です。
反対に社労士事務所・社労士法人は、顧問先を横断して手続きや相談に関わるため、実務経験の密度で優位に立ちます。
- 企業内社労士:勤務先の給与制度に連動。1,000人以上規模に約25%が在籍し、収入は安定しやすい
- 社労士事務所・社労士法人:勤務先の25.7%を占める。開業前提で実務経験を積みたい人の入口になる
勤務社労士が年収を上げる3つの方法
勤務社労士が年収を上げる手段は、実態調査の分布から見ると「従事年数を積む」「役職に就く」「専門領域を深める」の3つに整理できます。
1. 社労士関連業務の従事年数を積む
実態調査では、社労士関連業務の従事年数が3年未満だと年収600万円以上は22.1%ですが、20〜24年になると60.9%まで上がります。
年収帯の移動は勤続とともに緩やかに進むため、短期で跳ね上がる性質のものではありません。
2. 管理職・経営層のポジションを取る
勤務社労士の役職構成は、役職なしが42.9%、課長クラス19.3%、係長・主任クラス16.2%、部長クラス12.8%、役員クラス7.2%です。
役員・部長・課長クラスでは「職場でのキャリア形成にメリットがあった」と答えた割合が38〜39%台に達し、役職なし層の20.3%を大きく上回ります。
3. 資格手当や転職の交渉材料として使う
社労士登録のメリットとして「賃金面(昇給・手当支給など)でメリットがあった」と答えた勤務社労士は全体で22.0%です。
年齢別では20代が41.7%、30代が34.2%と若い層ほど高く、資格を早く取るほど賃金への反映を実感しやすい傾向が出ています。



勤務社労士のデータで編集部が意外に感じたのは、「メリットは特にない」と答えた人が32.7%いたことです。裏を返すと、資格を取っただけで年収が動くわけではないという意味になります。賃金面のメリットを実感しているのは20代で41.7%、70歳以上で11.6%。若いうちに取って人事・労務の実務に乗せるほど、資格が金額に反映されやすいと読めます。
開業社労士の売上は平均1,658万円・中央値550万円
開業社労士の事務所の年間売上は、平均1,657.9万円・中央値550.0万円です。
平均と中央値が3倍以上離れているため、平均値だけを見ると開業社労士の実像を大きく取り違えます。
開業社労士の売上分布|1,000万円未満が6割
開業社労士の事務所売上は、1,000万円未満が60.5%を占めます。
| 年間売上(収入)金額 | 割合 |
|---|---|
| 収入なし | 6.3% |
| 500万円未満 | 36.5% |
| 500万円以上1,000万円未満 | 17.7% |
| 1,000万円以上2,000万円未満 | 14.5% |
| 2,000万円以上3,000万円未満 | 6.7% |
| 3,000万円以上5,000万円未満 | 6.0% |
| 5,000万円以上1億円未満 | 4.4% |
| 1億円以上 | 2.2% |
1,000万円以上を売り上げている事務所は合計33.8%で、3割強という水準になります。
事務所の体制は「1人」が56.4%と過半数で、平均従業員総数は2.7人です。
売上から経費を引いた手取りは調査で公表されていないため、この記事では「開業社労士の年収は◯◯万円」という言い切りはしません。
参考として、全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士白書 2025年版」巻頭特集2の開業社労士パネル調査(開業後5年以上・n=1,609)では、事務所の売上平均2,904.6万円に対し費用総額(売上原価+経費計)の平均が2,295.3万円となっています。
開業社労士の売上は「顧問契約社数×単価」で決まる
開業社労士の売上の71.9%は顧問契約から生まれており、残る28.1%がスポット契約です。
つまり事務所の売上は「顧問契約社数 × 顧問料の単価」を土台に、スポット案件が上乗せされる構造になります。
| 顧問契約社数 | 割合 |
|---|---|
| 0社 | 16.5% |
| 1〜9社 | 28.2% |
| 10〜19社 | 13.3% |
| 20〜29社 | 8.8% |
| 30〜49社 | 10.6% |
| 50〜99社 | 10.5% |
| 100社以上 | 8.3% |
平均は33.2社ですが、中央値は10.0社まで下がります。
顧問先が0社という回答も16.5%あり、開業したからといって自動的に顧問契約が積み上がるわけではありません。
