社労士試験の難易度は、合格率5〜7%・推定偏差値65前後の「難関」です。
直近の第57回(令和7年度)は受験者43,421人に対し合格者2,376人で、合格率は5.5%でした。
ただし社労士試験は、司法書士や公認会計士のような数千時間規模の最難関資格とは性質が異なります。
合格に必要な勉強時間の目安は800〜1,000時間で、令和7年度の合格者は58.4%が会社員でした。
働きながら合格している人が大半という点が、この試験の実像です。
この記事では、公式が公表している過去10年の推移と令和7年度の合格基準をもとに、難易度の中身を分解します。
講座選びまで含めて検討したい方は社労士の通信講座比較もあわせてご覧ください。
編集部【編集部より】社労士の合格率は過去10年で4.4〜7.9%と1.8倍ぶれています。令和7年度は4科目で基準点が引き下げられており、合格率の上下は受験者の質より出題の難易度で動いていると考えられます。年度の当たり外れがある前提で、全科目の基準点を確保する設計にしておくのが安全です。
社労士試験対策 おすすめ通信講座 3選
| 通信講座 | 特徴 |
|---|---|
| アガルート | 受講者合格率29.45%(全国平均の約5.4倍)/合格でお祝い金3万円か全額返金を選べる(フルのカリキュラムが対象) |
| スタディング | カリキュラム修了者の合格率63.16%/社労士合格コース フル89,800円(2026年9月30日まで78,800円)/スマホ完結でスキマ時間に学べる |
| クレアール | 質問が無料・回数無制限/一発ストレート合格パーフェクトコース192,000円(8月割引価格は96,000円)/教育訓練給付対象 |


アガルート社労士講座では、2027年合格目標の対象カリキュラムが10%OFFになる早期キャンペーンを実施中です。
2026年10月29日までの期間限定キャンペーンですので、ぜひチェックしてみてください。
この記事の監修者


徳永 浩光
国家資格キャリアコンサルタント(登録番号:21028809)
大手から中小企業まで規模を問わず、キャリア支援制度の導入・人材教育・個人の相談業務に従事。「計画的偶発性理論」を重視したキャリア形成支援を行うほか、資格・教育分野の専門サイト監修を多数担当。企業研修や教育実務、ウェブメディア運営の知見を活かして情報発信しています。


難関試験だからこそ講座選びが効きます。
当サイトのリンクからアガルートの社労士講座に申し込むと、Amazonギフト券3,000円分がもらえます。
対象は2027年合格目標のカリキュラム6つで、締め切りは2026年10月31日(土)です(対象講座と受け取り方)。
【結論】社労士試験の難易度は「難関」|合格率5〜7%・推定偏差値65前後


社労士試験の難易度は、国家資格のなかでも難関ランクに分類されます。
合格率は例年5〜7%で推移しており、過去10年で一度も10%を超えていません。
令和7年度の合格率5.5%は、おおよそ20人に1人しか受からない水準です。
公表されている推定偏差値は64〜68と幅があり、この数字の読み方には注意点があります(詳しくは偏差値の章で解説します)。
一方で、勉強時間の目安は800〜1,000時間と、数千時間規模の最難関資格の3分の1程度にとどまります。
範囲は広いものの、計画的に積み上げれば働きながらでも狙える難関資格、というのが実態に近い評価です。
社労士試験が難関とされる主な理由
社労士試験の難しさは、合格率の低さだけで説明できるものではありません。
次の3点が複合的に作用しています。
- 科目数が多い:全10科目から出題され、労働関係・社会保険関係の幅広い知識が必要
- 選択式の「足切り」がある:合計点に余裕があっても、基準点に届かない科目が1つあればその年は不合格
- 年1回・一発勝負:受験機会は年1回のみで、科目合格の持ち越しがないため毎年すべての科目を仕上げ直す必要がある
範囲の広さと取りこぼしの許されなさ、この2つが同時に課されるところに社労士試験の難しさがあります。
合格率で見る難易度|過去10年の推移と「なぜ低いのか」


