TAC弁理士講座は、短答答練13回・論文答練17回・全国公開模試5回という演習量と、答案を1枚ずつ返すTAC式デジタル論文添削を武器にした、専任弁理士講師が科目を分担して教える通信主体の予備校です。
「料金は高いけれど本当に合格できるのか」「コースが多すぎてどれを選べばいいのか分からない」と迷ったまま資料請求を止めている方は少なくありません。
受講料は初学者向けの1.5年本科生MAXで561,000円(オンラインライブ通信講座・税込)と、弁理士講座では最上位の価格帯にあります。
この記事では、TACのコース体系・講師の担当科目・論文添削・答練と全国公開模試の回数・口述試験対策・向き不向きを、TAC公式サイトの一次情報だけで整理しました。
なお、弁理士の通信講座については、弁理士の通信講座おすすめ記事にて詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
編集部【編集部より】TACの弁理士講座を検討するとき、最初に確認していただきたいのは受講料ではなく「答練と模試を何回受けられるか」です。弁理士試験の論文式は、知識があっても採点者に伝わる答案が書けなければ通りません。TACは答練の回数と添削がカリキュラムに組み込まれているので、演習量で押し切りたい方には価格差の説明がつきます。逆に「講義を安く見たいだけ」ならこの価格は割高になります。
\老舗の合格メソッドで難関突破/


TAC弁理士講座では、対象コースの受講料が最大88,000円割引になる「秋の早割キャンペーンPart2」を実施中です。
- 2028年合格目標 1.5年本科生:88,000円→385,000円~
- 2028年合格目標 1.5年本科生MAX:88,000円→451,000円~
- 2027年合格目標 8ヵ月本科生:66,000円→319,000円~
秋の早割キャンペーンPart2の実施期間は2026年10月31日までです。
この記事の監修者


徳永 浩光
国家資格キャリアコンサルタント(登録番号:21028809)
大手から中小企業まで規模を問わず、キャリア支援制度の導入・人材教育・個人の相談業務に従事。「計画的偶発性理論」を重視したキャリア形成支援を行うほか、資格・教育分野の専門サイト監修を多数担当。企業研修や教育実務、ウェブメディア運営の知見を活かして情報発信しています。
TAC弁理士講座の評判は?講座の基本情報【2026年最新】


TAC弁理士講座は、TAC株式会社(東京都千代田区・東証上場)が運営する、オンラインライブ通信講座とWeb通信講座の2形態で学ぶ弁理士試験対策講座です。
「資格の学校TAC」のブランドで公認会計士・税理士・社会保険労務士など多数の難関資格を扱っており、弁理士講座でも長年の受験指導ノウハウを前提にカリキュラムが組まれています。
TAC弁理士の受講形態は「オンラインライブ通信講座」と「Web通信講座」の2つ
TACの弁理士本科生は、公式サイトが「選べる2つの受講形態」と明記しているとおり、オンラインライブ通信講座とWeb通信講座の2択です。
オンラインライブ通信講座は、専用プラットフォーム「Schoo Swing」で講義をリアルタイム受講する形態で、講師・受講生がリアクションボタンや投稿機能でやりとりしながら進みます。
ライブ配信後はアーカイブ配信フォローが用意されており、Webフォローで繰り返し視聴したり、Webschoolアプリで動画をダウンロードして復習したりできます。
Web通信講座は、オンラインライブ配信で収録した動画をそのまま配信する形態で、講義内容はオンラインライブと同一です。
教室講座・個別DVD・ビデオブースフォローを選べるのは、本科生ではなく短答答練パック・論文答練パック・民法トータルパック・単科と、渋谷校で実施する松宮ゼミに限られます。
TAC弁理士の講座スペック一覧
TAC弁理士講座の主要スペックは以下のとおりです。
| 運営会社 | TAC株式会社(東証上場) |
|---|---|
| 受講形態 | オンラインライブ通信講座/Web通信講座(本科生)。答練パック・単科・民法トータルパックは教室講座・個別DVDも選択可 |
| 通信講座の収録講師 | 小松純講師(逐条講義・論文講義・論文答練)/齋藤晶子講師(基本講義・短答答練) |
| 校舎の専任講師 | 酒井俊之・菅沼和弘・加曽利正典(八重洲校)/北口里英・洲崎竜弥(梅田校)/松宮一也(松宮ゼミ・渋谷校)ほか |
| カリキュラムの構成 | ①基本講義・逐条講義 ②論文講義 ③各種答案練習・全国公開模試の3段階。週1回〜2回(1日2コマ) |
| 教材 | ELEMENTS1〜3(基本講義・体系編)/基本講義テキスト(逐条編)3冊/基本講義テキスト(論文編)/答練・模試の問題・解答解説冊子 |
| 答練の回数 | 短答答練パック 全13回/論文答練パック 全17回(いずれも全国公開模試を含む)。本科生は短答基礎答練 全5回・論文基礎答練 全3回も受講 |
| 全国公開模試 | 短答式 全3回/論文式 全2回。いずれも解答・解説冊子+Web解説講義つき |
| 口述試験対策 | 口述重要論点整理 全6回/口述模試(完全個別面接方式) |
| 添削指導 | TAC式デジタル論文添削システム。論文答練・模試の記述式答案を添削してTAC WEB SCHOOLで返却 |
| 質問対応 | Webschool内の質問メール(無料)。本科生は50回・パック生は20回まで |
| 自習室 | 全国のTAC校舎(本科生・パック生・受講期間内。通学生・通信生いずれも利用可)+オンライン自習室Herazika |
| 返金・合格特典 | 合格返金制度(令和8年度論文式試験の合格で受講料全額返金)/1.5年本科生MAXは1年目合格で未受講分を合格祝い金として返金 |
| 再受講制度 | 1.5年本科生MAX・1.5年本科生に短答無料再受講制度 |
| 教育訓練給付金 | 一般教育訓練給付制度の対象は2コース(上級本科生のWeb通信440,000円/上級論文本科生のWeb通信242,000円。受講費用の20%・上限10万円) |
| 入会金 | 10,000円(0から始まる会員番号を持っていない方)。口述模試は入会金不要 |
通信専業のオンライン講座と比べたときのTACの違いは、全国の校舎の自習室を通信生でも使える点と、答練・模試の答案を提出して添削と成績表が返ってくる仕組みが標準で付いている点です。
TAC弁理士のコース・料金一覧【2027・2028年合格目標】
TAC弁理士の通常受講料は、短答本科生のWeb通信講座308,000円から、1.5年本科生MAXのオンラインライブ通信講座561,000円までのあいだにあります。
受講料には教材費と消費税10%が含まれており、別途入会金10,000円が必要です。
初学者向けの4コース(1.5年本科生MAX・1.5年本科生・8ヵ月本科生・短答本科生)
はじめて弁理士試験に挑む方向けのコースは、学習期間と到達目標の違いで4つに分かれています。
| コース名 | オンラインライブ通信講座 | Web通信講座 | 目標 |
|---|---|---|---|
| 1.5年本科生MAX | 561,000円 | 539,000円 | 1年目から短答・論文を同時学習し、2年かけて論文式試験・最終合格 |
| 1.5年本科生 | 495,000円 | 473,000円 | 2027年に短答式、2028年に必須論文式を段階的に合格 |
| 8ヵ月本科生 | 396,000円 | 385,000円 | 2027年に短答式と必須論文式の同時合格 |
| 短答本科生 | 319,000円 | 308,000円 | 2027年に短答式試験の合格 |