顧問料の単価そのものは、社労士の報酬規程が撤廃されている関係で公的な相場表が存在しません。
単価は顧問先の従業員規模で変わるのが実務上の一般的な考え方で、顧問契約社数の63.9%は従業員29人以下、20.9%が30〜99人という中小企業中心の構成になっています。
売上を伸ばす方向は「顧問先の数を増やす」か「1社あたりの単価を上げる」かの二択で、後者は規程作成やコンサル業務など手続き以外の受託を増やす動きに当たります。
| 受託業務の種類 | 売上に占める割合(平均) |
|---|---|
| 手続業務(手続に関連する相談も含む) | 41.5% |
| 労働及び社会保険に関する相談業務 | 14.3% |
| 給与計算業務 | 14.2% |
| 各種規程作成、改定、整備に関する業務 | 10.4% |
| コンサル業務 | 7.3% |
| 助成金業務 | 4.8% |
| 執筆・講演業務 | 2.1% |
| その他 | 5.4% |
高収入につながる専門特化の方向
開業社労士が単価を上げるには、売上の41.5%を占める手続業務の外側にどれだけ広げられるかが分かれ目になります。
実態調査では、5年前と比べて需要が「増えた(計)」と答えた割合が高い業務も公表されています。
- 労働及び社会保険に関する相談業務:増えた(計)71.5%
- 各種規程作成、改定、整備に関する業務:増えた(計)66.2%
- 手続業務(手続に関連する相談も含む):増えた(計)59.1%
- コンサル業務:増えた(計)57.7%
- 助成金業務:増えた(計)42.1%/減った(計)43.6%
相談業務と規程作成の需要が伸びている一方、助成金業務は「減った」が「増えた」を上回っています。
助成金は制度の改廃で受託量が振れるため、収入の柱を1本に依存しない設計が現実的です。
地域による差も小さくなく、実態調査の所属会規模別では、開業10〜19年で東京都(超大規模所属会)の売上中央値が1,700.0万円と最も高い一方、開業30年以上では小規模所属会が2,350.0万円で最上位に入れ替わります。
この所属会規模別の集計は、開業5年未満と売上300万円未満の回答者を除いた数値です。
都市部が有利とは言い切れず、地方でも年数を重ねた事務所が高い売上を出していると読めます。



開業を検討している方に編集部が最初に見てほしいのは、顧問契約社数の中央値10社という数字です。平均33.2社は100社以上を抱える8.3%の事務所に引き上げられた値で、実感に近いのは中央値のほう。顧問先0社が16.5%いることも含めて、開業直後は売上が立たない前提で資金計画を組むのが現実的だと考えます。
社労士の年収が「低い」「食えない」と言われる理由
社労士が「低い」「食えない」と言われる最大の理由は、開業社労士の売上分布で500万円未満が36.5%・収入なしが6.3%と、下位層の厚みが実際に大きいためです。
平均値だけを見た人と、中央値や分布を見た人とで印象が真逆になるのが、この資格の年収議論の特徴になっています。
- 開業の下位層が厚い:売上500万円未満36.5%+収入なし6.3%=42.8%
- 顧問先が付かないことがある:顧問契約0社が16.5%、1〜9社が28.2%
- 勤務でも資格が賃金に直結しない:登録のメリットが「特にない」32.7%
- 収入の不安定さを本人も感じている:開業社労士の47.1%が「経済面の不安定さ」に当てはまると回答
- 公的な平均年収が存在しない:数字が独り歩きしやすく、期待値がずれる
開業を考えていない勤務社労士に理由を聞いた設問でも、「顧客確保が難しいと思うから」42.2%、「収入が安定しないから」26.7%が上位に並びます。
「食えない」という言葉は、資格そのものの価値というより、顧客獲得の難しさを指していると読むほうが実態に近いといえます。
反対の側面として、開業社労士の49.1%は「経済的に有利になる」に当てはまると回答しており、87.6%が「専門性の高い仕事ができる」と答えています。
資格を取る意味そのものに迷いがある方は、社労士の意味ないと言われる理由の記事で、投資対効果と将来性の観点から整理しています。
社労士の年収は年代・経験年数・性別でどう変わるか
勤務社労士の年収は、年齢では50代、経験では従事年数20年以上で最も高い層に寄ります。
連合会の実態調査は年齢別・従事年数別・性別のクロス集計を公表しているため、自分に近い条件で読み替えられます。
年齢別|50代で900万円以上が15.7%
勤務社労士で年収900万円以上1,200万円未満の割合が最も高いのは50代で、15.7%が該当します。