社労士試験の合格率は、過去10年で4.4〜7.9%の範囲を動いています。
社会保険労務士試験オフィシャルサイトが公表している実数から、推移を見ていきます。
社労士試験 合格率の推移(過去10年)
過去10年の受験者数・合格者数は次のとおりです。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度(2025年) | 43,421人 | 2,376人 | 5.5% |
| 令和6年度(2024年) | 43,174人 | 2,974人 | 6.9% |
| 令和5年度(2023年) | 42,741人 | 2,720人 | 6.4% |
| 令和4年度(2022年) | 40,633人 | 2,134人 | 5.3% |
| 令和3年度(2021年) | 37,306人 | 2,937人 | 7.9% |
| 令和2年度(2020年) | 34,845人 | 2,237人 | 6.4% |
| 令和元年度(2019年) | 38,428人 | 2,525人 | 6.6% |
| 平成30年度(2018年) | 38,427人 | 2,413人 | 6.3% |
| 平成29年度(2017年) | 38,685人 | 2,613人 | 6.8% |
| 平成28年度(2016年) | 39,972人 | 1,770人 | 4.4% |
10年間の最低は平成28年度の4.4%、最高は令和3年度の7.9%です。
振れ幅は3.5ポイントあり、受ける年によって通りやすさが変わります。
受験者数は令和2年度の34,845人を底に4年連続で増え、令和7年度は43,421人まで戻りました。
令和6年度の6.9%から令和7年度の5.5%へ1.4ポイント下がったのも、この振れ幅の範囲内の動きです。
年度ごとの難化・易化はどう見ればいい?
年度ごとの難化・易化は、合格率だけでなく合格基準が補正されたかどうかとセットで見ると判断できます。
社労士試験には「何点取れば必ず受かる」という固定ラインがありません。
総得点の合格ラインと科目ごとの基準点は、その年の出来に応じて動きます。
令和7年度について、試験センターは合格基準を示したうえで「上記合格基準は、試験の難易度に差が生じたことから、昨年度試験の合格基準を補正したものである」と明記しました。
つまり基準点が下げられた科目は、公式に「その年は難しかった」と認められた科目ということになります。
合格率が下がった年に何科目補正されたかを見れば、その年の体感難易度をかなり正確につかめます。
令和7年度に実際どの科目が補正されたかは、合格基準と救済の章で具体的に見ていきます。
合格率5%台が意味すること
合格率5%台という数字は、そのまま「受験者の20人に19人が落ちる」ことを意味します。
ただしこの分母には、働きながら独学で挑戦し、十分な対策ができないまま当日を迎える層も一定数含まれます。
学習量を確保して臨んだ受験者に限れば、実質的な合格率は見かけの5%台より高くなると考えられます。
実際、通信講座各社が公表する受講者合格率は全国平均を大きく上回ります。
ただし各社の合格率は分母の取り方(受講者全体か、カリキュラム修了者か、アンケート回答者か)が異なるため、社をまたいだ単純比較には向きません。
偏差値で見る難易度|「65前後」という数字の意味と限界
社労士試験の推定偏差値は、公表元によって64〜68と幅があります。
スタディングは合格率6〜7%から逆算して64〜65程度とし、伊藤塾は「予備校や資格情報サイトでは偏差値68前後と紹介されることが多い」としています。
いずれも実測値ではなく、合格率からの逆算です。
算出の根拠と限界を知っておくと、他資格や大学受験と比べるときに読み違えずに済みます。
推定偏差値はどう算出されているのか
資格の偏差値は、合格率を「上位何%に入る必要があるか」に置き換えて算出されています。
得点が正規分布すると仮定した場合、上位5%に入るラインが偏差値66.4、上位7%なら64.8にあたります。
社労士試験の合格率5〜7%をあてはめると、おおよそ偏差値65前後という数字になります。
64〜68という幅が生まれるのは、逆算に使う合格率の範囲と、受験者層をどう見積もるかが公表元ごとに違うためです。
公式が偏差値を公表しているわけではなく、あくまで各社が便宜的に示している目安です。
大学受験の偏差値と同じに見てはいけない理由
資格試験の推定偏差値を大学受験の偏差値と並べて比べることはできません。
偏差値は「誰と比べた順位か」で意味が変わる指標だからです。
社労士試験には受験資格があり、大学・短大・高等専門学校の卒業、実務経験3年以上、または国家試験合格のいずれかを満たした人しか受けられません。
母集団があらかじめ選抜されている試験で上位7%に入ることと、受験者層の幅が広い試験で上位7%に入ることは、同じ難しさではありません。
さらに社労士試験の受験者は、令和7年度の合格者の職業別割合が示すとおり社会人が中心です。
働きながら学習時間を捻出できるかという条件も加わるため、学力だけを測る大学受験の偏差値とは前提が違います。
「偏差値64〜65」は難易度のイメージをつかむ目安として使い、資格同士の優劣を確定する数字としては扱わないのが妥当です。
他の資格と比べてどのくらい難しい?主要11資格の合格率