公式サイトのコース一覧には秋の早割受講料とU35割引受講料が並んで表示されており、10月31日までの秋の早割なら1.5年本科生MAXが451,000円から、1.5年本科生が385,000円から、8ヵ月本科生が319,000円から申し込めます。
受験経験者向けのコース(上級本科生・論文本科生)
受験経験がある方向けのコースは、短答と論文を網羅する上級本科生と、必須論文式に絞る論文本科生と上級論文本科生の3つです。
| コース名 | オンラインライブ通信講座 | Web通信講座 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 上級本科生 | 451,000円 | 440,000円 | 短答+論文対策を網羅した受験経験者専用のフルスペックコース。Web通信講座が一般教育訓練給付制度の対象 |
| 上級論文本科生 | 253,000円 | 242,000円 | 論文対策を網羅した受験経験者専用コース。Web通信講座が一般教育訓練給付制度の対象 |
| 論文本科生 | 330,000円 | 319,000円 | 必須論文試験対策を基本から学び直したい方向け |
受験経験者は通常受講料ではなく受験経験者割引または再受講割引で申し込めるため、上級本科生のWeb通信講座なら受験経験者割引で286,000円、再受講割引で264,000円になります。
答練パック・単科・選択科目(民法)・口述対策
本科生を取らずに、必要な部分だけを単独で申し込むこともできます。
- 短答答練パック:短答式の演習に特化した全13回。2027年1月開講
- 論文答練パック:必須論文式の演習に特化した全17回
- 民法トータルパック:選択論文科目の民法をオリジナルカリキュラム〈たどる学習法〉で攻略。通常受講料105,600円(10月31日までの早割で82,500円)
- 単科(インプット/アウトプット):必要な講義・答練だけを単科受講
- 口述重要論点整理:口述試験で狙われる頻出論点・条文を解説する全6回
- 口述模試:完全個別面接方式。受講料13,200円(予定)・入会金不要
- 松宮ゼミ:渋谷校の定員制ゼミ。選抜試験に合格した方のみ申込可
答練パック・単科・松宮ゼミの受講料は、公式サイトの申込ブロックで複数の金額が並記されており現行価格を確定できなかったため、金額は資料請求のパンフレットまたはTAC受付窓口で確認してください。
なお自習室は本科生・パック生の特典で、単科・オプション・公開模試のみを申し込んだ場合は利用できません。
\コース選びの相談から始めたい/
TAC弁理士のコースはどう選ぶ?合格までの組み立て方4パターン
TAC弁理士のコース選びは「何年で最終合格を目指すか」と「短答と論文をいつ学ぶか」の2軸で、4つのパターンに整理できます。
弁理士試験は短答式・論文式・口述式の3段階で、短答式に合格すると合格発表日から2年間は短答式が免除されます。
免除の2年をどう使うかがコース選びの分かれ目になるため、試験そのものの重さは弁理士試験の難易度の記事で確認してから決めると迷いにくくなります。
パターン1:1年目から短答・論文を同時に学び、2年で最終合格を狙う
1年目から短答対策と論文対策を並行し、1年目の合格も狙いながら2年かけて論文式試験の突破を目指すのが1.5年本科生MAXです。
1年目に論文式試験まで合格できた場合は、未受講分の受講料が合格祝い金として返金されます。
短答式試験が不合格だった場合も、翌年度の逐条講義(条約・不正競争防止法・著作権法)と短答答練パックを無料で受講できる短答無料再受講制度が付きます。
パターン2:1年目に短答、2年目に必須論文と段階的に進む
1年目は短答式に絞り、2年目に必須論文式へ移る段階型が1.5年本科生です。
1年で両方に受かる自信がない方や、学習時間を平準化したい社会人受験生に向いた組み立てで、短答無料再受講制度も付帯します。
ただしTACは公式サイトで、合格者200名前後の近年は短答・論文を同時に学んだ受験生のほうが最終合格に近いという分析を示しています。
| 年度 | 最終合格者数 | 短答・論文同時受験の合格者占有率 | 論文のみ受験の合格者占有率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 205名 | 37.5%(77名) | 46.3%(95名) |
| 令和6年度 | 191名 | 38.7%(74名) | 49.7%(95名) |
| 令和5年度 | 188名 | 40.4%(76名) | 51.5%(97名) |
| 平成25年度 | 715名 | 13.7%(98名) | 44.6%(319名) |
合格者が700名台だった平成25年度は同時受験組が13.7%しかいませんでしたが、直近3年度はいずれも37%台から40%台まで上がっています。
パターン3:短答だけ・論文だけを固めたいとき
短答式だけを1年で仕上げるなら短答本科生、必須論文式だけを基本から学び直すなら論文本科生が対応します。
短答式と必須論文式の同時合格を8ヵ月で狙う圧縮型が8ヵ月本科生で、初学者だけでなく受験経験者も対象に含まれています。
インプットは終わっていて演習量だけが足りない方は、本科生ではなく短答答練パック(全13回)や論文答練パック(全17回)を単独で申し込む選択もあります。
パターン4:選択科目(民法)や口述対策だけを足したいとき
選択論文科目の民法だけが残っている方には、民法トータルパック(通常受講料105,600円)が用意されています。
論文式試験の合格発表を待つ段階なら、口述重要論点整理(全6回)と口述模試を足すのが最短の備えです。