| 年齢 | 回答者数 | 300万円未満 | 300〜600万円未満 | 600〜900万円未満 | 900〜1,200万円未満 |
|---|---|---|---|---|---|
| 20〜29歳 | 72人 | 12.5% | 70.8% | 11.1% | - |
| 30〜39歳 | 944人 | 11.1% | 57.3% | 23.5% | 5.3% |
| 40〜49歳 | 2,925人 | 12.3% | 40.8% | 30.4% | 10.0% |
| 50〜59歳 | 3,582人 | 12.2% | 31.3% | 29.2% | 15.7% |
| 60〜69歳 | 2,063人 | 25.9% | 37.5% | 16.2% | 7.9% |
| 70歳以上 | 571人 | 45.5% | 30.6% | 6.5% | 2.8% |
20代は「300万円以上600万円未満」が70.8%と一箇所に集中しており、年齢が上がるほど上下に散っていく形です。
60代以降は「300万円未満」が急に増えるため、年収のピークは50代と読めます。
経験年数別|10年を超えると600万円台に乗る
社労士関連業務の従事年数が10年を超えると、年収600万円以上900万円未満の割合が3割台に乗ります。
| 従事年数 | 回答者数 | 300万円未満 | 300〜600万円未満 | 600〜900万円未満 | 900〜1,200万円未満 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3年未満 | 764人 | 23.6% | 53.9% | 15.1% | 5.5% |
| 3〜4年 | 622人 | 18.0% | 57.2% | 17.0% | 5.1% |
| 5〜9年 | 1,351人 | 13.6% | 52.3% | 23.5% | 7.3% |
| 10〜14年 | 1,074人 | 9.9% | 42.7% | 31.6% | 11.7% |
| 15〜19年 | 738人 | 6.4% | 39.8% | 37.1% | 12.1% |
| 20〜24年 | 577人 | 5.7% | 32.8% | 38.1% | 15.6% |
| 25年以上 | 469人 | 10.7% | 31.1% | 30.1% | 17.1% |
年収600万円以上の合計は、3年未満で22.1%、10〜14年で46.4%、20〜24年で60.9%と段階的に上がります。
資格を取った直後に年収が跳ねるのではなく、実務に従事した年数が積み上がって年収帯が動くという構図です。
男女別|女性は300〜600万円台が48.4%
女性の勤務社労士は「300万円以上600万円未満」が48.4%で、男性の30.3%より18ポイント高くなっています。
| 性別 | 回答者数 | 300万円未満 | 300〜600万円未満 | 600〜900万円未満 | 900〜1,200万円未満 |
|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 5,823人 | 13.8% | 30.3% | 28.7% | 14.8% |
| 女性 | 4,267人 | 20.6% | 48.4% | 20.1% | 5.2% |
年収900万円以上の割合は男性が23.4%、女性が7.0%で、上位層の差が大きいのが現状です。
一方で開業社労士の78.4%が「他から干渉されずに自由で独立した仕事ができる」、77.1%が「自分の労働時間を管理できる」と回答しており、働き方を自分で決められる点は社労士という資格の共通の強みです。



年代別の表で編集部が注目したのは、20代の70.8%が「300万円以上600万円未満」の1箇所に固まっている点です。裏を返せば、20代のうちは年収差がほとんど付いていないということ。差が開き始めるのは40代以降で、そこから先を決めるのは従事年数と役職です。今20代・30代で受験を検討しているなら、資格そのものより「取った後に実務へ乗せられるか」を先に考えたほうが得だと考えます。
未経験・30代/40代/50代から社労士を目指した場合の年収
未経験から社労士を目指す場合、勤務なら年収300万円以上600万円未満のゾーンからのスタートが現実的な想定になります。
社労士関連業務の従事年数が3年未満の層では、この年収帯が53.9%を占めているためです。
開業を選んだ場合、連合会の実態調査は開業年代ごとの売上推移を「事業拡大モデル」として公表しています。