社労士の合格率5.5%は、主要な国家資格・検定のなかでも低い部類に入ります。
直近年度の公式発表をもとに、合格率の低い順に並べました。
主要資格の合格率一覧(直近年度・公式発表)
合格率の低い順に、主要な国家資格・検定を並べました。
| 資格 | 合格率 | 年度 | 実施団体 |
|---|---|---|---|
| 司法書士 | 5.2% | 令和7年度 | 法務省 |
| 社労士 | 5.5% | 令和7年度 | 社会保険労務士試験オフィシャルサイト |
| 弁理士 | 6.4% | 令和7年度 | 特許庁 |
| 公認会計士 | 7.4% | 令和7年 | 金融庁・公認会計士・監査審査会 |
| 土地家屋調査士 | 10.1% | 令和7年度 | 法務省 |
| マンション管理士 | 11.0% | 令和7年度 | マンション管理センター |
| FP1級(学科) | 12.41% | 2026年5月実施 | 金融財政事情研究会 |
| 日商簿記1級 | 14.6% | 2025年度 | 東京商工会議所 |
| 行政書士 | 14.54% | 令和7年度 | 行政書士試験研究センター |
| 宅建(宅地建物取引士) | 18.7% | 令和7年度 | 不動産適正取引推進機構 |
| 税理士 | 21.6% | 令和7年度 | 国税庁 |
| 中小企業診断士(1次) | 23.7% | 令和7年度 | 中小企業診断協会 |
社労士より合格率が低いのは司法書士だけで、弁理士・公認会計士がすぐ下に続きます。
行政書士(14.54%)や宅地建物取引士(18.7%)とは、3〜4倍の開きがあります。
合格率を横並びにするときの3つの注意点
合格率の数字は、そのまま資格の難しさの順位にはなりません。
分母の定義が資格ごとに違うためです。
- 中小企業診断士の23.7%は「全科目受験者18,360人」が分母:申込者で割ると16.6%、1科目でも受験した21,678人で割ると20.0%になる。さらに1次合格後に2次(17.6%)が控えるため、通しの合格率は大きく下がる
- 税理士の21.6%は科目合格を含む数値:5科目に到達した人は527人。1年で全科目を仕上げる社労士とは意味がまったく違う
- 公認会計士の7.4%は出願者を分母にした名寄せ後の値:短答式・論文式の二段階を通した最終の割合
社労士の5.5%は、受験者数を分母にした一発勝負・全科目同時の合格率です。
科目合格を積み上げられる税理士や、二段階選抜の公認会計士とは、同じ土俵の数字ではないことを押さえておいてください。
司法書士との比較|合格率は近いが勉強時間は約3分の1
司法書士の難易度は、合格率5.2%と社労士(5.5%)にごく近い水準です。
ただし勉強時間の目安は約3,000時間とされ、社労士の800〜1,000時間の3倍以上にあたります。
記述式が課される点も、社労士にはない負担です。
合格率が近くても、到達までに必要な総量では司法書士のほうが一段上に位置づけられます。
行政書士・宅建士との比較|合格率では社労士が明確に下
行政書士の令和7年度合格率は14.54%で、社労士の約2.6倍です。
宅建(宅地建物取引士)は18.7%と、社労士の約3.4倍にあたります。
勉強時間の目安も行政書士600〜800時間、宅建士300〜400時間と社労士より短く、数字の上では社労士のほうが明確に難関です。
なお行政書士試験の合格者は、社労士試験の受験資格(国家試験合格ルート)を満たせます。
学習分野の重なりは小さいものの、行政書士から社労士へ進む順路には制度上の意味があります。
FP1級・簿記1級との比較|混同されやすい数字に注意
FP1級の学科試験(金融財政事情研究会実施)の合格率は12.41%で、社労士の2倍以上です。
ここで注意したいのは、FP1級には合格率75%超と報じられる試験も存在する点です。
合格率75%超という数字は日本FP協会が実施する1級実技(資産設計提案業務)のもので、学科に合格した人だけが受ける試験の割合にあたります。
FP1級の関門は学科の側にあるため、社労士と比べるなら12.41%のほうを見てください。
日商簿記1級は14.6%で、行政書士とほぼ同水準に位置します。
中小企業診断士との比較|働きながら目指す難関という共通点
中小企業診断士の難易度は、1次23.7%(全科目受験者が分母)・2次17.6%(筆記受験者が分母)の二段階で構成されます。
単年で両方を突破する割合は大きく下がるため、通しで見れば社労士と近い難度帯に入ります。
勉強時間の目安も1,000〜1,500時間と社労士より長めです。
どちらも働きながら目指す社会人に選ばれている点は共通しています。