編集部としては、初学者がいちばん迷うのは「1.5年本科生MAX」と「1.5年本科生」の66,000円差だと考えています。差額分で1年目から論文対策と論文答練が付き、1年目に受かれば未受講分が戻る設計なので、1年目の合格可能性をゼロと決めていないなら上位のMAXのほうが期待値は高くなります。逆に学習時間が平日1〜2時間しか取れないなら、段階型の1.5年本科生で無理なく回すほうが完走できます。
TAC弁理士の講師陣は誰が教える?担当科目と松宮ゼミ
TAC弁理士の通信講座は、小松純講師と齋藤晶子講師の2名が科目とフェーズを分担して収録を担当します。
1人の講師が全科目を通す講座と違い、インプットとアウトプットで担当が切り替わる構成です。
通信講座の収録担当は小松純講師と齋藤晶子講師
通信講座の収録担当は、逐条講義・論文講義・論文答練を小松純講師、基本講義・短答答練を齋藤晶子講師が受け持ちます。
| 講師 | 担当 | 講義の方針(公式サイトのコメントより) |
|---|---|---|
| 小松 純講師 | 逐条講義・論文講義・論文答練(通信収録) | 「足元をしっかりと確認する」。短答と論文に共通で問われる工業所有権法をまとめて学習する |
| 齋藤 晶子講師 | 基本講義・短答答練(通信収録) | 条文の知識と理解の完成度を上げることに軸を置き、同類項をグルーピングして知識を集約する |
| 松宮 一也講師 | 松宮ゼミ(渋谷校・教室講座) | 問答と論文過去問を繰り返し、短答から口述まで通用する条文力を鍛える |
合格体験記でも小松講師の講義について「語呂合わせや例示が豊富でわかりやすく、また要所要所で実務を交えた解説もある」(戸澤諒麻さん・上級論文本科生)という評価が挙がっています。
教室講座・ゼミを担当する校舎専任講師
校舎で実施する講座は、八重洲校の酒井俊之講師・菅沼和弘講師・加曽利正典講師、梅田校の北口里英講師・洲崎竜弥講師らが担当します。
北口講師は「勉強の進め方」「スケジュールの立案・確認・軌道修正」まで手伝う方針を掲げており、洲崎講師は時間をかけて正確に理解すべき事項とそうでない事項を分ける効率化を重視しています。
ただし本科生の受講形態はオンラインライブ通信講座とWeb通信講座の2つなので、校舎専任講師の講義を受けられるのは答練パック・単科・松宮ゼミを申し込んだ場合に限られます。
松宮ゼミは選抜試験に合格した35名程度だけの定員制ゼミ
松宮ゼミは、渋谷校で実施される定員35名程度の教室講座で、「松宮ゼミ説明会&選抜試験」に合格した方だけが申し込めます。
選抜試験の出題は論文問題1問(特許法・実用新案法)で、説明会と選抜試験そのものは参加無料・予約不要です。
| 形式・会場 | 教室講座/渋谷校/定員35名程度 |
|---|---|
| 日程 | 第1期 全11回(2026年10月〜12月)/第2期 全11回(2027年1月〜3月)/第3期 全8回(2027年4月〜5月)。通期一括で全30回 |
| 実施時間 | 毎週土曜予定 8:30〜12:00(一部13:00〜) |
| 内容 | 問答と論文過去問を徹底的に繰り返し、短答から口述までに必要な条文力を強化 |
| 申込方法 | 選抜試験の合格通知と受講料をTAC受付窓口へ持参。e受付・郵送・大学生協等代理店では申込不可 |
| 申込者特典 | プレゼミ(全2回)への参加とメールフォローサービス |
| 注意点 | 各種割引は一切適用できない/欠席フォロー制度は利用できない/第2期・第3期のみの申込は不可/自習室が使えるのは通期一括申込者のみ |
松宮ゼミを経験した合格者からは「予備知識なしで松宮ゼミに参加しましたが、論文不合格となった2年目3年目も、親身になって応援してくださる松宮先生のゼミで、継続してがんばろうと決めました」(A.Kさん)という声が出ています。
選抜制で割引も効かないぶんハードルは高いものの、論文が伸び悩んでいる受験経験者にとっては他社にない選択肢です。
TAC式デジタル論文添削システムの中身
TAC式デジタル論文添削システムは、論文答練と模試で提出した記述式答案を添削し、TAC WEB SCHOOL上で返却する仕組みです。
答案を郵送しなくてよいため、通信生でも提出から返却までがオンラインで完結します。
添削の目的は「他人に評価される答案」を書けるようにすること
TACは論文式試験を「採点種目」と位置づけ、自己評価がどんなに高い答案でも添削者に評価される答案を書けなければ合格できないと明言しています。
公式サイトは論文式試験の学習で最も重要な要素を「添削を受ける=他人に評価される」経験を数多く積むことだと説明し、「合格者からも高く評価されるTACの論文添削システム」と打ち出しています。
論文講義(全2回)では「①題意把握 → ②答案構成 → ③論文作成」というプロセス学習法で論文作成ノウハウをマニュアル化しており、添削で指摘を受ける前提の型がまず用意されている点が特徴です。
短答式についても短答解法マスター講義(全1回)が用意され、問題文読解・出題パターン分析・チェックリスト作成・照合と条文知識の当てはめ・解答根拠の選択と決定という5ステップで解答プロセスを型にします。
答練の回数がそのまま添削を受けられる回数になる
添削の回数はコースごとの論文答練・模試の回数で決まり、論文答練パックなら論文応用答練9回・論文的中答練6回・論文式全国公開模試2回の合計17回分の答案が対象になります。
本科生のカリキュラムには論文基礎答練(全3回)も含まれるため、書く機会はさらに増えます。
返却される解答は「模範答案」と「詳解」の2種類で、模範答案は本試験の時間と解答スペースでポイントを絞って書き切ることを意識した答案、詳解は必要な要素をすべて盛り込んだ答案です。
受験13回で合格した三橋央隆さんは「論文答練等は、模範答案とその詳解があり、その詳解から実際に書くべき優先事項の把握ができ」た点と、「答案返却時の総括的な講評により他の受講生とのレベル感を把握できた」点を挙げています。
個人別成績表と総合成績表で弱点を可視化する
答練・模試を受けたあとは、個人別成績表と総合成績表の2種類の成績表が出ます。
TACは各種の成績データに基づいて今後の学習の指針を明確化したり、自分の弱点を見つけたりできるツールとして位置づけています。
横山碧さんは答練の成績について「点数の推移や順位を知ることで、復習に身が入りました」と振り返っています。
答練の各回では点数が伸びず焦りもあったとも書かれており、成績表は落ち込みを確認する道具ではなく復習の優先順位を決める材料になります。
TACの答練・全国公開模試・口述模試は何回受けられる?
TACの答練と模試は、短答答練パックが全13回、論文答練パックが全17回で、それぞれに全国公開模試(短答式3回・論文式2回)が含まれます。
TACは戦略的カリキュラムを「①基本講義・逐条講義 ②論文講義 ③各種答案練習、全国公開模試」の3段階と定義しており、模試はオプションではなくカリキュラムの一部です。
短答答練パックは全13回(短答応用答練6回・短答的中答練4回・模試3回)
短答答練パックは、2027年1月開講の全13回で、演習だけに集中する受験経験者向けの構成です。
| 内訳 | 回数 | 内容 |
|---|---|---|
| 短答応用答練 | 全6回 | 短答式試験と同レベルの問題を科目ごとに実施(特許法・実用新案法2回/意匠法1回/商標法1回/条約1回/不正競争防止法・著作権法1回) |
| 短答的中答練 | 全4回 | 出題範囲を全科目にし、多種多様な出題形式を取り入れた総合形式 |
| 短答式全国公開模試 | 全3回 | 短答式試験と同一形式・同一内容。解答・解説冊子とWeb解説講義つき |
解説冊子には問題の重要度が★で示され、法改正の有無と過去類題の情報も付くため、復習の優先順位を付けやすくなっています。
論文答練パックは全17回(論文応用答練9回・論文的中答練6回・模試2回)
論文答練パックは全17回で、必須論文式の答案を書く機会をまとめて確保するパックです。
| 内訳 | 回数 | 内容 |
|---|---|---|
| 論文応用答練 | 全9回 | 出題者の意図や記載すべき内容の判断、結論までの筋道など論述力を養う(特許法・実用新案法3回/意匠法3回/商標法3回) |
| 論文的中答練 | 全6回 | 高いレベルを想定した問題で本試験以上の負荷をかけて総仕上げ(特許法・実用新案法2回/意匠法2回/商標法2回) |
| 論文式全国公開模試 | 全2回 | 論文式試験と同一形式・同一内容。解答・解説冊子とWeb解説講義つき |
問題には「出題の意図」「論点」「参考文献」が添えられ、答案を書いたあとに何を確認すべきかが示されます。
全国公開模試は短答式3回・論文式2回で本試験と同一形式
全国公開模試は短答式が全3回、論文式が全2回で、いずれも本試験と同一形式・同一内容で実施されます。
詳細な解答・解説冊子に加えてWeb解説講義が付くため、受け終わったあとの復習まで教材として使えます。
本科生(1.5年本科生MAX・1.5年本科生・8ヵ月本科生)は短答式3回と論文式2回の両方、短答本科生は短答式3回がカリキュラムに含まれています。
TACは教材について「令和7年度本試験も的中が続出」と公表しており、短答式・論文式(必須)それぞれの的中例を公式サイトで公開しています。
全国公開模試は自宅受験と会場受験のどちらも選べる
全国公開模試は通信生でも会場(教室)で受験できます。
模試の受け方についての合格者の声