| 開業した年代 | 開業5年未満 | 開業5〜9年 | 開業10〜14年 |
|---|---|---|---|
| 30歳前後で開業 | 売上600万円/顧問12.5社 | 売上2,800万円/顧問50.0社 | 売上2,700万円/顧問54.0社 |
| 40歳前後で開業 | 売上700万円/顧問12.0社 | 売上1,800万円/顧問35.0社 | 売上1,898万円/顧問42.0社 |
| 50歳前後で開業 | 売上500万円/顧問9.0社 | 売上1,000万円/顧問20.0社 | 売上1,200万円/顧問28.0社 |
この表は上位25%層の姿なので、平均的な開業社労士の推移ではない点に注意が必要です。
開業する年代が若いほど売上と顧問契約社数が伸びやすい傾向は、3つの年代を並べると明確に出ています。
50歳前後で開業した層でも、開業10〜14年で売上1,200万円・顧問28.0社に届いており、遅い挑戦が無意味というデータにはなっていません。
- 30代で目指す:勤務なら300〜600万円台からのスタートが多い。開業した場合の伸びしろは最も大きい
- 40代で目指す:勤務社労士の年収帯が散り始める年代。人事・労務の実務経験があれば600万円台以上を狙いやすい
- 50代で目指す:勤務では900万円以上の割合が最も高い年代。開業は伸びが緩やかで、定年後の継続就業を前提に組み立てるのが現実的
社労士の登録者の平均年齢は55.5歳で、年齢を理由に入りにくい資格ではありません。
社労士の求人・就職先はどこにあるか
社労士の勤務先で最も多いのは社労士事務所・社労士法人で25.7%、次いで製造業10.7%、金融・保険業・不動産業9.6%です。
士業事務所に限らず、事業会社の人事・総務部門が幅広く受け皿になっているのが社労士の就職先の特徴になります。
| 勤務先の業種 | 割合 |
|---|---|
| 社労士事務所または社労士法人 | 25.7% |
| 製造業 | 10.7% |
| 金融・保険業・不動産業 | 9.6% |
| サービス業(上記以外) | 9.4% |
| 公務 | 6.9% |
| 医療・介護・福祉 | 6.2% |
| 卸・小売業 | 5.6% |
| 情報通信・IT | 5.3% |
| 土木・建設業 | 3.0% |
| 士業(社労士を除く)事務所 | 2.5% |
勤務先の規模は、従業員1,000人以上が全体の約25%、100人以上まで含めると約53%を占めます。
大企業ほど労務管理が複雑になるため、社内に有資格者を置く必要性が高いという事情が背景にあります。
役職の内訳は、役職なし42.9%、課長クラス19.3%、係長・主任クラス16.2%、部長クラス12.8%、役員クラス7.2%、代表経営者1.4%です。
管理職以上が合計40%を超えており、社労士資格が管理職層のキャリアと結び付いていることが読み取れます。
なお勤務社労士のうち社労士関連業務に「従事している」と答えたのは65.7%で、34.1%は資格を持ちながら別業務に就いています。
副業・兼業で社労士資格を使う場合の収入
副業社労士の収入額を示す公的データや連合会の統計は公表されていないため、この記事では金額の目安を示しません。
副業として社労士業務を行う場合、まず登録区分の理解が必要になります。
社労士の登録区分は「開業」「法人の社員」「勤務等」の3つで、報酬を得て他人の求めに応じ社労士業務を行うには開業登録が必要です。
勤務等の登録のままでは、勤務先以外から報酬を得て社労士業務を受託することはできません。
会社員として働きながら副業で受託したい場合は、勤務先の副業規定と社労士会への登録区分の両方を確認するところから始まります。
- 開業登録をすると、事務所の年間売上は実態調査の分布(500万円未満36.5%・収入なし6.3%)に含まれる母集団に入る
- 顧問契約社数の中央値は10.0社。副業規模なら1〜9社(全体の28.2%)のゾーンが現実的な想定になる
- 売上の71.9%は顧問契約なので、スポット案件だけで積み上げる形は主流ではない
- 受託業務の41.5%は手続業務。スキマ時間で回しやすいのは規程作成や相談業務のほう
勤務のまま登録を続けている社労士は17,291人おり、開業意向を持つ層も実態調査で把握されています。
勤務等の社労士のうち「近い将来に開業予定」は596人、「将来的には開業したい」は3,343人で、開業意向のある層が一定の厚みを持っています。
ダブルライセンスで社労士の年収を上げる