【編集部より】司法書士は合格率5.2%で勉強時間の目安が約3,000時間、社労士は5.5%で800〜1,000時間です。合格率がほぼ同じでも、到達までのコストは3倍ちがいます。合格率は「入口の狭さ」しか表さないので、難易度を測るなら必要な学習量とセットで見るのが妥当だと考えます。
\難関を効率よく突破するなら/
社労士試験が「難しい」と言われる5つの理由


社労士試験の難しさは、合格率の低さとは別に、試験制度そのものに由来します。
受験者を苦しめる代表的な5つの理由を順に見ていきます。
理由1:全10科目という出題範囲の広さ
社労士試験は、労働関係6科目・社会保険関係4科目の全10科目から出題されます。
労働基準法・労働安全衛生法・労災保険法・雇用保険法・労働保険徴収法・労務管理その他の労働一般常識に加え、健康保険法・国民年金法・厚生年金保険法・社会保険一般常識まで扱います。
1科目あたりの分量も多く、すべてを一定水準まで仕上げる総合力が求められます。
理由2:1科目でも基準点割れで不合格になる「選択式の足切り」
選択式の足切りが、社労士試験で最も多くの受験者を阻む関門です。
選択式は各科目5点満点で、原則として各科目3点以上を取らなければなりません。
総得点で合格ラインを大きく超えていても、1科目が基準点を下回れば不合格になります。
範囲が広く予測しにくい一般常識で基準点を割るケースが多く、「総合点は足りていたのに落ちた」という受験者が毎年生まれます。
LECの合格体験記でも、この足切りを回避できたことが合格の分かれ目として語られています。



(前略)道場で学習した知識を実際に本試験で活用して社労士試験で鬼門とも言われる労働一般選択式で得点することができました。おかげで選択式の足切りにはかからず、落ち着いて合格発表を待つことができました。
出典:LEC 社会保険労務士 合格体験記(高須紀恵さん)
理由3:毎年の法改正に追い続ける必要がある
法改正への対応は、社労士試験の学習を過去問だけで完結させられない理由です。
労働・社会保険の分野は改正が頻繁で、10科目すべてに毎年の変更が及びます。
改正前の内容で覚えていると、そのまま失点につながる構造です。
一般常識で問われる統計の数値も毎年更新されるため、教材の鮮度がそのまま得点に響きます。



また法改正点や一般常識の今年の数字など、過去問にはない演習ができ役立ちました。
出典:LEC 社会保険労務士 合格体験記(伏見綾香さん)
理由4:暗記だけでは解けない出題設計
暗記量を増やすだけでは、社労士試験の選択式に対応しきれません。
選択式では条文や施行規則の文言そのものが空欄になるため、要点をまとめたテキストの理解だけでは埋められない設問が出ます。
過去問を繰り返しても、出題されなかった論点は手つかずのまま残ります。
合格者もこの点を難しさとして挙げています。



授業を受けたからといって暗記ができるわけでもなく、過去問が解けたからといって網羅的に重要ポイントを抑えられているというわけでもないです。また、社労士試験は単にテキストにまとめられた法律の解釈を理解したり、数字を暗記したりすればよいというわけではなく、選択式に備えて条文や施行規則、事務要項を暗記というより、印象付けてインプットするような学習が必要です。
出典:LEC 社会保険労務士 合格体験記(高須紀恵さん)
理由5:年1回・科目合格の持ち越しがない一発勝負
社労士試験は年1回(例年8月)のみの実施で、税理士試験のような科目合格制がありません。
試験当日にすべての科目を同時に合格水準へ仕上げる必要があります。
1科目でも仕上がりが甘ければその年は不合格となり、また1年かけて全科目を作り直すことになります。
この一発勝負の重さが、体感的な難易度を大きく押し上げています。
合格基準と「救済(基準点の補正)」の仕組み
社労士試験の合格基準は、総得点と科目ごとの基準点の両方を満たすことが条件です。
そしてこの基準は、その年の出来に応じて補正されます。
受験者のあいだで「救済」と呼ばれているのが、この補正の仕組みです。
令和7年度の合格基準
令和7年度に適用された合格基準は次のとおりです。
| 形式 | 満点 | 総得点の基準 | 各科目の基準点 |
|---|---|---|---|
| 選択式 | 40点(8科目×5点) | 22点以上 | 各3点以上(労災保険法・労働一般常識・社会保険一般常識は2点以上) |
| 択一式 | 70点(7科目×10点) | 42点以上 | 各4点以上(雇用保険法は3点以上) |
総得点の基準は選択式が満点の55%、択一式が60%です。
数字だけ見れば高すぎるラインではありませんが、ここに科目ごとの基準点が重なります。
令和7年度は4科目で基準点が引き下げられた
令和7年度は、選択式で3科目、択一式で1科目の基準点が引き下げられました。
選択式では労災保険法・労働一般常識・社会保険一般常識が3点から2点に、択一式では雇用保険法が4点から3点に補正されています。
試験センターはこの補正について、次のように明記しました。
上記合格基準は、試験の難易度に差が生じたことから、昨年度試験の合格基準を補正したものである。
出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト「第57回(令和7年度)社会保険労務士試験の合格基準及び正答」