模試は、通信生でも教室受験が選べたので、本番環境を模して解答するために教室で受験しました。自宅受験をしていた答練では、甘えも出てしまい、時間いっぱいまで見直しすることがなかったですが、模試では、他の受験生がいる環境で受験することで、自分に厳しく、本番さながらの時間配分で解くことができてよかったです。
引用元:【TAC公式 合格体験記|横山碧さん(8ヵ月本科生)】
受験13回で合格した三橋央隆さんも「模試は、自宅等ではなく必ず試験会場で受けるようにしていました」と書いており、会場受験を本番の予習として使う受け方が定着しています。
一方でH.Wさんのように短答模試・論文模試を自宅で受け、模試受験後にすぐ自己添削をして模範解答の型を繰り返し練習した合格者もいました。
口述重要論点整理と口述模試で最終関門に備える
口述試験の対策として、TACは口述重要論点整理(全6回)と完全個別面接方式の口述模試を用意しています。
口述重要論点整理では、頻出論点と条文の解説に加えて、暗記すべき条文や工業所有権法逐条解説(青本)・審査基準・判例の記載の捉え方、さらに「答え方のツボ」「対処法」「面接マナーや心構え」まで解説の範囲に含まれます。
| 方式 | 完全個別面接方式。本試験同様、試験官と2対1での問答(一部会場・一部の時間帯は1対1) |
|---|---|
| 進行 | 特許法・実用新案法(10分)→意匠法(10分)→商標法(10分)。科目ごとに割り振られた3教室を回る |
| 実施日・定員 | TAC八重洲校 10月3日(土)39名/TAC水道橋校 10月4日(日)39名/TAC梅田校 10月4日(日)27名 |
| 予約 | 完全予約制。予約開始は9月18日(金)。多くの方が受講できるよう1人1枠のみ |
| 受講料 | 13,200円(予定・教材費と消費税10%込み)。入会金は不要 |
| 特典 | 「口述模試採点シート」による講評/TACオリジナル「口述予想問題集(非売品)」プレゼント |
| 持参物 | 自身の法文集(会場での貸出しは行わない)・筆記用具・本試験受験番号の控え |
口述模試の価値は「知識」より「形式慣れ」にあり、H.Wさんは「口述模試にて、特に作法面(法文集の参照の際の声がけ等)について、一度練習をしておけたことは非常に有難かったです」と書いています。
\答練と模試の量で合格に近づく/
TAC弁理士の口コミ・評判