社労士がダブルライセンスで年収を上げる筋道は、顧問先1社あたりの受託範囲を広げて単価を上げることにあります。
開業社労士の売上の41.5%は手続業務が占めており、ここから外側へ広げられるかが単価の分かれ目になるためです。
| 組み合わせる資格 | 広げられる業務 | 相性 |
|---|---|---|
| 行政書士 | 建設業許可・外国人雇用に関する在留資格など、許認可申請 | 労務手続きと許認可を同じ顧問先にまとめて提供できる |
| 中小企業診断士 | 経営計画・組織改善のコンサル業務 | 売上の7.3%にとどまるコンサル業務の受託を広げやすい |
| FP(ファイナンシャル・プランナー) | 年金相談・従業員向けのライフプラン研修 | 年金相談業務との親和性が高く、個人向けの窓口を作れる |
行政書士は社労士と組み合わせる例が多く、労働社会保険の手続きと許認可申請をワンストップで請けられるのが強みです。
中小企業診断士は、社労士と同じく賃金構造基本統計調査では「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」に分類される資格で、経営全般の助言に踏み込めます。
ダブルライセンスを検討する際は、資格そのものより「今の顧問先が困っていること」から逆算して選ぶほうが単価に結び付きます。
社労士で年収1,000万円を達成する5つの戦略


社労士が年収1,000万円に届くには、事務所売上で1,000万円以上を出している33.8%の層に入ることが最低条件になります。
売上から経費を引くことを考えると、実際には売上2,000万円台以上を視野に入れた設計が必要です。
実態調査の数値から逆算すると、次の5つの戦略が現実的な手立てになります。
1. 顧問契約社数を中央値の10社から積み上げる
売上の71.9%は顧問契約から生まれるため、顧問先の数が売上の土台を決めます。
実態調査の事業拡大モデルでは、売上2,800万円の層が顧問50.0社を抱えており、規模と顧問先数はほぼ連動しています。
2. 相談業務・規程作成で1社あたりの単価を上げる
需要が「増えた」と答えた割合が高いのは相談業務71.5%、規程作成66.2%で、いずれも手続業務より単価を付けやすい領域です。
顧問料に含める範囲を広げることが、顧問先を増やさずに売上を伸ばす手立てになります。
3. ダブルライセンスで受託範囲を広げる
行政書士やFP、中小企業診断士を組み合わせると、同じ顧問先に提供できるサービスが増えます。
他の社労士との差別化にもなり、価格競争から距離を取りやすくなります。
4. デジタルツールで手続業務の処理量を増やす
受託業務の41.5%を占める手続業務は、電子申請やクラウド労務管理ツールで処理効率を上げやすい領域です。
1人あたりの処理量が増えれば、従業員を増やさずに顧問先を上乗せできます。
5. 人を雇って個人の限界を外す
事務所の56.4%は1人体制で、平均従業員総数は2.7人にとどまります。
売上2,800万円規模の事業拡大モデルでは従業員総数が4.0人となっており、規模の拡大には人員の増強が伴っています。



5つの戦略に共通するのは「顧問先の数」か「1社あたりの単価」のどちらかを動かしている点です。実態調査の数字を並べると、売上2,800万円の層は顧問50社・従業員4人。年収1,000万円は根性論ではなく、この規模まで事務所を持っていく事業計画の話だと編集部は捉えています。
社労士の年収を他の資格と比較
社労士と他の士業を「平均年収」で横並び比較することは、統計上できません。
賃金構造基本統計調査では、主要な士業のいずれもが複数の職業をまとめた区分に入っているためです。
| 資格 | 賃金構造基本統計調査の職業分類 | 同じ区分に入る職業 |
|---|---|---|
| 社会保険労務士 | 1189 その他の経営・金融・保険専門職業従事者 | 中小企業診断士、ファイナンシャル・プランナー など |
| 中小企業診断士 | 1189 その他の経営・金融・保険専門職業従事者 | 社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー など |
| 公認会計士 | 1181 公認会計士,税理士 | 税理士 |
| 税理士 | 1181 公認会計士,税理士 | 公認会計士 |
| 司法書士 | 1173 法務従事者 | 弁護士、弁理士 |
| 行政書士 | 1249 他に分類されない専門的職業従事者 | 他に分類されない専門的職業 全般 |
「社労士の平均年収は◯◯万円、税理士は△△万円」という比較表は、根拠にできる公的統計が存在しないまま作られていることになります。