補正が入った科目は、公式に「その年は難しかった」と認められた科目と読み替えられます。
令和7年度に一般常識が2科目とも補正対象になったことは、この科目の攻略しにくさを裏づける材料といえます。
救済があるから運任せ、ではない
救済を前提に学習計画を立てるのは危険です。
どの科目が補正されるかは、合格発表の当日まで公表されません。
令和7年度の補正はいずれも1点の引き下げにとどまっており、基準点を大きく下回った答案まで救われるわけではありません。
あくまで全科目で基準点を確保することを前提に、苦手科目を作らない学習が必要になります。
科目別の難易度|どの科目が重い?


社労士試験は全10科目ですが、学習負荷と足切りリスクは科目ごとに大きく異なります。
配点の大きい科目と基準点を割りやすい科目に重点を置くのが、難関突破のセオリーです。
科目別の難易度・学習負荷の目安
10科目を、学習負荷と足切りリスクの両面から整理しました。
| 科目 | 難易度の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 厚生年金保険法 | ★★★★★ | 最難関・配点大。制度が複雑で改正も多い |
| 国民年金法 | ★★★★☆ | 厚年法とセットで学ぶと効率的 |
| 労働・社会保険の一般常識 | ★★★★★ | 範囲が際限なく広く、選択式の足切りリスク最大 |
| 雇用保険法・労働保険徴収法 | ★★★★☆ | 給付の種類が多く、令和7年度は択一式で基準点が補正された |
| 健康保険法 | ★★★☆☆ | 範囲は広いが仕組みを押さえれば得点源 |
| 労働基準法・労働安全衛生法 | ★★★☆☆ | 学習の入り口。条文理解で得点しやすい |
| 労働者災害補償保険法 | ★★★☆☆ | 出題パターンは明確だが、令和7年度は選択式で基準点が補正された |
最も重い科目は「年金2法」
厚生年金保険法と国民年金法の「年金2法」が、社労士試験で最も時間を要する分野です。
両者は制度の構造が似ているため、別々に覚えるよりセットで比較しながら学ぶほうが定着します。
老齢・障害・遺族の各年金の受給要件を対照させて整理すると、複雑な制度の全体像がつかめます。
年金2法は総学習時間の約4分の1を占めるとされ、ここでの仕上がりが合否に直結します。
足切りに直結する「一般常識」
労働・社会保険の一般常識は、年金2法と並んで受験者を悩ませる科目です。
白書や統計データ、マイナー法令まで出題範囲が及び、予測が立てにくいためです。
令和7年度は、選択式でこの2科目がともに基準点2点へ補正されました。
満点を狙うのは現実的でないため、テキストに広く目を通して基準点を死守する戦略が有効です。
労災保険法・雇用保険法は「安定科目」とは限らない
労災保険法と雇用保険法は、過去問対策が効きやすい科目として扱われがちです。
ただし令和7年度は、選択式で労災保険法、択一式で雇用保険法の基準点がそれぞれ引き下げられました。
過去問の出題パターンから外れた設問が出れば、得点源のはずの科目でも基準点を割ります。
雇用保険法は給付の種類が多く、細かい要件の取り違えが失点につながりやすい点にも注意が必要です。