TAC弁理士の評価は「カリキュラムが明快で迷わない」「論文添削の指摘が具体的」「自習室が使える」に集まり、指摘が出るのは受講料と質問回数の上限です。
公式サイトには令和7年度(2025年度)合格者の合格体験記が11名分掲載されており、受講コース・受験回数・1日の平均学習時間まで公開されています。
TAC弁理士の良い口コミ
良い評価で目立つのは、コース数が少なくやることが決まっている点と、添削の指摘が具体的である点です。
TAC弁理士受講者の良い口コミ



講義では、各回のはじめに、その回の中で条文の重要度を明示していただけたので、初学者でも条文の出題傾向の軽重を意識した学習ができました。
引用元:【TAC公式 合格体験記|横山碧さん(8ヵ月本科生・受験1回)】



論文添削はかなり細かい点まで丁寧に見ていただき、どう書けば点数が伸びるのか、この答案では何が足りないのかについて具体的な指摘を受けることができました。わかったつもりでもきちんと答案に盛り込めていない部分というのは必ずあるので、そうした点を客観的に指導してもらえることは点数アップの一番の近道だと思います。
引用元:【TAC公式 合格体験記|戸澤諒麻さん(上級論文本科生・受験5回)】



選んだ理由は、①TACの知名度、これまでの実績、ブランド力を有すること、②自習室を利用できること、③最初は、TAC大宮校でDVD講座をとっており通学にも便利だったこと
引用元:【TAC公式 合格体験記|三橋央隆さん(上級論文本科生・受験13回)】
ほかにも「TACはいい意味でコースの数が少なく、何に取り組めばよいか(カリキュラム)が明確であった」(M.Iさん)という選定理由が挙がっています。
他の受験機関はコースが多く、どれを選べばよいか不明確だったという比較を経てTACに決めた、という経緯です。
教材について論文本科生のH.Wさんは「基本講義テキストの1種類の教材で完結できてしまうことが何よりもすごいところです」と書いています。
短答式と論文式の受験は基本講義テキストと過去問集だけで必要十分な作りになっている、という評価です。
上級本科生の嶋本匠吾さんは、独学時代にTACの「エレメンツ」シリーズを使っていたことがTACを候補に入れた理由だと述べており、教材の認知が入口になっているケースもあります。
TAC弁理士の気になる口コミ・注意点
気になる点として最も多く挙がるのは受講料の水準で、次に答練の難易度が初学者には厳しいという指摘です。
受験1回で合格した横山碧さんも「論文答練はほとんどが本番レベルの難易度で、書き方がわかっていない初学者には大変難しいものでしたが、毎回丁寧な添削が返ってくるため、回を重ねるごとに書き方が身についていきました」と、難しさと成果の両方を書いています。
料金については、論文本科生のH.Wさんが「比較的受講料も良心的で、再受講割引等も用意されていることで継続がしやすかったです」と評価している一方、これは再受講割引を使った受験経験者の感想である点に注意が必要です。
また合格体験記に載っている令和7年度合格者の受験回数は1回・2回・5回・13回とばらつきが大きく、TACに申し込めば短期で受かるという話ではありません。
公式サイト以外の口コミについては、TAC弁理士講座を対象にした口コミ投稿サイトのページが見つからず、SNS上の投稿も弁理士講座に限ると数が少ないため、この記事では公式の合格体験記を出典として引用しています。



合格体験記を通しで読んで編集部が気づいたのは、TACを選んだ理由として「自習室」と「コース数が少なくて迷わない」が繰り返し挙がることです。裏を返せば、自宅で集中できて自分でカリキュラムを組める方にとっては、TACの価格差のうちかなりの部分が使われないまま終わります。校舎に通える距離に住んでいるかどうかが、この講座のコスパを大きく左右します。
TAC弁理士の5つの強み