比較で意味を持つのは、収入の金額ではなく「合格までにかかる時間」と「収入の作られ方」です。
| 資格 | 合格率 | 必要学習時間の目安 |
|---|---|---|
| 社労士 | 5.5% | 約800〜1,000時間 |
| 公認会計士 | 7.4% | 約3,000〜5,000時間 |
| 税理士 | 21.6%(令和7年度・一部科目合格者を含む) | 約3,000〜5,000時間 |
| 中小企業診断士 | 1次23.7%・最終17.6% | 約1,000〜1,500時間 |
| 司法書士 | 5.21% | 約3,000時間 |
| 行政書士 | 14.54% | 約600〜1,000時間 |
| FP(2級) | 学科47.18%(日本FP協会) | 約150〜300時間 |
社労士の学習時間は約800〜1,000時間で、公認会計士や税理士(約3,000〜5,000時間)の3分の1以下です。
合格率5.5%は司法書士(5.21%)と同水準ですが、学習時間は司法書士の約3分の1で済みます。
収入の作られ方という観点では、社労士は売上の71.9%が顧問契約という継続収入である点が、案件ごとの受注が中心になる資格との違いです。
社労士資格の取得費用と、年収に見合うか


社労士資格の取得費用は、受験料15,000円と通信講座の受講料59,800〜261,800円を合わせて約74,800〜276,800円が目安です。
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 受験料 | 15,000円 |
| 通信講座の受講料(目安) | 59,800〜261,800円 |
| 合計(目安) | 約74,800〜276,800円 |
令和7年度(第57回)社労士試験の合格率は5.5%で、受験者43,421人に対し合格者は2,376人でした。
試験の内容や科目ごとの重さは社労士試験の難易度の記事に、必要な学習時間の配分は社労士の勉強時間の記事にまとめています。
市販テキストで費用を抑える選択肢を検討したい方は、社労士の独学の記事もあわせてご覧ください。
費用対効果は「勤務のまま年収帯を1つ上げる」のか「開業して事務所売上を作る」のかで計算がまったく変わります。
勤務社労士のデータでは、社労士登録の賃金面のメリットを実感した人が22.0%にとどまるため、資格取得だけで回収できると考えるのは楽観的です。
社労士合格を目指すならアガルートがおすすめ


アガルートの社労士講座は、令和7年度の受講生合格率29.45%と、全国平均5.5%を大きく上回る実績を公表しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コース | 2027年合格目標 基礎講義&入門総合講義/入門カリキュラム ライト・フル |
| 料金(税込) | 97,020円〜235,620円 ※早期キャンペーン価格(2026年10月29日まで) |
| 合格率 | 29.45%(令和7年度) |
| 合格特典 | お祝い金3万円または全額返金(対象は入門/中上級/上級カリキュラムのフル3コース。ライトとキックオフ社労士は対象外) |
| 質問対応 | フル50回、ライト20回まで |
| 給付金対象 | 入門カリキュラム/フル・中上級カリキュラム/フルの2コース |
| 給付金指定コースの訓練期間 | 12ヶ月 |
出題カバー率約90%のフルカラーテキストに加え、初学者向けの「基礎講義」から段階的に学べるカリキュラムが強みです。
合格すれば受講料が全額返金される制度があり、学習コストを抑えたい社会人にとって選びやすい設計になっています。



音声のみの配信や動画配信の倍速モードなど、働きながら時間が取れない私にとっては非常に効率的に勉強する事が出来たと感じております。
引用元:アガルート公式サイト



労働科目までは「オリジナル問題集いいな…」と思っていたけど、今はテキストと過去問だけでスケジュールに追われる日々。 他社模試はするけど、手を広げる余裕はないな〜
引用元:X
本試験前の実力確認には模試の併用が有効で、各社の日程と料金は社労士模試の比較の記事にまとめています。
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よくある質問(FAQ)
社労士の年収について、検索でよく寄せられる質問に一次情報をもとにお答えします。
社労士の平均年収は公的統計で分かりますか?