【編集部より】令和7年度に基準点が下がった4科目は、労災保険法・労働一般常識・社会保険一般常識・雇用保険法でした。学習負荷が最も重い年金2法は補正の対象になっていません。時間をかけるべき科目と、足切りを食らう科目は一致しないということです。
試験形式|マークシートのみで記述式はない
社労士試験は選択式・択一式ともマークシート方式で、記述式や論述式の出題はありません。
司法書士の記述式や中小企業診断士の2次筆記・口述のような、文章で答える試験は課されません。
この点は、社労士試験が「勉強時間の総量では最難関に及ばない」と評価される理由の一つです。
| 形式 | 出題数 | 配点 |
|---|---|---|
| 選択式 | 8科目・8問 | 各問1点/1科目5点・計40点 |
| 択一式 | 7科目・70問 | 各問1点/1科目10点・計70点 |
ただしマークシートであることが易しさに直結するわけではありません。
選択式は語群から文言を選ぶ形式で、条文の言い回しを正確に押さえていないと絞り込めない設問が出ます。
択一式は70問を通しで処理するため、時間配分の訓練も欠かせません。
どんな人が合格している?|職業・年齢と受験回数
社労士試験の合格者は、令和7年度で58.4%が会社員でした。
合格率の低さから専業受験をイメージされがちですが、実際は働きながら合格している人が大半です。
合格者の職業・年齢・男女別の割合
| 区分 | 令和7年度の内訳 |
|---|---|
| 職業別 | 会社員 58.4%/公務員 11.7%/無職 11.0%/団体職員 4.8%/自営業 3.6%/役員 2.8%/学生 1.1%/その他 6.6% |
| 年齢階層別 | 24歳以下 2.1%/25〜29歳 10.6%/30〜34歳 15.5%/35〜39歳 17.0%/40〜44歳 14.4%/45〜49歳 13.1%/50〜54歳 11.9%/55〜59歳 7.0%/60歳以上 8.4% |
| 男女別 | 男性 60.3%/女性 39.7% |
最も多いのは35〜39歳(17.0%)で、30代だけで32.5%、30〜49歳を合わせると合格者の60.0%を占めます。
一方で学生は1.1%にとどまり、社会人が仕事と両立しながら挑む試験であることが数字に表れています。
公務員・団体職員・自営業・役員まで含めると、有職者が合格者の8割超です。
1回で受かる試験ではない
社労士試験は、複数年かけて合格する人が多い試験です。
各社の合格体験記でも、2回目・3回目での合格や、独学から講座へ切り替えて合格した例が繰り返し紹介されています。



3年前の1回目の受験からTACでお世話になり、今年の3回目受験まで3年連続でTACで受講させていただき、3度目の正直で合格することができました。
出典:TAC 社会保険労務士講座 合格者の声
フォーサイトの合格者インタビューでも、独学を4年続けて届かなかった受験者が講座に切り替えて合格した例が紹介されています(フォーサイト 社労士講座 合格者の声)。
初回で合格できなくても、それは想定の範囲内です。
むしろ1年で仕上げ切る前提の計画にこだわりすぎると、範囲の広さに押し切られやすくなります。
合格に必要な勉強時間と学習期間の目安


社労士試験の合格に必要な勉強時間は、800〜1,000時間が一つの目安です。
学習方法によって、この総量は変わります。
独学なら800〜1,000時間以上、通信講座を使えば500〜700時間程度が一つの目安です。
1日2〜3時間を続ければ、12ヶ月で800〜1,000時間に届く計算になります。
いずれも各予備校が公表する一般的な目安で、公式が示した数値ではありません。
科目ごとの時間配分や月単位のスケジュールは、専用の記事で詳しく扱っています。
難易度を下げる学習法|独学・通信講座・模試