TAC弁理士の強みは、週1回〜2回で回るカリキュラムに、答練・模試・添削・自習室・返金制度までを一式で組み込んでいる点に集約されます。
公式サイトの記載と合格体験記から確認できる強みを5つに分けて解説します。
強み1:週1回〜2回で回る戦略的カリキュラムと短答⇔論文ハイブリッド学習
TACは従来120回〜130回を超えていた弁理士試験対策のカリキュラムを、週1回〜2回(1日2コマ)で学習できる戦略的カリキュラムに組み替えています。
従来のカリキュラムは週3回程度の受講が必要で、忙しい社会人受験生には時間的にも効率的にも負担が大きいという課題があったと公式サイトは説明しています。
中核になるのが「短答⇔論文ハイブリッド学習システム」で、短答と論文のインプットに必要な論点を基本講義テキスト(逐条編)に一元化し、条文の要件と効果を学びながら関連する規定趣旨・論点・判例まで同時に学べる作りです。
2年計画で受講した中村努さんは「私は2年連続で基本講義(逐条編)を受講し当然ながら内容は重複していましたが、決して無駄ではなく重複するからこそ基礎力を蓄えることができた」と述べています。
強み2:教材はELEMENTSと逐条編テキストで完結する
TAC弁理士の教材は、全体像をつかむELEMENTSシリーズと、細部を詰める基本講義テキスト(逐条編)の2層構造です。
- ELEMENTS1:特許法/実用新案法(第10版)
- ELEMENTS2:意匠法/商標法(第9版)
- ELEMENTS3:条約/不正競争防止法/著作権法(第9版)
- 基本講義テキスト(逐条編):特許法/実用新案法、意匠法/商標法、条約/不正競争防止法/著作権法の3冊
- 基本講義テキスト(論文編):1冊
逐条編テキストは条文ごとに重要度が★で示され、戸澤諒麻さんによれば「短答重要度」と「論文重要度」の2種類が条文毎に表示されているため、短答学習中でも論文の頻出論点を確認しながら進められます。
横山碧さんは枝別過去問集についても「枝ごとの解説も丁寧で、年度別過去問などより手軽に繰り返しやすく、体系別になっているため、講義のペースに合わせて適宜活用することができました」と書いています。
強み3:答練と全国公開模試の物量、そして的中実績
短答答練パック13回・論文答練パック17回に加え、本科生は短答基礎答練5回・論文基礎答練3回も受けられるため、答案を書く回数は通信専業の講座より多くなります。
短答の答練と模試は、法改正や最新の判例から出題される可能性のある論点をすべて抽出し、あらゆる角度から問われても対応できるように構成されているとTACは説明しています。
論文の答練と模試は、論文式試験だけでなく短答式試験・口述試験の情報まで分析し、回を重ねるごとに理解度が高まるよう出題順序まで配慮して出題されます。
強み4:通信生も使える全国の自習室とオンライン自習室
TACの自習室は、本科生・パック生であれば通学生と通信生の区別なく、受講期間内は全国の校舎を利用できます。
校舎が近くにない方に向けては、株式会社Herazikaが提供するオンライン自習室「Herazika」を無料で利用できる仕組みも用意されています。
戸澤諒麻さんは「私は家にいると集中できないタイプのため、主に土日はTACの自習室で一日中過ごして勉強していました」と、自習室を学習ペースの土台にしていたと述べています。
ただし単科・オプション・公開模試のみを申し込んだ場合と、松宮ゼミを単期で申し込んだ場合は自習室を利用できません。
強み5:合格返金制度・合格祝い金・短答無料再受講制度
TAC弁理士には、論文式試験の合格発表を待つ期間の学習を支える合格返金制度があります。
令和8年度論文式試験を受験した方が対象で、論文式試験に合格した場合は支払った受講料の全額(振込手数料を除く)が返金される仕組みです。
論文式試験は相対評価のため合格発表日まで合否が分からず、その期間に学習を止めると知識が薄れてしまうという課題への対応だとTACは説明しています。
加えて1.5年本科生MAXには1年目合格で未受講分が戻る合格祝い金、1.5年本科生MAXと1.5年本科生には短答無料再受講制度が付帯します。
TAC弁理士の3つの弱み


TAC弁理士で申込前に確認しておきたい弱点は、受講料の水準・受講形態が通信2つに限られること・受講生合格率が非公表であることの3つです。
弱み1:業界最高水準の受講料
初学者向けの1.5年本科生MAXは561,000円(オンラインライブ通信講座)で、スタディングの基礎・短答・論文総合コース99,000円やアガルートの論文添削あり総合カリキュラム272,800円(セール中は245,520円)と比べると2倍から5倍以上の価格帯です。
差額の中身は答練・模試の回数と添削、自習室、複数講師の分担指導なので、演習量を買うつもりがない方には割高になります。
予備校費用そのものを見直したい場合は、弁理士試験は独学で合格できるかの記事で市販テキストだけで進める場合の負荷と併せて検討してみてください。
なお受験経験者は受験経験者割引または再受講割引が使えるため、上級本科生のWeb通信講座なら264,000円から286,000円まで下がります。
弱み2:本科生は通信2形態のみで、質問メールにも上限がある
TAC弁理士の本科生は、オンラインライブ通信講座とWeb通信講座の2形態しかなく、講義を教室で受ける選択肢がありません。
校舎の教室で講義を受けたい場合は、答練パック・単科・民法トータルパックか、選抜試験のある松宮ゼミを選ぶことになります。
質問はWebschool内の質問メールで無料で送れますが、本科生は50回・パック生は20回までという上限が設けられています。
視聴期間中の質問を無制限に近い形で受け付けている通信講座と比べると、回数を意識しながら使う設計です。
ただしオンラインライブ通信講座ではライブ配信講義後に質疑応答の時間が取られ、講師と直接やりとりできるため、メールの回数を消費せずに疑問を解消できます。
弱み3:受講生合格率を公表していない
TACは弁理士講座について「TAC受講生の合格率」という数値を公表していません。
受講生合格率38.46%を前面に出すアガルートと比べると、数字で比較したい方には物足りない材料になります。
合格率は分母の取り方で大きく変わる指標なので、TACの場合は合格体験記に書かれた受講コース・受験回数・学習時間から自分に近い事例を探すほうが実際の判断材料になります。
教育訓練給付金・割引でTAC弁理士はどこまで安くなる?
TAC弁理士で一般教育訓練給付制度が使えるのは、コース・料金・日程表に掲載されている現行コースのうち上級本科生のWeb通信講座(440,000円)と上級論文本科生のWeb通信講座(242,000円)だけです。
上級本科生と上級論文本科生以外のコースは、期間限定のキャンペーンと通年の割引制度で受講料を下げる形になります。
一般教育訓練給付金の対象は上級本科生と上級論文本科生のWeb通信講座だけ
TACの公式サイトは「上級本科生と上級論文本科生のWeb通信講座のみが対象です」と明記しています。
上級本科生と上級論文本科生のページには「オンラインライブ通信講座は対象ではありません」という注記も併記されています。
一般教育訓練給付制度で支給されるのは受講費用の20%(上限10万円)で、受講料の支払い後に本人がハローワークへ申請する仕組みです。
支給には雇用保険の加入期間などの本人要件に加えて、TACの修了要件(修了試験の正答率60%以上、通信は答案提出率80%以上)をすべて満たす必要があるため、条件を満たせるかを申込前に確認してください。
見落としやすい注意点として、TACは全国公開模試(短答式・論文式)は教育訓練給付制度上のカリキュラムに含まれず、出席率や添削答案提出率には算定されないと案内しています。
模試を受けても提出率の分母・分子には入らないため、修了要件は答練の答案提出で満たす計算になります。
早割・U35割引・受験生応援キャンペーンの期限
初学者向けコースには、早割・U35割引・受験生応援キャンペーンが期限つきで用意されています。
| コース名 | 早割受講料 | U35割引受講料 | そのほかの割引 |
|---|---|---|---|
| 1.5年本科生MAX | 451,000円〜 | 424,000円〜 | 受験生応援キャンペーン対象 |
| 1.5年本科生 | 385,000円〜 | 358,000円〜 | 受験生応援キャンペーン対象 |
| 8ヵ月本科生 | 319,000円〜 | 295,000円〜 | 受験経験者割引 241,450円〜/再受講割引 222,200円〜 |
U35割引は講座申込時点で35歳以下の方が対象で、民法トータルパックの早割は10月31日までです。
再受講割引・受験経験者割引・他資格合格者割引
通年の割引制度は、再受講割引・受験経験者割引・他資格合格者割引の3つです。
- 再受講割引:2026年目標以前にTAC弁理士講座(本科生・パック生)を受講した方が対象。会員証の提示が必要
- 受験経験者割引:2026年以前の弁理士本試験を受験した方が対象(再受講割引の対象者は除く)。本試験の受験票または成績通知表のコピーが必要
- 他資格合格者割引:ほかの資格に合格している方が対象
いずれの割引も他の割引制度(入会金免除券を除く)との併用はできず、株主優待も適用されません。
通常受講料で申し込んだあとに割引対象だと申し出ても差額は返金されないため、申込前に該当するかを確認しておく必要があります。
再受講割引・受験経験者割引の申込は、TAC各校受付・郵送・e受付のみで受け付けており、大学生協等の代理店では申し込めません。