公的統計に社会保険労務士だけの平均年収はありません。
賃金構造基本統計調査では、社会保険労務士は「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」という区分に含まれて集計されています。
同じ区分には中小企業診断士やファイナンシャル・プランナーも入るため、その区分の賃金を社労士の年収として読むことはできません。
社労士は本当に「食えない」資格なのですか?
開業社労士の事務所売上は、500万円未満が36.5%・収入なしが6.3%を占めます。
一方で1,000万円以上を売り上げる事務所も33.8%あり、二極化しているというのが実態調査から読める姿です。
勤務社労士では「300万円以上600万円未満」が38.0%、600万円以上が合計41.5%で、生活が成り立たない水準に集中しているわけではありません。
開業社労士は何社くらいと顧問契約しているのですか?
1事務所あたりの顧問契約社数は平均33.2社、中央値10.0社です。
最も多いのは「1〜9社」で28.2%、次いで「10〜19社」が13.3%となっています。
顧問先が0社という回答も16.5%あり、開業後すぐに契約が積み上がるとは限りません。
未経験でも社労士として転職できますか?
勤務社労士の勤務先は社労士事務所・社労士法人が25.7%で、残りは製造業や金融・保険業など幅広い業種に分散しています。
社労士関連業務の従事年数が3年未満の層では「300万円以上600万円未満」が53.9%を占めるため、未経験からの入口はこの年収帯が中心です。
従事年数10年以上になると年収600万円以上の割合が4割を超えるので、実務を積むことで年収帯は動きます。
社労士試験の合格率はどのくらいですか?
令和7年度(第57回)の合格率は5.5%で、受験者43,421人に対し合格者は2,376人でした。
通信講座各社は全国平均を上回る合格率を公表しており、アガルートでは29.45%、スタディングでは63.16%(※カリキュラム修了者の合格率)、フォーサイトでは63.0%となっています。
※「カリキュラム修了者」とは、受験及び成績調査アンケートの回答者のうち、「社会保険労務士 合格コース[2025年合格目標]」を受講の上、「直前対策答練[2025年合格目標]」を80%以上完了、かつ、「合格模試(選択式/択一式)[2025年合格目標]」で選択式で40点満点中24点以上、択一式で70点満点中42点以上を得点した受講生の方を指します。
社労士と行政書士のダブルライセンスは有効ですか?
社労士は労働・社会保険の専門家、行政書士は許認可申請の専門家で、同じ顧問先に提供できる業務が重ならずに広がります。
開業社労士の売上は41.5%が手続業務に偏っているため、受託範囲を広げる打ち手として機能します。
ただし資格を増やすこと自体が収入を保証するわけではなく、顧問先の需要と噛み合うかどうかが前提になります。
まとめ
社労士の年収は、勤務なら「300万円以上600万円未満」が38.0%で最多、開業なら事務所売上の中央値が550.0万円というのが、連合会の実態調査から読める姿です。
公的統計に社労士単独の平均年収が無い以上、判断材料はこの分布データに置くのが確実になります。
- 平均値ではなく中央値と分布で見る(開業の売上は平均1,657.9万円/中央値550.0万円)
- 開業社労士の数字は売上であって手取りではない
- 勤務の年収帯を動かすのは従事年数と役職(20〜24年で600万円以上が60.9%)
- 開業の売上は顧問契約社数×単価。顧問契約が売上の71.9%を占める
令和7年度の合格率5.5%という難関ではありますが、学習時間は約800〜1,000時間と他の士業より短く、働きながらでも十分に射程に入ります。
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