社労士試験の体感難易度は、学習方法の選び方で大きく変わります。
ここまで見てきた難しさの中身に、どの方法がどう効くのかを整理します。
独学のメリットとリスク
独学の最大の利点は、費用を市販テキスト・問題集の2〜3万円程度に抑えられることです。
一方で、この記事で挙げた難しさの多くが独学では直撃します。
- 出題傾向を自分で分析する必要があり、10科目への時間配分を誤りやすい
- 毎年の法改正と一般常識の統計更新を、自力で追い続けなければならない
- 一般常識など対策の難しい科目で選択式の基準点を割りやすい
- わからない箇所を質問できず、年1回の試験までモチベーションを保ちにくい
独学での合格者も当然いますが、複数回受験になる可能性は高くなります。
費用を抑えつつ独学で進める方法は、独学の専用記事にまとめました。
通信講座が「難易度を下げる」理由
通信講座は、費用と学習効率のバランスが取りやすい選択肢です。
頻出論点に絞ったカリキュラムで学べるうえ、法改正の反映も講座側が行います。
スマホで講義を視聴できる講座なら、通勤時間や昼休みだけでも学習量を積み上げられます。
主要な社労士講座の多くは教育訓練給付制度(一般教育訓練給付金・受講料の20%・上限10万円)の対象で、自己負担を抑えられます。
模試で「足切り」を事前に検知する
模試は、科目ごとの基準点を割るリスクを本番前に見つけるための道具です。
総得点だけを見ていると、特定科目の弱さに気づかないまま本番を迎えることになります。
本番と同じ問題量を通しで解く感覚をつかむ意味でも、最低1回は受けておきたいところです。
各社の模試の日程・料金・選び方は、模試の専用記事で扱っています。
おすすめ通信講座3選
社労士試験対策として評価の高い3講座を、合格実績・サポート体制・費用の観点から紹介します。
1. アガルート|高い受講者合格率と全額返金制度
アガルートは、受講者合格率の高さと手厚い質問対応が特徴の通信講座です。
令和7年度は受講生の合格率29.45%を公表しており、全国平均5.5%の約5.4倍にあたります。
合格するとお祝い金3万円か受講料の全額返金を選べる制度があり、入門・中上級・上級それぞれのフルのカリキュラムが対象です。
アガルートは講師への質問受付や定期カウンセリングを用意しており、独学でつまずきやすい年金・一般常識の疑問を持ち越さずに済みます。
アガルートが向いている人
- 合格実績を重視して講座を選びたい方
- 質問対応など手厚いサポートを受けたい方
- 全額返金制度で実質負担を抑えたい方
\合格率で選ぶならアガルート/
2. スタディング|スマホ完結で費用を抑えられる
スタディングは、スマホだけで学習を完結できる設計と、主要コースでも10万円を切る価格が強みです。
2025年度はカリキュラム修了者の63.16%が合格し、合格者は353名だったと公表しています。
この63.16%は受講者全体ではなく、成績調査に回答した修了者を分母にした数字なので、全国平均5.5%と直接は比べられません。
講義動画は1本5分程度から細かく区切られているため、通勤時間や昼休みだけでも学習を積み上げられます。
AIが理解度に合わせて復習問題を出す機能や、学習仲間とつながる機能もあり、年1回の試験まで手が止まりにくい作りです。
| コース(税込・通常価格) | 料金 |
|---|---|
| 社労士合格コース ミニマム | 61,800円 |
| 社労士合格コース レギュラー | 74,800円 |
| 社労士合格コース フル | 89,800円 |
スタディングが向いている人
- 費用をできるだけ抑えたい方
- まとまった時間が取りにくく、スキマ時間で進めたい方
- 紙の教材よりスマホ中心で学びたい方
\スキマ時間で進めるならこちら/
3. クレアール|質問が無料・回数無制限で独学の弱点を埋められる
クレアールは、質問が無料で回数無制限という点が、この試験の難しさに正面から効く講座です。
年金2法や一般常識は独力で調べても解決しにくく、疑問を持ち越したまま先に進むと基準点割れにつながります。
クレアールは出題範囲を絞り込む「非常識合格法」を掲げ、資格指導歴57年のノウハウをカリキュラムに反映しています。
セーフティコースは不合格でも翌年の学習を継続できる仕組みで、複数年での受験を想定する人にも向きます。
| コース(税込・一般価格) | 料金 |
|---|---|
| 2027年目標 一発ストレート合格パーフェクトコース | 192,000円(8月割引価格は96,000円) |
| 2027・28年目標 一発ストレート合格セーフティコース | 346,000円(8月割引価格は173,000円) |
クレアールが向いている人
- わからない箇所をその都度つぶしたい方
- 範囲を絞って学習量を抑えたい方
- 複数年かけての合格も視野に入れたい方
クレアールの社会保険労務士講座は無料の資料請求に対応しており、請求フォームで初学者対象講座パンフレット・中上級者対象講座パンフレット・『非常識合格法』書籍を選んで取り寄せられます。
\無料の資料請求でパンフレットが届く/
各講座とも公式サイトで資料請求やサンプル教材を用意しています。
教材との相性は実物を見ないと判断しにくいので、まずは資料請求で確かめてみてください。
2026年度(第58回)社労士試験の概要・受験資格