【編集部より】給付金の話で見落とされやすいのは、対象が上級本科生と上級論文本科生のWeb通信講座に限られる点です。初学者向けの1.5年本科生MAXや8ヵ月本科生は制度の対象外なので、初学者は給付金を当て込まず、早割とU35割引を期限内に押さえるほうが確実に下げられます。上級本科生または上級論文本科生で制度を使う場合も、全国公開模試は修了要件の算定に入らないため、答練の答案提出率で80%を満たす前提で受講計画を組む必要があります。
TACと他社4社をどう使い分けるか


TACが向くのは「答練と添削の量を買いたい人」で、価格を優先するならスタディング、公表合格率を重視するならアガルートが候補になります。
各社の詳細はそれぞれのレビュー記事に譲り、ここではTACを選ぶかどうかの判断に必要な範囲だけを横並びにします。
弁理士講座5社の比較表
弁理士試験でよく比較される5社を、受講料・学習スタイル・論文添削・合格実績・給付金・返金特典の6項目でまとめました。
| 項目 | TAC | スタディング | アガルート | LEC | 資格スクエア |
|---|---|---|---|---|---|
| 主要コースの 受講料(税込) | 495,000円(1.5年本科生/オンラインライブ通信講座・Web通信は473,000円) | 99,000円(基礎・短答・論文総合コース) | 272,800円(論文添削あり総合カリキュラム/~10/18までセール中は245,520円) | 515,000円(1年合格ベーシックコース) | 237,600円〜335,500円(基礎・短答・論文パック/27年度は~9/15までキャンペーン中166,320円) |
| 学習スタイル | オンラインライブ通信/Web通信+全国の自習室 | スマホ完結(デジタル) | オンライン中心(紙+デジタル) | 通学/LIVE中継/Web | オンライン中心 |
| 論文添削 | TAC式デジタル論文添削。論文答練パックは全17回分の答案が対象 | 総合コースは添削なし。論文添削・個別指導付コース(272,000円)で対応 | 論文添削あり総合カリキュラム | 添削あり | 論文添削あり |
| 公表している 合格実績 | 公表なし(合格体験記のみ) | 公表なし | 受講生合格率38.46% | 2017〜2025年度の初回受験合格者247名のうち186名がLEC弁理士試験対策コース出身 | 公表なし(96.4%は講師満足度) |
| 教育訓練給付金 | 上級本科生と上級論文本科生のWeb通信講座が対象 | 対象外 | 対象外 | 弁理士合格ベーシックコースの3形態が対象 | 対象外 |
| 合格時の返金・特典 | 合格返金制度(令和8年度論文式試験の合格で受講料全額返金) | 合格お祝い金10,000円 | 全額返金またはお祝い金30,000円 | 論文式筆記試験合格者 受講料返還制度 | 合格者全額返金制度 |
価格帯はスタディングが最も安く、資格スクエアとアガルートが中間、TACとLECが最上位という構図です。
TACを選ぶ場面と、他社に切り替えたほうがいい場面
TACが最も力を発揮するのは、答練と論文添削を多く受けたい方と、自習室を学習ペースの土台にしたい方です。
費用を10万円前後に抑えてスマホ1台で完結させたい方は、基礎・短答・論文総合コースが99,000円のスタディングが合います(詳細はスタディング弁理士の評判で解説しています)。
公表合格率と全額返金の合格特典で選びたい方は、受講生合格率38.46%を公表するアガルートが候補になります(アガルート弁理士の評判で詳しく取り上げました)。
講義そのものを教室やLIVE中継で受けたい方は、通学クラスを持ち給付金対象コースも3形態あるLECのほうが条件に合います(LEC弁理士の評判を参照してください)。
質問回数を気にせず使いたい方や、講師との伴走を重視する方には資格スクエアが向きます(資格スクエア弁理士の口コミにまとめています)。
TAC弁理士に向いている人・向いていない人


TAC弁理士は「演習量と添削にお金を払う価値を感じられるか」で向き不向きが分かれます。
強みと弱みを踏まえて、向いている方と向いていない方を整理しました。
TAC弁理士に向いている人
TAC弁理士が特にフィットするのは、以下のような方です。
- 論文答練と添削を数多く受けて記述力を鍛えたい方
- 本試験と同一形式の全国公開模試を会場で受けたい方
- 自宅では集中できず、校舎の自習室を使いたい方
- コースが少なく、やることが決まっているほうが進めやすい方
- 短答と論文を同時に学んで最終合格までの年数を縮めたい方
- 1年目に受かれば未受講分が戻る仕組みを活かしたい方
- 受験経験者で、受験経験者割引や給付金を使ってコストを抑えたい方
- 口述試験まで面倒を見てくれる講座を探している方
とりわけ論文式試験で伸び悩んでいる受験経験者には、上級本科生・論文本科生・論文答練パック・松宮ゼミと段階の異なる打ち手が揃っている点が効きます。
TAC弁理士に向いていない人
逆に、以下のような方は他社のほうがフィットする可能性があります。
- 受講料を10万円前後に抑えたい方(スタディング向き)
- 講義そのものを教室やLIVE中継で受けたい方(LEC向き)
- 質問を回数制限なしで送りたい方(資格スクエア向き)
- 講座選びを公表合格率の数字で決めたい方(アガルート向き)
- 答練や模試は使わず、講義とテキストだけで進めたい方
- 校舎に通える距離ではなく、自習室を使う予定がない方
費用がネックだが答練と添削は欲しいという場合は、給付金対象の上級本科生と上級論文本科生Web通信講座を選ぶか、本科生ではなく答練パックを単独で申し込むのが現実的な折衷案です。
TAC弁理士のよくある質問
TAC弁理士講座について、受講を検討している方からよく挙がる質問にお答えします。
オンラインライブ通信講座とWeb通信講座はどちらを選べばいいですか
講義内容は同一で、オンラインライブ通信講座はWeb通信講座の講義をライブ配信したものです。
ライブ配信後に質疑応答の時間があり、質問メールの回数を消費せずに疑問を解消できるのがオンラインライブ通信講座の利点です。
一方でWeb通信講座は受講料が11,000円から22,000円ほど安く、上級本科生と上級論文本科生では給付金の対象になるのはWeb通信講座だけなので、費用を優先するならWeb通信講座を選ぶことになります。
教育訓練給付金はどのコースで使えますか
コース・料金・日程表に掲載されている現行コースのうち、一般教育訓練給付制度の対象は上級本科生のWeb通信講座(440,000円)と上級論文本科生のWeb通信講座(242,000円)だけです。
公式サイトは「オンラインライブ通信講座は対象ではありません」と明記しているため、同じ上級本科生と上級論文本科生でも受講形態を間違えると対象外になります。
支給額は受講費用の20%(上限10万円)で、修了試験の正答率60%以上と答案提出率80%以上を満たす必要があります。
全国公開模試だけを単独で申し込めますか
短答式・論文式の全国公開模試は、本科生や答練パックのカリキュラムに含まれる形で提供されています。
コース・料金・日程表には模試を単独で申し込む商品は掲載されておらず、必要な答練だけを選ぶ場合は単科(アウトプット)を利用します。
口述模試は例外で、入会金なしの単独申込(13,200円・予定)ができます。
松宮ゼミは誰でも申し込めますか
松宮ゼミは「松宮ゼミ説明会&選抜試験」に合格した方だけが申し込めます。
説明会と選抜試験は参加無料・予約不要で渋谷校で実施され、選抜試験の出題は論文問題1問(特許法・実用新案法)です。
申込はTAC受付窓口のみで、各種割引は一切適用できません。
仕事と両立しながら合格できますか
TACの戦略的カリキュラムは週1回〜2回(1日2コマ)で回る設計で、従来の週3回程度のカリキュラムより社会人の負担を抑えています。
令和7年度合格者の1日の平均学習時間は、入門期から基礎期で平日1時間から5時間と幅があり、直前期に増やす形が一般的です。
学習時間を平準化したい場合は、1年目に短答式、2年目に必須論文式と分ける1.5年本科生が組みやすくなります。
無料体験では何ができますか
TACは「校舎で無料体験受講」と「Webで無料体験受講」の2通りの体験受講を用意しています。
加えて無料公開セミナー・講座説明会を毎月実施しており、オンライン受講相談や動画で見るセミナー&体験講義も利用できます。
オンラインライブ通信講座は開講日に無料体験入学ができるため、ライブ講義の雰囲気を申込前に確かめられます。
申し込み方法と入会金について教えてください
申込方法はTAC受付窓口・インターネット(e受付)・郵送・大学生協等代理店の4種類です。
0から始まる会員番号を持っていない方は、受講料のほかに入会金10,000円(税込)が必要になります。
無料の講座説明会に参加すると入会金の免除券がもらえるほか、再受講割引・受験経験者割引はTAC各校受付・郵送・e受付のみの受付なので、代理店では申し込めない点に注意してください。
まとめ:TAC弁理士は「答練と論文添削の量」で選ぶ講座
TAC弁理士講座は、短答答練13回・論文答練17回・全国公開模試5回という演習量とTAC式デジタル論文添削を中心に据えた、通信主体の弁理士試験対策講座です。
受講形態はオンラインライブ通信講座とWeb通信講座の2つで、講義を教室で受ける選択肢はないかわりに、通信生でも全国の自習室とオンライン自習室を使えます。
初学者向けの通常受講料は短答本科生の308,000円(Web通信講座)から1.5年本科生MAXの561,000円(オンラインライブ通信講座)までで、入会金10,000円が別途かかります。
費用を抑える手段は、10月31日までの秋の早割・受験生応援キャンペーン、U35割引、通年の受験経験者割引・再受講割引、そして上級本科生と上級論文本科生のWeb通信講座に使える一般教育訓練給付金(受講費用の20%・上限10万円)です。
論文式試験に合格すれば受講料が全額戻る合格返金制度と、1.5年本科生MAXの合格祝い金・短答無料再受講制度が、長期戦になりやすい弁理士試験の安心材料になります。
一方で受講生合格率は公表されておらず、質問メールも本科生50回・パック生20回までなので、数字で比較したい方や質問を無制限に使いたい方には物足りない部分が残ります。
申込前には無料体験受講と無料講座説明会で講師・教材・答練のレベルを確かめ、答練と添削の量に受講料を払う価値があるかを自分の学習スタイルに当てて判断してみてください。
\まずは無料体験で講義を確かめる/