これから受験を検討する方に向けて、社労士試験の基本情報を整理します。
試験日程(第58回・令和8年度)
2026年度(第58回)の日程と受験手数料は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 2026年8月23日 |
| 申込期間 | 2026年4月13日〜5月31日 |
| 合格発表 | 2026年10月1日 |
| 受験手数料 | 15,000円 |
| 実施回数 | 年1回 |
受験資格
社労士試験を受けるには、次のいずれか1つを満たす必要があります。
- 学歴:大学・短期大学・高等専門学校(5年制)の卒業、専門職大学前期課程の修了など(原則として高卒のみでは不可)
- 実務経験:労働社会保険諸法令の実施事務に通算3年以上従事した経験(社労士・弁護士の補助者、公務員、健康保険組合の職員、労働組合の役員、企業の労務担当役員など)
- 国家試験合格:行政書士試験、司法試験予備試験など、厚生労働大臣が認めた国家試験への合格
申込時には「受験資格証明書」の提出が求められます。
この受験資格の存在が、前述した偏差値の読み方にも関わってきます。
よくある質問(FAQ)
難易度まわりで検索されることの多い9つの疑問に、公式データをもとに答えます。
社労士試験の合格率はどのくらいですか?
社労士試験の合格率は、過去10年で4.4〜7.9%の範囲を推移しており、例年おおむね5〜7%です。
令和7年度は受験者43,421人に対し合格者2,376人で、合格率は5.5%でした。
社労士の難易度は偏差値でいうとどのくらいですか?
推定偏差値は公表元によって64〜68と幅があり、合格率から逆算すると65前後にあたります。
ただしこれは合格率から逆算した目安で、公式が公表している数値ではありません。
社労士試験は受験資格があり母集団が絞られているため、大学受験の偏差値と同じ尺度では比べられません。
社労士試験で最も難しい科目はどれですか?
学習負荷では、厚生年金保険法・国民年金法の「年金2法」が最も重い科目です。
足切りリスクでは労働・社会保険の一般常識が最大で、令和7年度は選択式でこの2科目とも基準点が2点に補正されました。
「救済」があれば基準点を割っても合格できますか?
救済(基準点の補正)は、その年の出題の難易度に応じて科目ごとの基準点が引き下げられる仕組みです。
令和7年度は選択式3科目・択一式1科目が対象で、引き下げ幅はいずれも1点でした。
対象科目は合格発表の当日まで公表されないため、救済を前提にした学習計画は避けてください。
社労士合格に必要な勉強時間はどのくらいですか?
勉強時間の目安は800〜1,000時間で、通信講座を使えば500〜700時間程度に短縮できる場合があります。
科目別の配分と月ごとの組み立て方は社労士の勉強時間の目安と科目別スケジュールで解説しました。
社労士は独学で合格できますか?
独学での合格も可能ですが、法改正への対応と一般常識の足切り対策が大きな壁になります。
市販教材の選び方と進め方の具体策は社労士の独学合格法にまとめました。
社労士と行政書士はどちらが難しいですか?
令和7年度の合格率は社労士5.5%・行政書士14.54%で、数字の上では社労士のほうが難関です。
勉強時間の目安は行政書士600〜800時間と社労士より短めです。
なお行政書士試験の合格者は、社労士試験の受験資格を満たせます。
模試は受けたほうがいいですか?
科目ごとの基準点割れを本番前に見つけるため、最低1回は受けることをおすすめします。
実施時期や料金は社によって差があるので社労士模試の比較で見比べてみてください。
働きながらでも社労士に合格できますか?
令和7年度の合格者は会社員が58.4%と最多で、働きながらの合格が主流です。
年齢も35〜39歳が17.0%で最も多く、30〜49歳が合格者の60.0%を占めます。
通勤中に講義を聴き、昼休みに問題演習をあてるなど、生活のなかに学習を組み込む工夫が要になります。
まとめ|社労士は難関だが、戦略次第で合格は十分狙える
社労士試験は合格率5.5%の難関ですが、必要な勉強時間は最難関資格の3分の1程度で、合格者の6割近くは働きながら結果を出しています。
難易度のポイント
- 合格率は過去10年で4.4〜7.9%。令和7年度は5.5%で、振れ幅は3.5ポイントある
- 推定偏差値65前後は合格率からの逆算値(公表元により64〜68と幅がある)。受験資格で母集団が絞られており、大学受験の偏差値とは比べられない
- 合格率が社労士より低い主要資格は司法書士(5.2%)のみ
- 難しさの正体は「10科目の広さ」「選択式の足切り」「毎年の法改正」「暗記では解けない出題」「年1回の一発勝負」
- 令和7年度は4科目で基準点が補正された。補正は公式が難易度差を認めた証拠でもある
合格するためのポイント
- 配点の大きい年金2法に学習時間を重点配分する
- 一般常識は「広く浅く」で基準点割れを避ける
- 模試で科目ごとの弱点を本番前に洗い出す
- 法改正への対応を自力で抱え込まず、講座のアップデートに任せる
- 教育訓練給付制度(一般20%)で費用の自己負担を抑える
難易度を押し上げているのは学習量の多さではなく、10科目に及ぶ範囲の広さと、1科目でも落とせない基準点の設計です。
学習時間の総量そのものは最難関資格ほど多くないため、範囲の広さと足切りへの備え方さえ設計できれば、十分に射程に入る資格です。
難関資格に時間を投じる価値があるかを先に見極めたい方は、社労士は意味ないと言われる理由もあわせてご覧ください。
\全額返金制度あり!/

